☆前回から続いているので、前回「その12」(クリック!)を読み直してね^^
◇
・・・エリオットは、苦しむ僕に向って叫んだ。
『Get Up! (起きろ!)』
更に言う。
『Be Horse! (馬になれ!)』
僕は、薄れゆく意識の中、朦朧としつつ、四肢に力を入れた。
エリオットの体重が手足にきつい。
僕は思った。
(ああ、この子はまだ人の痛みを理解できないんだ。無邪気に笑っていやがる。ならば、馬になってやろうじゃないか)
しかし、僕はジョークも忘れない。
右手をあげて言った。
そして、リビングルームを一周する。
『Finish!』
僕は言う。
しかし、エリオット・・・、
『Again!!』。
が、僕は疲れたので、ソファに腰を下ろす。
『I'm tired』
『ミドラーン』
エリオットが不満そうに僕の名を呼んだ。
やばい! このままでは一日一回は馬をさせられる!^^;
僕は、母親であるジェーンの姿を探す。
だが、ジェーン、……いない。
『ミドラーン』
エリオットの顔が、急にニコヤカになった。
新しい遊びを考えついたらしい。
『Get up!!』
とりあえず、私は立つ。
エリオットは3メートルほど離れた位置にいたのだが、更に、2メートルほど後ずさりした。
そして、牛が闘牛士の赤いマントを目指す時のように、足で地をニ,三度蹴った。
そして、僕に向かって突進してきたぁぁぁああ!!
・・・馬の次は、牛かよッ!?
ダッシュしてくるエリオットの顔。
何とも純粋に、満面に笑みを浮かべて突っ込んでくる。
両手を上にしているのは、僕にわき腹を持たせて、そのまま「高い、高い」を要求しているのだ。
6歳の子とはいえ、突っ込んでくる人間の重力を上方に変えることの難しさ。
もし、エリオットの体が、アシカやアザラシ、オットセイみたいな鰭脚類(ききゃくるい)のようにツルツルしていたら、・・・危険だ。
・・・どうにか、無難に終えられた。
しかし、エリオット、
『Again!(もっと!)』。
戦いは続く・・・。
(2009/06/02)
☆(これまでのあらすじ)^^;
少年ジャンプをこよなく愛するミッドナイト・蘭だったが、そこで連載されていた『ROOKIES』は、作者・森田まさのりの劇画調の絵が好みでなく、あまり読んでいなかった。
その後、ドラマにもなったが、いかにもな前時代的な不良どもと、その不良どもにぶつかっていく、これまた二昔前のドラマ(森田健作風)的なピュア&ストレートな教師の姿に、なんとも興味が起きなかった。
しかし、そのドラマが大ヒットし、完結篇を映画でやるという。
映画館でその予告編を見るのだが、その主役の熱血監督・川藤役の佐藤隆太が、「甲子園までノンストップで行くぞ~!」とがむしゃらに叫ぶのだが、
私と姪(14歳のほう)は、「何言ってるのか分からん」「何語だよ…」と冷ややかに言い合っていた^^;
しかし、公開日が近づくと、私が映画好きだと知っている職場の同僚が言ってくるのだ。
「蘭さん、見ても感想言っちゃわないで下さいよ。楽しみにしているんですから…^^」
また、私の弟とその娘(8歳)は、ドラマの大ファンで、マンガも買い揃え、ドラマのDVDボックスも購入しており、映画を観に行く気も満々のようであった。
そして、公開された。
公開日の土曜も、翌日曜も、私は、他の作品を鑑賞した。
しかし、映画館は、この作品のお客さんで満員だった。
<ワーナーマイカル・日の出>では、午後10:35からの上映というスーパーレイトショーが組まれていた。
都内では当たり前だが、東京と言っても、区でも市でもない日の出町が、こんな真夜中まで映画を上映するのは、とてつもない大事件といえた。
おそらく、「西多摩のヤンキーみんないらっしゃい^^」ってな感じなのだろう。
さて、週が明けて、会社に行くと、職場の若い衆が聞いてくる。
「蘭さん、『ルーキーズ』見ましたか? 僕、昨日、<MOVIX昭島>に三度も行ったのに、三度とも満員で入れなかったんですよ」
・・・へーっ、と思った。
映画なんて見に行きそうにない層まで巻き込んで、『ROOKIES』はブームになってるのか・・・、ならば、俺も、そのお祭りに参加しなくては・・・。
「<ワーナーマイカル・日の出>では、夜の十時半からの上映があるんで、今夜、仕事が終わったら行こうと思っているんだわ^^ 俺は、『ROOKIES』はジャンプに載っている頃から、結構読んでたんだ^^ うん、ドラマもまあまあ見ていたから、映画も楽しみだよ^^」
・・・かくして、仕事を午後九時半に終えると、立川市からあきる野市まで車を飛ばし、今季最速の20分で帰宅、身支度を整えて、<ワーナーマイカル・日の出>の『ROOKIES』スーパーレイトショー上映の館内に滑り込んだ。
さすがに、この時間帯には子供はいなかったが、前上映を終えて出てくる客を眺めていたら、客層は老若男女とまんべんなかった。
幼児近い子供も多かった。
弟の娘も8歳なのだが、この作品をこよなく愛しているようだ。
ちょいと不思議に思いつつ、この大ヒット作品の<お祭り>に参加するのだった。
◇
・・・と、この作品については、上記のようなことを語るのが、作品の本質だと思う。
そう、夢も目標もなく、持て余した力を世間との衝突に費やすことに明け暮れていた二子玉川学園野球部の不良どもが、川藤と言う熱血単細胞教師と出会い、変わっていくというオーソドックスな物語。
はじめは、川藤のスタンドプレイだ。
みんな、白い目だ。
恥ずかしい。
だが、徐々に、徐々に周囲を巻き込み、「甲子園を目指す」と言う一大ムーブメントを起こす。
私が観に行くつもりのなかったこの作品を観たのも、そのムーブメントに引き込まれたのだ。
尤も、作品は、そのムーブメントの過程はドラマで既に為されている。
表向きのテーマは「夢」であるが、真のテーマは「夢へ向かうプロセス」であり、
川藤の、メンバーをまとめるというプロセスはドラマで描かれた。
かくして、今作品においては、不良どもの甲子園に向かうプロセスの実践(実戦)篇となっている。
ただ、多くのファンは、ドラマでの「メンバーをまとめる」と言うプロセスに魅かれただろうから、
作り手は、二人の新しいメンバーを加え、その二人が「真のメンバーになる」までを描くことで、ドラマのテーマのミニチュアを内包させている。
さて、実践(実戦)篇である。
つまり、甲子園への地区予選である。
結構、お手軽に勝ち進み、決勝戦となる。
だが、この決勝戦は激闘であった。
例えば、『ドカベン』が全48巻で描いた泣かせる展開の部分を、一試合に押し込んだような戦いであった。
その最たるものは、最終回、満身創痍のメンバーが達成させた、3点差での逆転満塁ホームランである。
さすがに、どんな野球マンガでも、お釣りなしの満塁ホームランはやらないだろうが、この作品では、そのような状況を臆面もなく繰り返して、感動させてくれる。
◇
しかし、チームの中心人物・安仁屋を演じた市原隼人の芸風は相変らず強烈だった。
ずっと、眉間にしわを寄せて、私は、その眉間や、プチ目や、眉や、もっさりした輪郭や体つきから、いつしか、目が離せなくなってしまっていたよ^^;
◇
映画館から出てくる老若男女の表情は、一様に素直な顔になっていて、
私は、このような、底抜けに陽性の映画があるのも素晴らしいことだと思うのだ。
それから、私がこの作品を観て、一番感じたことは以下である
『人間って、色んな顔があるんだなあ』
だって、みんな個性的な顔なんですもの^^;
(2009/06/02)
少年ジャンプをこよなく愛するミッドナイト・蘭だったが、そこで連載されていた『ROOKIES』は、作者・森田まさのりの劇画調の絵が好みでなく、あまり読んでいなかった。
その後、ドラマにもなったが、いかにもな前時代的な不良どもと、その不良どもにぶつかっていく、これまた二昔前のドラマ(森田健作風)的なピュア&ストレートな教師の姿に、なんとも興味が起きなかった。
しかし、そのドラマが大ヒットし、完結篇を映画でやるという。
映画館でその予告編を見るのだが、その主役の熱血監督・川藤役の佐藤隆太が、「甲子園までノンストップで行くぞ~!」とがむしゃらに叫ぶのだが、
私と姪(14歳のほう)は、「何言ってるのか分からん」「何語だよ…」と冷ややかに言い合っていた^^;
しかし、公開日が近づくと、私が映画好きだと知っている職場の同僚が言ってくるのだ。
「蘭さん、見ても感想言っちゃわないで下さいよ。楽しみにしているんですから…^^」
また、私の弟とその娘(8歳)は、ドラマの大ファンで、マンガも買い揃え、ドラマのDVDボックスも購入しており、映画を観に行く気も満々のようであった。
そして、公開された。
公開日の土曜も、翌日曜も、私は、他の作品を鑑賞した。
しかし、映画館は、この作品のお客さんで満員だった。
<ワーナーマイカル・日の出>では、午後10:35からの上映というスーパーレイトショーが組まれていた。
都内では当たり前だが、東京と言っても、区でも市でもない日の出町が、こんな真夜中まで映画を上映するのは、とてつもない大事件といえた。
おそらく、「西多摩のヤンキーみんないらっしゃい^^」ってな感じなのだろう。
さて、週が明けて、会社に行くと、職場の若い衆が聞いてくる。
「蘭さん、『ルーキーズ』見ましたか? 僕、昨日、<MOVIX昭島>に三度も行ったのに、三度とも満員で入れなかったんですよ」
・・・へーっ、と思った。
映画なんて見に行きそうにない層まで巻き込んで、『ROOKIES』はブームになってるのか・・・、ならば、俺も、そのお祭りに参加しなくては・・・。
「<ワーナーマイカル・日の出>では、夜の十時半からの上映があるんで、今夜、仕事が終わったら行こうと思っているんだわ^^ 俺は、『ROOKIES』はジャンプに載っている頃から、結構読んでたんだ^^ うん、ドラマもまあまあ見ていたから、映画も楽しみだよ^^」
・・・かくして、仕事を午後九時半に終えると、立川市からあきる野市まで車を飛ばし、今季最速の20分で帰宅、身支度を整えて、<ワーナーマイカル・日の出>の『ROOKIES』スーパーレイトショー上映の館内に滑り込んだ。
さすがに、この時間帯には子供はいなかったが、前上映を終えて出てくる客を眺めていたら、客層は老若男女とまんべんなかった。
幼児近い子供も多かった。
弟の娘も8歳なのだが、この作品をこよなく愛しているようだ。
ちょいと不思議に思いつつ、この大ヒット作品の<お祭り>に参加するのだった。
◇
・・・と、この作品については、上記のようなことを語るのが、作品の本質だと思う。
そう、夢も目標もなく、持て余した力を世間との衝突に費やすことに明け暮れていた二子玉川学園野球部の不良どもが、川藤と言う熱血単細胞教師と出会い、変わっていくというオーソドックスな物語。
はじめは、川藤のスタンドプレイだ。
みんな、白い目だ。
恥ずかしい。
だが、徐々に、徐々に周囲を巻き込み、「甲子園を目指す」と言う一大ムーブメントを起こす。
私が観に行くつもりのなかったこの作品を観たのも、そのムーブメントに引き込まれたのだ。
尤も、作品は、そのムーブメントの過程はドラマで既に為されている。
表向きのテーマは「夢」であるが、真のテーマは「夢へ向かうプロセス」であり、
川藤の、メンバーをまとめるというプロセスはドラマで描かれた。
かくして、今作品においては、不良どもの甲子園に向かうプロセスの実践(実戦)篇となっている。
ただ、多くのファンは、ドラマでの「メンバーをまとめる」と言うプロセスに魅かれただろうから、
作り手は、二人の新しいメンバーを加え、その二人が「真のメンバーになる」までを描くことで、ドラマのテーマのミニチュアを内包させている。
さて、実践(実戦)篇である。
つまり、甲子園への地区予選である。
結構、お手軽に勝ち進み、決勝戦となる。
だが、この決勝戦は激闘であった。
例えば、『ドカベン』が全48巻で描いた泣かせる展開の部分を、一試合に押し込んだような戦いであった。
その最たるものは、最終回、満身創痍のメンバーが達成させた、3点差での逆転満塁ホームランである。
さすがに、どんな野球マンガでも、お釣りなしの満塁ホームランはやらないだろうが、この作品では、そのような状況を臆面もなく繰り返して、感動させてくれる。
◇
しかし、チームの中心人物・安仁屋を演じた市原隼人の芸風は相変らず強烈だった。
ずっと、眉間にしわを寄せて、私は、その眉間や、プチ目や、眉や、もっさりした輪郭や体つきから、いつしか、目が離せなくなってしまっていたよ^^;
◇
映画館から出てくる老若男女の表情は、一様に素直な顔になっていて、
私は、このような、底抜けに陽性の映画があるのも素晴らしいことだと思うのだ。
それから、私がこの作品を観て、一番感じたことは以下である
『人間って、色んな顔があるんだなあ』
だって、みんな個性的な顔なんですもの^^;
(2009/06/02)