アムンセンは札幌滞在中、山形屋旅館に宿泊していましたが、
その山形屋旅館にアムンセンのサインが残っているという情報を見つけ、
それが本当なら、アムンセンの直筆生サインを直にこの目で見てみたい、
写真でもパソコン画面からでもなく直にアムンセンが残したものに触れてみたい(触るという意味ではなく)。
何年前からだ? シャクルトンから始まって極地関連の本は何冊読んできたんだろ。
特にアムンセンに関しては熱狂的に読みあさりました(笑)。
来日していたのを知り、札幌まで来ていたのをつきとめ、調べたその先に直筆サインの存在を知ったこの興奮、わかります?
わかんねーよと聞こえています、はい。
でもそのサインはどこにあるんだ? 山形屋旅館はもう廃業しているし。子孫のかたが持っていらっしゃるのか?
調べていくうちに2011年7月28日の北海道新聞夕刊に、
「札幌市文化資料室でアムンセンのサインが見つかる」という記事を見つけた。
札幌市文化資料室は2013年より札幌市公文書館となっていて、
特定重要公文書目録検索システムに入力すると、どんと出てきた。
ある、ここに行けばアムンセンのサインがある、直にアムンセンを追える。
行ってきました。
もうどっきどきよ。
どこから入ればいいのか、どの部屋にいけばいいのか、私みたいなのがひょこひょこ訪ねていいところなのか。
心配無用。みなさんとても親切でした。
書類を数枚書き、手続き完了。
待つこと数分。
職員さんが持ってきてくれたのは年季の入った布の表紙の「名士筆跡」というサイン帳。
山形屋旅館に泊まった有名人偉人の名前や絵などが書いてあり、
計4冊のうち私が知っている名前はアムンセンだけでした。
高名な画家や○○伯爵とか、残念ながら私無知でして全然わからない。
外国人はアムンセンだけでした。
では、写真撮影とブログ掲載許可を得ての札幌市公文書館所蔵のアムンセンのサインです。
うわぁ、これ、アムンセンが書いたのよ、この紙に向かって、毛筆よ、
端に手をそえ筆を持ち、一文字一文字真剣慎重に筆を進めたんだろな、90年前に。同じものよ、それが目の前にある。
よく見ると、
おお、墨がNの上に散っている!!
離れられませんでした(笑)。ずっと座って眺めていたかった。
隔てるものないんだもの、私との間には。ああ、この手で犬ゾリを曳いたんだ、この手で南極点に国旗を立てたんだ、
この手で北極不時着時には氷を砕き、最後の遭難時には何をその手で掴もうとしてたのか。
まだどこかにアムンセン来札時の写真やサインや記録が残っているかもしれません。北大とか新聞社とか。
そのアムンセンですが、1927年7月4日午前7時30分発の急行で盛岡に移動しています。