ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

中尾尻溜池

2018-10-22 16:00:35 | 鳥取県
2018年10月12日 中尾尻溜池
 
中尾尻溜池は鳥取県倉吉市鴨河内の天神川水系小鴨川左支流(河川名未確認)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
倉吉市街南部から旧関金町にかけての小鴨川沿いには古くからの溜池が点在していますが中尾尻溜池もそのうちの一つで、ダム便覧には天神野土地改良区の事業により1923年(大正12年)に竣工と記されています。
大正期には土地改良区はありませんので、前身となる耕地整理組合によって建設されたものと推察されます。
竣工年度と事業者はすぐ下流にある池ノ谷溜池と同じですので、同時に建設されたんでしょう。
ただ地図で確認すると中尾尻溜池と池ノ谷溜池それぞれの池からの灌漑水路は別ルートになっていますので、いわゆる上池、下池の関係ではないようです。
中尾尻溜池の管理は周辺の溜池ともども天神野土地改良区が行っています。
 
県道237号線に中尾尻溜池への入口が分岐します。
訪問時は改修工事中。
 
この道路が池の天端へと続いていますが関係者以外立ち禁。
 
今度は右岸に回り込みますが、こちらもこの先通行禁止。
 
立ち入り禁止のゲートから写真を撮ります。
 
遮水壁を造り直し上流面を盛り立て直すとともに、洪水吐を一新するようです。
 
下流側の工事。
 
改修工事終了後に再訪できればいいのですが。
 


1670 中尾尻溜池(1408)
ため池コード
鳥取県倉吉市鴨河内
天神川水系小鴨川左支流
15.2メートル(ため池データベース19.1メートル)
115メートル(ため池データベース111.8メートル)
153千㎥(ため池データベース148.8千㎥)/153千㎥
天神野土地改良区
1923年

池ノ谷溜池

2018-10-22 14:54:45 | 鳥取県
2018年10月12日 池ノ谷溜池
 
池ノ谷溜池は鳥取県倉吉市鴨河内の天神川水系小鴨川左支流(河川名未確認)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
倉吉市街南部から旧関金町にかけての小鴨川沿いには古くからの溜池が点在していますが池ノ谷溜池もそのうちのひとつで、ダム便覧には天神野土地改良区の事業で1923年(大正12年)に竣工と記されています。
大正期には土地改良区はありませんので、前身となる耕地整理組合によって建設されたものと推察されます。
現在は周辺の溜池ともども天神野土地改良区が管理を行っています。
 
まず池の下流に向かいますが、荒神社が祀られており下流面は垣間見るのみ。。
この社の向こうに底樋があるようで、放流の音が響きますが姿は見えません。
 
下流面は草ぼうぼう。
周辺の田んぼではまだ稲刈りが済んでいないので仕方ないですね。
 
天端上流側を用水路が通っています。
地図で確認すると小鴨川からの水路で池ノ谷池とは立体交差になっています。
川の取水堰や溜池ごとに用水を補給する水田や農地は厳格に決められていることが分かります。
 
上流面は繊維状の遮水材で護岸されています。
 
左岸の斜樋。
 
天端からの眺め
真下に荒神社があり、左下に底樋ゲートが見えます。
 
総貯水容量61万6000立米とこのあたりの溜池としては比較的大規模です。
晴れていれば正面に大山が見えるのですが、残念ながら雲が掛かっています。
左手の山は蒜山三座。
 
天端は車道。
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部
草が伸び放題でなんの写真かよくわかりません。
 
堤体上流側に別系統の水路が流れるという珍しい構造になっています。

1669 池ノ谷溜池(1407)
ため池コード
鳥取県倉吉市鴨河内
天神川水系小鴨川
16メートル(ため池データベース16.3メートル)
78メートル(ため池データベース79メートル)
616千㎥(ため池データベース659千㎥)/399千㎥
天神野土地改良区
1923年

坂根ダム

2018-10-22 14:02:17 | 島根県
2018年10月11日 坂根ダム
 
坂根ダムは島根県仁多郡奥出雲町八川の斐伊川水系室原川源流部にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
1974年(昭和49年)より国営の横田地区農地開発事業が着手され、その中核施設として1992年(平成4年)に竣工しました。
運用開始後は奥出雲町土地改良区が管理を行っており、管内370.8ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
 
おろちループ北側の国道314号線に坂根ダムを示す標識があります。これに従って分岐を南に向かうと1キロほどで坂根ダムが見えてきます。
ダム下は立ち入り禁止ですが、左岸の道路から堤体が見えます。
農水省のダムらしく洪水吐は自由越流式のクレストゲートだけ、それ以外に利水および河川維持放流施設があります。
導流壁は緩やかにカーブした漸縮型で同時期の農業用ダムでよく見られる特徴。
 
左岸から。
 
坂根ダムの概要碑。
 
竣工記念碑
しかし農水省のダムの竣工記念碑って竣工当時の農政局長が必ず名前を残すね。
政治家と言い役人と言い…。
 
天端。
 
上流面
台風の影響かこの季節にしては水位がずいぶん高くなっています。
 
取水設備は多孔式。
 
天端から。
 
貯水池は総貯水容量79万立米。
 
右岸から。
 
(追記)
坂根ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1758 坂根ダム(1406)
島根県仁多郡奥出雲町八川
斐伊川水系室原川
50.6メートル
157メートル
790千㎥/670千㎥
奥出雲町土地改良区
1992年
◎治水協定が締結されたダム