ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

同道大池

2017-07-21 15:19:33 | 岡山県
2017年7月15日 同道大池
 
同道大池は岡山県備前市鶴海にある灌漑用アースダムで、1924年(大正13年)に当時の備前町の事業により建設されました。
その後1994年(平成6年)に岡山県の溜池等整備事業で改修され現在に至っています。
池の管理は受益者など関係者で構成される鶴海水利委員会が行っています。
 
岡山ブルーラインの片上大橋を渡り鶴海インターから県道を西進、鶴海交差点を右折して北上すると同道大池に到着します。
同道大池直下にも小さな溜池がありその天端から撮影
堤体中央を車道が横断しています。
 
 
右岸堤体直下の洪水吐減勢工
秋冬ならもっとよく見えるんでしょうけど・・・。
 
左岸から
堤体は緩やかに湾曲、上流面はコンクリートで護岸されています。
 
天端
轍がありますが対岸で行きどまり。
 
 
下流の眺め
すぐ下にも溜池があります。
 
総貯水容量16万5000立米の貯水池。
 
堤体上流面2か所に階段式斜樋があります。
 
右岸の洪水吐。
 
洪水吐そばにある2基の記念碑
左手が大正13年の竣工記念碑、右手の小さいのが平成6年の改修工事記念碑。
 
1845 同道大池(1068)
岡山県備前市鶴海
北緯34度42分35秒,東経134度11分01秒
堂々川水系堂々川
23.3メートル
171メートル
165千㎥/165千㎥
鶴海水利委員会 
1924年

安室ダム

2017-07-21 14:07:45 | 兵庫県
2017年7月15日 安室ダム
 
安室ダムは兵庫県赤穂郡上郡町の千種川水系安室川にある兵庫県営の多目的重力式コンクリートダムです。
岡山県境近くに源を発し上郡町を横断して千種川に注ぐ安室川流域では1974年(昭和49年)、1976年(昭和51年)と立て続けに洪水被害が発生し、抜本的な洪水対策を求める声が高まりました。
また生活様式の西洋化に伴い水需要が増加し安定した上水道水源の確保も課題となっていました。
そこで兵庫県は治水・利水を目的とした多目的ダムの建設を進め、1991年(平成3年)に安室川源流部に建設されたのが安室ダムです。
安室ダムは安室川の洪水調節、既得取水権としての灌漑用水の供給・安定した河川流量の保持、上水道用水の供給を目的としています。
 
上郡中心部から県道90号を岡山方面に西進、安室ダムの標識に従って左折するとダム湖(本宮湖)越しにダムの上流面が見えてきます。
クレストには非常用洪水吐として6門の自由越流型ゲートがあります。
 
左岸に置かれたの竣工記念碑
天端左岸側には小さな駐車スペースやベンチがあり小公園となっています。
 
兵庫県営ダムではおなじみのタイムカプセル。
 
ダム湖(本宮湖)は総貯水容量430万立米。
 
副ダムと利水放流設備
左手の利水放流設備は初めて見る形状です。
 
天端は車両通行可能、右手が管理事務所です。
 
上流面
中央に取水設備、左手にオリフィスゲートが見えます。
 
下流面。
 
堤体直下にも行くことができます。
 
減勢工の下流にある小さな堰
ここから河川維持放流を利用して既得取水権としての灌漑用水が取水されています。
 
1520 安室ダム(1067)
兵庫県赤穂郡上郡町行頭
北緯34度52分29秒,東経134度16分53秒
DamMaps
千種川水系安室川
FNW
50メートル
172メートル
4300千㎥/4100千㎥
兵庫県土木部
1991年

金出地ダム

2017-07-21 12:39:29 | 兵庫県
2017年7月15日 金出地ダム
 
金出地で『かなじ』と読みます。
金出地ダムは兵庫県赤穂郡上郡町の千種川水系鞍居川にある兵庫県営の治水目的の重力式コンクリートダムです。
1980年代から兵庫県たつの市、上郡町、作用町にまたがる吉備高原東端部分を切り開く播磨科学公園都市開発事業が進められ、開発に伴う流出量増加や上水道用水の需要増加に対処するため金出地ダム建設が計画されました。
1990年(平成2年)から建設に着手されるも、バブル崩壊やその後の不況により播磨科学公園都市開発事業は大幅に縮小され、ダム建設についても再検討され上水道用水の供給は削除され治水目的のダムとして2015年(平成27年)に竣工、現在は試験湛水が行われています。
運用開始の暁には鞍居川流域の洪水調節と、既得取水権として流域への灌漑用水の供給および安定した河川流量の保持を目的とする予定です。
 
播磨科学公園都市のテクノ中央交差点から県道28号を西進すると県道がヘアピンを描く箇所からダムを俯瞰することができます。
すでにダムは竣工していますが、取り付け道路の工事が行われ堤体に行くことはできません。
 
金出地地区から鞍居川を遡上するとダムの下流に向かうことができます。
途中から車両通行止めとなるため、ここからは徒歩で。
 
ダムの掲示板。
 
下流から金出地ダムと正対できます
非常用洪水吐としてクレストに自由越流洪水吐が4門、常用洪水吐としてオリフィスゲートがあります
洪水期に入ったため試験湛水は一時中断、オリフィスから放流されています。
 
 
ちょっとアングルを変えて
右岸(向かって左側)に利水放流設備が見えます。
 
減勢工の下流は親水公園になっていますが、試験湛水が終わるまでは利用できないようです。
 
ダムの直下には昔ながらの水車が展示されています。
 
本来なら既に試験湛水が終わっている予定ですが、少雨のため計画が遅れているようです。
本格的な運用は来年以降になりました。
 
2954 金出地ダム(1066)
兵庫県赤穂郡上郡町金出地
北緯34度55分40秒,東経134度25分25秒
DamMaps
千種川水系鞍居川
FN
62.3メートル
184メートル
4700千㎥/4400千㎥
兵庫県土木部
2015年


長谷ダム

2017-07-21 11:28:40 | 兵庫県
2017年7月15日 長谷ダム
 
兵庫県には『長谷ダム』が2基ありますが、神河町の長谷ダムが『はせ』と読むのに対して、こちらの長谷ダムは『ながたに』と読みます。
長谷ダムは兵庫県たつの市新宮町光都の千種川水系長谷川にある兵庫県営の治水目的の重力式コンクリートダムです。
1980年代から兵庫県たつの市、上郡町、作用町にまたがる吉備高原東端部分を切り開く播磨科学公園都市開発事業が進められ、開発に伴う流出量増加に対処するために1991年(平成3年)に竣工したのが長谷ダムです。
長谷ダムは長谷川の洪水調節に加えて既得取水権としての灌漑用水の補給、安定した河川流量の保持を目的としています。
 
県道44号線通称播磨テクノラインを北上し、西播磨総合庁舎入口をやり過ごすと長谷ダムへの標識が現れます。これに従って右折するとダムに到着します。
まずは下流から
クレストに自由越流式洪水吐が2門、オリフィスゲートが1門のよくあるゲートレスダムです。
この日はオリフィスから放流していました。
 
ダム直下まで接近できます。
 
左岸天端わきの竣工記念碑。
 
ダムの説明板。
 
下流面。
 
車止めがあり天端は歩行者のみ通行可
ダム湖を周回できるようです。
 
天端から減勢工
右手は利水放流設備です。
 
ダム湖(深山湖)は総貯水容量24万立米と溜池サイズ。
 
左岸の管理事務所。
 
右岸上流から。
 
長谷ダムのほか、播磨科学公園都市周辺には4基の防災調整池がありますが、今回はその存在を知らずスルーしてしまいました。
 
3015 長谷ダム(1065)
兵庫県たつの市新宮町光都
北緯34度56分34秒,東経134度26分30秒
DamMaps
千種川水系長谷川
FN
30.3メートル
125メートル
240千㎥/215千㎥
兵庫県土木部
1991年


栗栖池

2017-07-21 10:18:02 | 兵庫県
2017年7月15日 栗栖池
 
栗栖池は兵庫県たつの市新宮町牧の揖保川支流栗栖川源流部にある灌漑用アースダムです。池に設置されている説明板によれば1941年(昭和16年)に受益者で組織された水利組合によって着工されますが戦争により事業は中断、戦後1952年(昭和27年)になってようやく完成しました。現在はたつの市栗栖土地改良区が管理を行っています。
 
播磨自動車道播磨新宮インターから県道と国道でたつの市新宮町牧まで北上し、牧大荒田橋バス停で左に分岐し麦子口集落を抜けると栗栖池に到着します。
池まで車で行けないことはありませんが、途中から落石が多くなったので我が家は車をデポして最後の500メートルは徒歩で池へと向かいました。
 
下流面
犬走りを挟んで2段で構成されており、堤体表面には石が葺かれています。
 

天端。
 
上流面はきれいに石が積まれています
湖畔にはモミジがあり紅葉の頃は美しい景色が広がると思われます。
 
右岸を少し上流に向かうと斜樋の機械室があります。
 
総貯水容量53万立米と溜池としてはやや大きめのサイズです。
 
左岸の洪水吐
今の時節は葉が茂り全容を撮影できません。
 
堤体左岸を導流部が下ります。
 
上流面の石積み。
 
湖畔に設置された栗栖池の説明板。
 
1478 栗栖池(1064)
ため池コード 282292142
兵庫県たつの市新宮町牧
揖保川水系栗栖川
26.7メートル(ため池データベース 25.7メートル)
90メートル
530千㎥/476千㎥
たつの市栗栖土地改良区
1952年