【Live Information】
「二重奏」とは、日本のジャズ・シーンにおける重鎮のひとりである金澤英明(bass)さんが栗林すみれ(piano)さんと組んだデュオのユニット名でもあり、そのデュオのアルバム・タイトルでもあります。
同じく互いに信頼し合っている相棒とのデュオ、その相棒の担当楽器が同じくピアノとくれば、そのデュオを「もうひとつの二重奏」とみても違和感はないのでしょう。栗林すみれとのデュオが「二重奏」なら、もうひとつの二重奏のユニット名は「裏二重奏」です。
「裏二重奏」における金澤さんの相棒は、石井彰(piano)さんです。金澤さんと石井さんは、もはや「盟友」と言ってもいいコンビではないでしょうか。
ハードボイルドなのにどこか荘厳でどこか懐かしい音。
ほのかな温かみと優しさ、そして妥協を拒絶する厳しさ。
そして根底に流れる続けるのは「愛」、というところでしょうか。
それが石井彰&金澤英明の、百戦錬磨のデュオの音楽だと思います。
長年「連れ添った」このふたりならではの音を、たっぷり体に染み込ませることができました。
自分の部屋に戻ってからもその余韻に浸っています。
このデュオの取り上げる素材はほんとうに幅広いのですが、やりたいこととそうでないことの選別が当人たちの中でははっきりしているような気がします。
手当り次第とか目新しさを狙ってのその場だけの選曲なのではなく、いまこの時に自らの中で響いているものを放出する、とでも言ったらいいのでしょうか。
曲間のMCは皆無。おそらく打ち合わせもせず(していても、本当にラフなものだと思う)、どちらかが弾いた一フレーズ、あるいは一音をきっかけに曲が始まります。
片方が奏でる流れをもう片方が開拓し、発展させてゆくのですが、自由だけれど単なるやりたい放題ではないのですね。
自分の主張をしつつも相手の音も受け入れる、双方の楽器を通じた会話は緊張感たっぷりで、美しいものでした。
セットの合い間、金澤さんと話しているときに何気なく「最近『Waltz Step』が大好きで、よく聴いてるんですよ」と話すと、間髪入れず「おっ、じゃあそれ演るか」と言って、次のセットで演奏してくれたのは最高に嬉しかったです。いわば自分にとってのお年玉がわりです。
ライブ後は石井さんも交えて四方山話。
昔話(というほど昔ではないですが)や近況、それに加えてミュージシャンならではの想いなども織り込んでのいろいろな話題で盛り上がりました。
そして再会を約してお店をあとにしたのでした。
「裏二重奏」
2019年1月20日(日)
倉敷アヴェニュウ
石井 彰(piano, tambourine)
金澤 英明(contrabass)
「二重奏」とは、日本のジャズ・シーンにおける重鎮のひとりである金澤英明(bass)さんが栗林すみれ(piano)さんと組んだデュオのユニット名でもあり、そのデュオのアルバム・タイトルでもあります。
同じく互いに信頼し合っている相棒とのデュオ、その相棒の担当楽器が同じくピアノとくれば、そのデュオを「もうひとつの二重奏」とみても違和感はないのでしょう。栗林すみれとのデュオが「二重奏」なら、もうひとつの二重奏のユニット名は「裏二重奏」です。
「裏二重奏」における金澤さんの相棒は、石井彰(piano)さんです。金澤さんと石井さんは、もはや「盟友」と言ってもいいコンビではないでしょうか。
ハードボイルドなのにどこか荘厳でどこか懐かしい音。
ほのかな温かみと優しさ、そして妥協を拒絶する厳しさ。
そして根底に流れる続けるのは「愛」、というところでしょうか。
それが石井彰&金澤英明の、百戦錬磨のデュオの音楽だと思います。
長年「連れ添った」このふたりならではの音を、たっぷり体に染み込ませることができました。
自分の部屋に戻ってからもその余韻に浸っています。
このデュオの取り上げる素材はほんとうに幅広いのですが、やりたいこととそうでないことの選別が当人たちの中でははっきりしているような気がします。
手当り次第とか目新しさを狙ってのその場だけの選曲なのではなく、いまこの時に自らの中で響いているものを放出する、とでも言ったらいいのでしょうか。
曲間のMCは皆無。おそらく打ち合わせもせず(していても、本当にラフなものだと思う)、どちらかが弾いた一フレーズ、あるいは一音をきっかけに曲が始まります。
片方が奏でる流れをもう片方が開拓し、発展させてゆくのですが、自由だけれど単なるやりたい放題ではないのですね。
自分の主張をしつつも相手の音も受け入れる、双方の楽器を通じた会話は緊張感たっぷりで、美しいものでした。
セットの合い間、金澤さんと話しているときに何気なく「最近『Waltz Step』が大好きで、よく聴いてるんですよ」と話すと、間髪入れず「おっ、じゃあそれ演るか」と言って、次のセットで演奏してくれたのは最高に嬉しかったです。いわば自分にとってのお年玉がわりです。
ライブ後は石井さんも交えて四方山話。
昔話(というほど昔ではないですが)や近況、それに加えてミュージシャンならではの想いなども織り込んでのいろいろな話題で盛り上がりました。
そして再会を約してお店をあとにしたのでした。
「裏二重奏」
2019年1月20日(日)
倉敷アヴェニュウ
石井 彰(piano, tambourine)
金澤 英明(contrabass)