【Live Information】
ずっと以前、そう、もう15年以上も前だったか、テレビから録画した「富士通スペシャル 100ゴールド・フィンガーズ」のビデオを先輩から借りて観たことがありました。ジャズ界のトップ・ピアニスト10人を日本に呼んだ豪華なイベントで、たしか「ニューヨークからピアニストが消える日」とかなんとかいうキャッチコピーがついていたような気がします。
10人の名手をサポートするのは、ボブ・クランショウ(bass)と、グラディ・テイト(drums)の、職人芸を誇る渋いリズム・セクションでした。
ビデオに収められていた演奏の中でひときわ目(いや、耳かな)を奪われたのは、ジーン・ハリスとロジャー・ケラウェイの、ツイン・ピアノ・カルテットです。
ふたりとも茶目っ気たっぷり、表情も豊かで、ジョーク好きなアメリカ人気質丸出しの、楽しさ満点の演奏でした。
もちろん実に小気味よくスイングするとても素晴らしいサウンドだったので、ビデオで観たわずか2曲で、ロジャー・ケラウェイの名は強烈に印象に残りました。
いつかは生で聴いてみたいと思っていましたが、まさか岡山で聴くことができるとは・・・。
グラミー賞にもノミネートされたロバータ・ガンバリーニ(vocal)と、ジョージ・ケイブルス(piano)のデュオ・ライブが5月22日に岡山・蔭涼寺で行われる予定だったのですが、ジョージ・ケイブルスが急病(動脈瘤破裂だとか。。。)で倒れたため、急遽立てられた代役が、ロジャー・ケラウェイだったのです。
【ロバータ・ガンバリーニ】
イタリア生まれ。母国で活動後、1998年にニューヨークへ進出。同年のセロニアス・モンク・ジャズ・ヴォーカル・コンペティションで3位入賞を果たす。
卓越した実力で、ハービー・ハンコック、ハンク・ジョーンズ、チューチョ・ヴァルデス等、数多くの巨匠を魅了してきた。
2007年、『イージー・トゥ・ラヴ』が、グラミー賞のベスト・ジャズ・アルバム部門にノミネートされた。
表情豊かな歌声、強烈なスイング感、パワフルなスキャットを誇り、「ジャズ・ヴォーカルの新女王」との声も上がっている。
【ロジャー・ケラウェイ】
ジャズ、クラシックなど幅の広い音楽性を持つ名ピアニスト。アメリカではたいへん高い評価を受けており、これまでにカーメン・マクレエ、サラ・ヴォーン、ヘレン・メリル、ベン・ウェブスター、ディジー・ガレスピー、クラーク・テリー、ソニー・ロリンズなどのジャズ・レジェンドたちと共演したほか、バーバラ・ストライザンドの主演の「スター誕生」のサントラをはじめ、ハリウッドでの映画音楽のプロデュース、トニー・ベネットの音楽監督などを務めた。富士通コンコードの「100フィンガーズ」でも何度も来日している。
ほぼピアノ目当てで行ったライブですが、ロバータのボーカル、とっても素晴らしかった。
「ジャズの曲を歌うボーカリスト」ではなく、正真正銘の「ジャズ・ボーカリスト」の素晴らしさ楽しさを久々に堪能しました。
のっけからアカペラで「Over the Rainbow」。
伴奏がなくても全然寂しくない。
ファースト・セットでは「Oh, Lady Be Good」「Poor Butterfle 」「Lover Come Back To You」「Take the "A" Train」など、セカンド・セットではロジャー・ケラウェイのソロで4曲演奏したのち、再びロバータが登場、「It Don't Me a Thing」「Bewitched」「No More Blues」などを聴かせてくれました。
めくるめくようなスキャットの連発。これがまたスウィングしまくりで、爽快感たっぷり。
そして改めて感じたのは、歌詞がとても伝わってくるということです。
英語があまり得意でないぼくにでも、ロバータが何を歌っているのかはっきりわかるんです。
ほとんどの曲で、バース(前歌)から歌ってくれたのも嬉しかったな。
ロジャー(ミスター・ケラウェイと言った方が良いのかも)のピアノは、あのビデオから受けた印象どおり。遊び心満載の演奏は相変わらず。
ノッてくると右足を大きく外側に出し、指は縦横無尽に鍵盤をかけめぐり、キメた瞬間右腕を大きく上に掲げるそのポーズ、いや~エンターテイナーです。
ではピアノは終始弾きまくっていたのかというと実はそうではなく、間の取り方がとても大胆で、動と静の対比がほれぼれするほどでした。
たまらなくグルーヴィーな左手のフレーズや、音を小さめに弾いた時の音色の美しさなどなど、最初から最後まで夢中で聴いてしまいました。
セカンド・セット終了後は熱烈なアンコールに応えての「Honeysuckle Rose」と「Fly Me to the Moon」。
最期のロバータの挨拶「ガンバリマ~ス」も、たぶん日本での定番なのでしょうね。(^^)
会場では、ベースの赤堀君やボーカルの矢野君と久々に言葉を交わせたのも楽しいできごとでした。
とにかく、JAZZで、楽しい夜でした。
「富士通スペシャル 100ゴールド・フィンガーズ」のビデオで観た、ロジャー・ケラウェイの演奏。5分23秒からの「Splanky」がとても好きです。
ロジャー・ケラウェイ(piano)、ジーン・ハリス(piano)、ボブ・クランショウ(bass)、グラディ・テイト(drums)
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ずっと以前、そう、もう15年以上も前だったか、テレビから録画した「富士通スペシャル 100ゴールド・フィンガーズ」のビデオを先輩から借りて観たことがありました。ジャズ界のトップ・ピアニスト10人を日本に呼んだ豪華なイベントで、たしか「ニューヨークからピアニストが消える日」とかなんとかいうキャッチコピーがついていたような気がします。
10人の名手をサポートするのは、ボブ・クランショウ(bass)と、グラディ・テイト(drums)の、職人芸を誇る渋いリズム・セクションでした。
ビデオに収められていた演奏の中でひときわ目(いや、耳かな)を奪われたのは、ジーン・ハリスとロジャー・ケラウェイの、ツイン・ピアノ・カルテットです。
ふたりとも茶目っ気たっぷり、表情も豊かで、ジョーク好きなアメリカ人気質丸出しの、楽しさ満点の演奏でした。
もちろん実に小気味よくスイングするとても素晴らしいサウンドだったので、ビデオで観たわずか2曲で、ロジャー・ケラウェイの名は強烈に印象に残りました。
いつかは生で聴いてみたいと思っていましたが、まさか岡山で聴くことができるとは・・・。
グラミー賞にもノミネートされたロバータ・ガンバリーニ(vocal)と、ジョージ・ケイブルス(piano)のデュオ・ライブが5月22日に岡山・蔭涼寺で行われる予定だったのですが、ジョージ・ケイブルスが急病(動脈瘤破裂だとか。。。)で倒れたため、急遽立てられた代役が、ロジャー・ケラウェイだったのです。
【ロバータ・ガンバリーニ】
イタリア生まれ。母国で活動後、1998年にニューヨークへ進出。同年のセロニアス・モンク・ジャズ・ヴォーカル・コンペティションで3位入賞を果たす。
卓越した実力で、ハービー・ハンコック、ハンク・ジョーンズ、チューチョ・ヴァルデス等、数多くの巨匠を魅了してきた。
2007年、『イージー・トゥ・ラヴ』が、グラミー賞のベスト・ジャズ・アルバム部門にノミネートされた。
表情豊かな歌声、強烈なスイング感、パワフルなスキャットを誇り、「ジャズ・ヴォーカルの新女王」との声も上がっている。
【ロジャー・ケラウェイ】
ジャズ、クラシックなど幅の広い音楽性を持つ名ピアニスト。アメリカではたいへん高い評価を受けており、これまでにカーメン・マクレエ、サラ・ヴォーン、ヘレン・メリル、ベン・ウェブスター、ディジー・ガレスピー、クラーク・テリー、ソニー・ロリンズなどのジャズ・レジェンドたちと共演したほか、バーバラ・ストライザンドの主演の「スター誕生」のサントラをはじめ、ハリウッドでの映画音楽のプロデュース、トニー・ベネットの音楽監督などを務めた。富士通コンコードの「100フィンガーズ」でも何度も来日している。
ほぼピアノ目当てで行ったライブですが、ロバータのボーカル、とっても素晴らしかった。
「ジャズの曲を歌うボーカリスト」ではなく、正真正銘の「ジャズ・ボーカリスト」の素晴らしさ楽しさを久々に堪能しました。
のっけからアカペラで「Over the Rainbow」。
伴奏がなくても全然寂しくない。
ファースト・セットでは「Oh, Lady Be Good」「Poor Butterfle 」「Lover Come Back To You」「Take the "A" Train」など、セカンド・セットではロジャー・ケラウェイのソロで4曲演奏したのち、再びロバータが登場、「It Don't Me a Thing」「Bewitched」「No More Blues」などを聴かせてくれました。
めくるめくようなスキャットの連発。これがまたスウィングしまくりで、爽快感たっぷり。
そして改めて感じたのは、歌詞がとても伝わってくるということです。
英語があまり得意でないぼくにでも、ロバータが何を歌っているのかはっきりわかるんです。
ほとんどの曲で、バース(前歌)から歌ってくれたのも嬉しかったな。
ロジャー(ミスター・ケラウェイと言った方が良いのかも)のピアノは、あのビデオから受けた印象どおり。遊び心満載の演奏は相変わらず。
ノッてくると右足を大きく外側に出し、指は縦横無尽に鍵盤をかけめぐり、キメた瞬間右腕を大きく上に掲げるそのポーズ、いや~エンターテイナーです。
ではピアノは終始弾きまくっていたのかというと実はそうではなく、間の取り方がとても大胆で、動と静の対比がほれぼれするほどでした。
たまらなくグルーヴィーな左手のフレーズや、音を小さめに弾いた時の音色の美しさなどなど、最初から最後まで夢中で聴いてしまいました。
セカンド・セット終了後は熱烈なアンコールに応えての「Honeysuckle Rose」と「Fly Me to the Moon」。
最期のロバータの挨拶「ガンバリマ~ス」も、たぶん日本での定番なのでしょうね。(^^)
会場では、ベースの赤堀君やボーカルの矢野君と久々に言葉を交わせたのも楽しいできごとでした。
とにかく、JAZZで、楽しい夜でした。
「富士通スペシャル 100ゴールド・フィンガーズ」のビデオで観た、ロジャー・ケラウェイの演奏。5分23秒からの「Splanky」がとても好きです。
ロジャー・ケラウェイ(piano)、ジーン・ハリス(piano)、ボブ・クランショウ(bass)、グラディ・テイト(drums)
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