ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

鉄山池

2018-10-17 16:55:35 | 鳥取県
2018年10月9日 鉄山池
 
鉄山池は鳥取県東伯郡北栄町上種の由良川右支流(河川名未確認)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1940年(昭和15年)に鉄山谷土地改良区の事業で竣工と記されており、土地改良区の前身となる耕地整理組合もしくは水利組合等の事業、つまり受益農家の持ち出しで建設されたものと思われます。
現在の管理者は鉄山谷土地改良区です。
 
池の場所は明確ですが、国土地理院地形図を見てもアプローチがあやふや。
池の周辺は国営東伯地区かんがい排水事業で整備された畑地やビニールハウスが広がり、偶々農作業をされていた農家の方に場所を伺いました。
車で直接池に乗り付けるのは無理で最後は200メートルほどの歩きとなります。
丘陵地を開拓した畑地が広がる中、池の周囲だけは杉林に囲まれ鬱蒼とした雰囲気。
 
天端は下流面はきれいに草が刈られ、いまだ貴重な水源であることが伺えます。
 
貯水容量5万1000立米の小さな溜池。
 
下流面。
 
右岸から天端と上流面。
訪問直前に通過した台風の影響か満水。
 
右岸の小さな洪水吐。
 
堤体右岸に沿って流下する導流部。
 
下流面
夏場に草刈りが行われたようです。
 
このまま池下に下りて底樋管の写真を撮ったはずなのに見当たらない…
あと取水設備も池のどこを探しても見つかりませんでした。
たぶん左岸側に池栓などがあると思うのですが、直前に通過した台風の影響で水位が上がり水没していたのかもしれません。
池周辺は東伯地区かんがい排水事業で開発された畑地やビニールハウスが立ち並んでいますが、この池はそれらとは無関係で由良川流域の水田の水源として利用されています。 

1675 鉄山池(1397)
ため池コード
鳥取県東伯郡北栄町上種
由良川水系由良川右支流
19メートル(ため池データベース19.6メートル)
79メートル(ため池データベース78.5メートル)
51千㎥/50千㎥
鉄山谷土地改良区
1940年

西高尾ダム

2018-10-17 13:49:03 | 鳥取県
2018年10月9日 西高尾ダム
 
西高尾ダムは鳥取県東伯郡北栄町西高尾の由良川水系西高尾川源流部にある灌漑目的のロックフィルダムです。
大山北東山麓に位置する東伯郡琴浦町から北栄町一帯は広く火山堆積物で覆われた台地が広がり、地味は豊かながら水利に乏しく灌漑施設の整備が強く求められていました。
1979年(昭和54年)より農水省による国営かんがい排水事業東伯地区が着手され3基のダム、3箇所の揚水機場、延長38.2キロの幹線水路の整備が開始されました。
まず1992年(平成4年)に西高尾ダム、2003年(平成15年)に船上山ダム、に2006年(平成18年)に小田股ダムが竣工、同年かんがい排水事業全体も完了し約2700ヘクタールの田畑への灌漑設備が整備されました。
運用開始後はダムを含めた灌漑施設全体を東伯地区土地改良区連合が管理を受託しています
 
ダム下から
水田に沿って進むと奥に堤体が見えてきます。


ダム下の放流設備
右手に切れている白い建屋が揚水機場。


リップラップを見上げます。
リップラップ自体は草も少なくきれいに保たれています。

右岸の洪水吐斜水路。
ダム建設にあわせダム下は公園として整備されたようですが、今は荒れ放題。
この写真も蜘蛛の巣をかき分けてようやくシャッターを切りました。

 
左岸ダムサイトに上がります。
完成記念碑。


右岸の洪水吐。


2車線幅の天端ですが車両進入禁止
左奥が管理事務所。


上流面
こちらもきれい。
管理事務所から斜樋が伸びています。


天端から
木の陰になりますが白い建物は揚水機場と放流設備。


総貯水容量は201万立米で同じ国営事業で建設された3ダムの中では最大。
雲が架かっていなければ奥に大山が見えるのですが・・・・。

 
下流面。
奥の草付きの向こうが洪水吐斜水路。

定礎石。
農政局長は就任中に国営事業でダムを完成させれば、碑に名を残せる栄誉を賜ります。

水利使用標識
受益農地の大半は畑作のため年間を通して水利権が配分されます。

 
管理事務所裏手に斜樋と浮桟橋。
斜樋と浮桟橋がセットになっているのは船上山ダム小田股ダム共通。


ダム湖畔にはレークサイド大栄というレクリエーション施設が整備され周辺住民の憩いの場となっています。
 
1690 西高尾ダム(1396)
鳥取県東伯郡北栄町西高尾
由良川水系西高尾川
46.2メートル
237メートル
2010千㎥/1970千㎥
東伯地区土地改良区連合
1992年

小田股ダム

2018-10-17 13:09:08 | 鳥取県
2018年10月9日 小田股ダム
 
小田股ダムは鳥取県東伯郡琴浦町倉坂の洗川水系倉坂川源流部にある灌漑目的のロックフィルダムです。
大山北東山麓に位置する東伯郡琴浦町から北栄町一帯は広く火山堆積物で覆われた台地が広がり、地味は豊かながら水利に乏しく灌漑施設の整備が強く求められていました。
1979年(昭和54年)より農水省による国営かんがい排水事業東伯地区が着手され3基のダム、3箇所の揚水機場、延長38.2キロの幹線水路の整備が開始されました。
まず1992年(平成4年)に西高尾ダム、2003年(平成15年)に船上山ダム、に2006年(平成18年)に小田股ダムが竣工、同年かんがい排水事業全体も完了し約2700ヘクタールの田畑への灌漑設備が整備されました。
運用開始後はダムを含めた灌漑施設全体を東伯地区土地改良区連合が管理を受託しています
 
ダム下から
堤体と地山を挟んだ左岸側(向かって右手)に洪水吐導流部があります。


洪水吐減勢工と取水設備からの用水路がダム下で合流します。
フィルダムのこの絵柄、個人的にはかなり好みです。

 
ダムサイトに上がります
左岸の越流式洪水吐。


左岸ダム湖畔の管理事務所^手に斜樋と繋留設備があります。


ダムサイトの事業説明板。


竣工記念碑兼定礎石。


水利使用標識
受益農地の大半が畑なので年間を通して水利権が配分されています。


天端から
ちょっとわかりづらいですが海が見えます。


総貯水容量200万立米の貯水池。
雲が切れれば大山が見えるのですが・・・。


管理事務所と斜樋、浮桟橋
3枚目の写真を遠望したものです。


草がほとんどない奇麗なリップラップ。


広い天端は徒歩のみ開放。


上流面。


同事業で建設された船上山ダムともどもとても美しいロックフィルダムです。
 
1689 小田股ダム(1395)
鳥取県東伯郡琴浦町倉坂
洗川水系倉坂川
50メートル
347メートル
2000千㎥/1950千㎥
東伯地区土地改良区連合
2006年

船上山ダム

2018-10-17 02:30:54 | 鳥取県
2018年10月9日 船上山ダム
 
船上山ダムは鳥取県東伯郡琴浦町山川の勝田川水系勝田川源流部にある灌漑目的のロックフィルダムです。
大山北東山麓に位置する東伯郡琴浦町から北栄町一帯は広く火山堆積物で覆われた台地が広がり、地味は豊かながら水利に乏しく灌漑施設の整備が強く求められていました。
1979年(昭和54年)より農水省による国営かんがい排水事業東伯地区が着手され3基のダム、3箇所の揚水機場、延長38.2キロの幹線水路の整備が開始されました。
まず1992年(平成4年)に西高尾ダム、2003年(平成15年)に船上山ダム、に2006年(平成18年)に小田股ダムが竣工、同年かんがい排水事業全体も完了し約2700ヘクタールの田畑への灌漑設備が整備されました。
運用開始後はダムを含めた灌漑施設全体を東伯地区土地改良区連合が管理を受託しています。
また2014年(平成26年)から河川維持放流を利用した船上山発電所(最大出力110キロワット)が稼働しています。

下流から
堤高43.9メートル、堤頂長232.7メートル
堤体下部は芝が張られツートンカラー
手前の黒いドアの下が小水力発電所。

 
右岸の洪水吐斜水路。

 
左岸から
農業用ロックフィルダムの場合、管理の手が届かずせっかくの美しいリップラップが草まみれになっているダムが少なからずありますが、ここはきれいに整備されています。


天端から
ダム下は万本桜公園、奥の赤い屋根は県立少年自然の家。
船上山の登山口になっています。


ダム湖の総貯水容量は72万立米。
これだけの規模のダムにしては貯水量は小さい気が。


右岸の繋留設備も兼ねた斜樋。


天端中央の定礎石。
この位置に置かれるのは珍しい。


天端は徒歩のみ開放
背後に聳えるのが船上山。
ぱっと見メサかと思いましたが、大山の火山活動で噴出した溶岩流が侵食されてこんな姿になったとのこと。
ということで凝灰岩。


水利使用標識
かんがい面積2740ヘクタールのうち、畑が2000ヘクタールを占めるため年間を通じて水利権が配分されています。


右岸の横越流式洪水吐
僅かに越流しています。


上流から
右手は管理事務所ですが職員の常駐はなく巡回のみ。


上流面
こちらも草はなくきれいなロック。


竣工記念碑と船上山
できれば青空の下で眺めたかった。


1688 船上山ダム(1394)
鳥取県東伯郡琴浦町山川
勝田川水系勝田川
43.9メートル
232.7メートル
720千㎥/520千㎥
東伯地区土地改良区連合
2003年

寺谷池

2018-10-17 01:46:09 | 鳥取県
2018年10月9日 寺谷池
 
寺谷池は鳥取県西伯郡大山町東坪の真子川水系寺谷川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1989年(平成元年)に新田井手組合の事業で竣工と記されています。
池の状況を見るともっと歴史は古いと思われ、たぶん団体営事業による改修が竣工したのが1989年ではないかと思われます。
また便覧では堤高15メートルとなっていますが、鳥取県のため池データベースでは堤高13.9メートルとなっており、これを採ると河川法上のダムの要件未達となります。
 
寺谷池への道は一応舗装路ですが、直前の台風による倒木などがあり結構荒れ気味です。
右岸から下流面
時節柄草が伸び放題でなんの写真かわかりません。
草刈は稲刈り終了後にするんでしょう。
 
天端
一応舗装道路が通っています。
 
上流面も草ボウボウ。
 
左岸に越流式洪水吐がありますが、草が伸びていて近寄れません。
 
総貯水容量は10万2000立米
直前に通過した台風の影響でずいぶん濁っています。
 
左岸から。
 
たぶん右岸上流側に取水設備があると思われますが、これまた草生していて接近できませんでした。
稲刈りが終わると池の草刈りも行われると思われ、そのあとに訪問すれば池の印象も違ったものになったんでしょうね。

3667 寺谷池(1393)
ため池コード
鳥取県西伯郡大山町東坪
真子川水系寺谷川
15メートル(ため池データベース13.9メートル
95メートル
102千㎥/102千㎥
管理者未確認
1989年