2018年10月10日 賀祥ダム
賀祥ダムは鳥取県西伯郡南部町下中谷の日野川水系法勝寺上流部にある鳥取県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、法勝寺川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、米子市への上水道用水の供給を目的として1988年(平成元年)に竣工しました。
また2013年(平成25年)には河川維持放流を利用した鳥取県企業局賀祥発電所が増設され、最大出力260キロワットの小水力発電が開始されています。
ダム下から。
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートが9門、常用洪水吐としてコンジットに高圧ラジアルゲートが1門、さらにしてジェットフロートゲート1門を装備しています。
時期的に中規模ダムにおける完全ゲートレス化への過渡期のダムと言えます。
ダム下右手の建屋は2013年(平成25年)に増設された鳥取県企業局賀祥発電所。
コンジットゲートゲートハウス
点検のため操作室に人がいます。
クレストゲートには切欠が2箇所入っています。
ダムサイトに上がります。
がっちりした堤趾導流壁。
天端は車両通行可能、ただしダム周回道路は反時計回りの一方通行です。
コンジットの予備ゲート施設。
本来ここには予備ゲートが装備されていますが、訪問時は点検のため予備ゲートが稼働しており姿が見えませんでした。
天端から
ダム湖は総貯水容量745万立米
緑水湖という名前とは裏腹に、台風の影響で水は濁りまくっています。
右岸にある制限水位調整ゲート
洪水期に制限水位を低下させるためにコースターゲートの開閉によって制限水位の調整を行います。
左岸の艇庫とインクライン。
クレストは自由越流頂、コンジットは高圧ラジアルゲートとゲートレスダムへの移行期形態。
さらに、クレストゲートの切欠や制限水位調整ゲートなど細かい部分に見所の多いダムとなっています。
(追記)
賀祥ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
1685 賀祥ダム(1405)
鳥取県西伯郡南部町下中谷
日野川水系法勝寺川
FNW
G
46.4メートル
174メートル
鳥取県県土整備部
1988年
◎治水協定が締結されたダム