無理

夜のミーティング
コバコーチから
「君達はスポーツマンなんだから、
簡単に無理、出来ない。って言わない。
やる前から無理。って言い過ぎだ」って
本当にそうで。
でも、この合宿では少しだけ無理しました

最初は、守備に難の有る子の特守だったのが、
いつの間にか、鬼軍曹のテンションが上がって、
鬼の個人ノック全員分に
やっぱり、そうなるのね

「オラ～、ラスト3だぁ」って10回位言っている

終わった瞬間泣き出す子。
泣きながらボールを追いかける子。
ユニフォームは汗と土で真っ黒。
見ていたお母さんが、
「切なくなる」って言うくらい壮絶なノック

もしかしたら、このノックは時代錯誤、
厳しい練習をさせている。って大人の自己満足。と
批判させるかも知れない。

確かに、このノックがを受けた事で劇的に
上手く成ったなんて事はない
でもね。闘争心と言うか、テンションが上がった。と言うか。

普段は、ちょっとキツいメニューにすると
無理、出来ない。って言う子ばかりだけど、
そんな事は誰も言わなかった。
歯を食いしばって、ボールに食らいついてた。

ノックが終わった瞬間
その場に崩れ落ちて号泣した子は
暫く、隅で一人ポツン
心配だったけど、敢えて声もかけずに
復活するのを待っていた。

その後、普通に練習してたけど、
あの時、彼は一人で何を思っていたんだろう。

東京に帰って来て、代表の挨拶。
「合宿、楽しかった子」って質問。
一番先に手を挙げたのは、その子だった。
ちょっとホッとした

そんな壮絶ノックを涼しい顔で受けてたのは
キャプテンのコマッチ。
体力、気力充実してます

しかし、あの炎天下で三時間近く
一人でノックを打ち続けた、鬼軍曹も凄いね。
なんて元気な66才