IBMが初めて手がけたPC(パーソナル・コンピュータ)は1980年に市場に投入された。
8ビット機をとばしての16ビット機。しかし、当初は独自OSを採用すると見られていた。ところが、発売直前になって、マイクロソフトのMS-DOSが急浮上した。元来、ビルゲーツ自身もMS独自にOSを開発したかった。時間がない中で、MSが採用したのが、シアトル・コンピュータ・プロダクツのティム・パターソン氏が開発した、OSを買取り、IBM用にカスタマイズすることだった。誇り高いビルゲーツは当初、この戦略に反対したという。しかし、MSの極東担当副社長だった日本人N氏がビルゲーツを説得して、MSブランドでをBMに購入してもらうことになった。様々な背景やら憶測が当時からあった。
有力な説は、ビルゲーツの母親が、かつてIBMの役員秘書であったことが功を奏したというものである。比較的おとなしめなビルゲーツと比較して、押しの強いN氏は、その類まれなプレゼンテーション能力で、並み居るIBM役員をとりこにしたであろうことは想像に難くない。ビッグ・ブルーのIBMが採用したとなれば、他メーカーも追随せざるをえない。当初、8ビット機の標準であった、CP/M。後継のCP/M86が有力と思われたが、IBMのMS-DOS投入により、あっさりと勝負はついた。1980年はそういった意味で、16ビット機PC元年といえる。ビジネス界の巨人IBMの参入はそれなりの意義、意味があった。
そして、MS-DOSの発展を見ると、以下の通りであった。
MS-DOS Ver.1.0
MS-DOA Ver.2.11
MS-DOS Ver.3.1
MS-DOS Ver.4.0(日本では未発売)
WINDOWS-95(Ver.5.XX)
WINDOUWS-98(Ver.5.XX)
WINDOWS-XL,NTその他(Ver.XX)
WINDOWS-VISTA(Ver.6.XX)
WNDOWS-7
WINDOWS-8
MS社内では、DOS,WINDOWSの区別無く、バージョン管理がなされている。
現在N氏は業界から離れて、教育界で活躍している。再びビジネスの世界で活動することはないであろうが、今まで培ったものを、教育界でも活用すれば、新しい教育の流れができるように思う。その日が来るのを楽しみにしている。