あっという間の2時間でした。
楽しい時ほど、とても早く過ぎ去ってしまいます。
高橋知己(たかはし・ともき)さんは、エルヴィン・ジョーンズ(drums)のバンドに参加していたこともある、日本ジャズ界有数のテナー・サックス奏者です。
ジョン・コルトレーンから多大な影響を受けたということでも知られている高橋さんですが、奇しくも昨日9月23日はコルトレーンの誕生日。その昨夜は、「コルトレーン・ナイト」と銘打った京都RAGでのライブに出演したんだそうです。そしてこの9月24日は、コルトレーンの写真(ピアノ真上のD. ジョーダンの写真の、向って左にかけてある)に見守られながらのライブです。
曲によって音色をコントロールしながらの、いぶし銀の演奏のなんて沁みること。
ぼくはコルトレーンの「バラード」というアルバムが好きなのですが、とくに「Gypsy」を吹く高橋さんの、まるでコルトレーンかと思わせられるようなトーンは圧巻でした。一瞬、「バラード」を聴いているかのような錯覚に陥ったほどです。
ピアノの志水愛(しみず・まなみ)さんは、現在赤丸急上昇中の関西のホープ。
彼女のピアノは6月に芦屋で聴いて以来。相変わらずのキュートで楽しいキャラクターはとても魅力的でした。
しかしいったんピアノに向かうや、その音はなんとも玄人好みというか、ジャズの香り満載です。
小気味よいスイング感。
サックスをより際立たせるような表情豊かなピアノ。
これぞジャズにおける即興性の面白さを発揮した「コラボレーション」です。
若さにまかせて勢いだけで弾きすぎるところがないのも良かったです。
若い女性とは相反するような「渋味」を持ち合わせているように思いました。
セカンド・セットでは、高橋さんに呼びこまれて地元のトランペッター新宅巧治郎くんも参加。
アンコールのあと、最後は「恒例の集合写真を撮る古川マスターを撮」り、自分でもよくわからん満足感wを味わいました。
「これぞジャズ」な、濃厚な演奏をたっぷり味わえた夜でした。とても満足しています。
ベテランならではの温かみとゆとりの感じられる高橋さんと、引き出しが多くて歌心たっぷりの志水さんのデュオ、これこそが1+1が3にも4にもなるという見本だったと思います。
お互いが相手の音を体の奥まで取り込んでしっかり感じようとしているような、そんな印象も受けました。
とくにピアノからすると、サックスという単音楽器との共演という立ち位置もあると思うのですが、できるだけのことをしてサックスをもっと後押ししたい、もっと吹きたいように吹いてほしい、とでもいうような意識が感じられたような気がしました。
「ふたりで音楽を創りあげている」という、このようなウォームな感覚は大好きです。
しかしいい音を聴くと練習したくなるな。
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