今日はパソコンスタートの時間が遅いので(だってもう23時過ぎている)、
簡単に終わらせようと思います。って、いつも簡単ですけれど。
この10日間は他にやることがいろいろあって本を読む時間があまりありませんでした。
というか、「コンニャク屋」ですっごく時間がかかってしまった。
読むのをやめてしまおうか、やっぱり最後まで読むべきか、
どっちかに大きく傾けばやめる、あるいは続行と決められるのに、なかなか手こずりました。
では、いつものように、この10日間に読んだ本の17ページの6行目をアタマから書き写しています。
あとは感想にも紹介にもならない雑文です。
コンニャク屋漂流記/星野博美
それはすべて祖父が東京に出たところから始まっている。祖父こそ、コンニャク屋という
これがその読むべきか読むのをやめるべきか迷いながらも最後まで読んだ星野博美さんの本。
人はどんな時、家族の歴史を知りたくなったり、人に伝えたくなったりするのか。
先祖は江戸時代、紀州から房総半島へ渡った漁師で、屋号はなぜか「コンニャク屋」。
東京・五反田から房総半島、そして和歌山へ、星野さんは祖父の手記をきっかけ手がかりに、
自分の先祖はどこから来たのか探して歩くのですが、漂流記とか放浪記とか、ほらやっぱり前作の免許の話といい、
どこか親近感を覚えてしまうのですが。
ただ、前作でも感じたのですが、まどろっこしい部分と、私の感覚と違う「、」の使い方が読みづらく、
これはどこかの雑誌に連載されていたというようで、それを多くの親戚(登場している人も)が読む→そこらへんの気遣いなのか、
身内の話の部分に多くを割いていて、そこらへんが読みにくい原因だったのかなぁ。
ドン・ロドリゴの話とか、墓石の話、漁師の気質など、ぐぐっと面白い箇所はいっぱいあるのだけれど。
で、私のルーツはというと、父方が福井県だったかな、母が秋田県、それより前となると???。
父に頼まれて、父の兄の遭難場所(戦時中に雪崩に巻き込まれ亡くなっている)を探したことがあったけど、
70年前のことなに行き詰ってしまった経験があるので、星野さんはどれだけ頑張ったのか。
編集というのか、もう少し話が整理されていたらもっといい本になったと思います。
世界一美しい団地図鑑
たまたま図書館の棚にあるのを見つけ借りて帰ってきて、ぽーっと眺めました。
ほら、全然詳しくはないのですが、建物眺めるのって、好きです。
付喪神 [原題版]絵本御伽草子/町田康 絵 石黒亜矢子
今回のイチ押しはこれでしょう、大正解の一冊。
残念ながら17ページは絵になっていて、それがすごくて、載せないなんて惜しすぎる。
というわけで、
これがその17ページ!
いやぁ、今回も町田さんすごいです!
前に「こぶとりじいさん」の現代語訳を紹介しましたが、この本ももう誰も止めることが出来ません(笑)。
あ、こぶとりじいさんまだありました。参考まで。
町田康訳「奇怪な鬼に瘤を除去される」(『宇治拾位物語』より)
前に川上美映子さん現代語版「たけくらべ」を読んだことがありますが、
あれは美映子さん樋口一葉に遠慮しているというか、
樋口一葉と川上美映子の間でどこまでやっていいのかかなり葛藤があり、
出し切れなかったものがあるのではと感じていたのですが、こちら町田さんはもう古典でありながらパンク(笑)。
いやぁ、町田さん、ノーベル文学賞とって欲しいと私は思っているのですが。
でも、この町田さんの日本語の感覚、文体、リズムや小難しい熟語に漢字は他の国の言語では味わえないというか、無理か。
巻末に原典の「御伽草子 付喪神(つくもがみ)」が付いているのですが、「これがこうなるのか」とまじっと見てしまいました。
読みながら護法童子 ラスボス小林幸子が浮かんできたし。
この本好きだわ。ここまで自由に斬新に古典なのかホラーなのかスペクタクルしているのに、全然薄っぺらくない。
文体苦手な方でも大丈夫!日本語万歳ですね。
以上、町田さんを褒め称える164回でした。