☆ジョージ・ルーカスは、『SW エピソード1』を作ったとき(だったかなあ)、
シリーズでは、交響曲と同じで、微妙に形を違えつつ、何度となく同じ旋律を奏でる…、云々と語っていた。
この、新生『ターミネーター』でも、作り手は、過去の3部作で描かれた「旋律」を聞かせてくれる、聴かせてくれる、効かせてくれる、利かせてくれる。
◇
『SW』シリーズが、やや、その主旋律の繰り返しにマンネリ化の傾向があったのに対し、
また、『ターミネーター』の前作『3』が、『2』のテーマの焼き回し傾向にあったのに対し、
今回の『4』で、先のシリーズに送った「敬意(と言うか、テーマとして避けられない宿命)」は、見事であった。
青年に成長しているジョン・コナーには、やはり別次元からの守護者として、マーカス・ライトが存在する。
マーカス・ライトは、後のジョン・コナーに対しての「別次元からの守護者であるカイル・リース」の如く、若きカイル・リースにも接する。
マーカス・ライトは、『2』『3』における「T-800」的な、やはり「別次元からの守護者」なのである。
また、現在のジョン・コナー自身は、若きカイル・リースに対しての「別次元からの守護者」である。
前シリーズまでの、父(守護者)と子の関係が、シュワルツェネッガー・ターミネーターでの「プログラムを変えたことによる状況の逆転」…、そして、情の通い合いから、
十数年と言う「時の流れを経た状況での逆転」を、幾つものシーンで見せてくれる。
方法論を変えた中での、シリーズの「旋律」は、観ている者に、とてつもない新鮮な思いを与えてくれる。
「過去から来た男」マーカス・ライトは、「未来から来た男」カイルorシュワルツェネッガー・ターミネーターに匹敵する魅力を兼ね備えていた。
それ以上に、物語上で多くを語られないが、深い後悔の過去を持っていて、役柄上でも多くを語ることはないが、その瞳が、何とも悲しさを物語ってくれる。
◇
私は、カンボジアのアンコール遺跡に詳しいのだが、アンコール遺跡は、時代の流れの中で、鈍角なものから、鋭角なものへと設計が変化していった。
ターミネーターも、次第にシャープになっていっている。
T-600、T-700、T-800、T-1000、T-X・・・。
物語上の現在、人型ターミネーターは、T-600がメジャーな時代だ。
片手がガトリングガンみたくなっていて、骨太のデザインで非常に味がある^^
廃墟の町で、人を狩るために、のっそりと佇む姿など、「いい絵だ」の一語に尽きる。
また、いかにも「荒くれ者」っぽく、頭にバンダナみたいに布を巻きつけている奴もいたが、「おいおい、マシーンが洒落っ気だすなよ^^」と苦笑した。
でも、物語の整合性よりも、そのイメージ重視に感激する。
・・・他にも、人型以外の、魅力的なターミネーターが出てきたが、それについては語るのを割愛^^;
◇
物語のクライマックス、これまでのシリーズでは旧型扱いであったシュワルツェネッガー・ターミネーター(T-800)が、新鋭機器として、ジョンやマーカスと対峙することになるのもまた、物語がどんどん少年ジャンプマンガ的にインフレを起こす展開とは逆ベクトルの、シリーズ独自の逆転発想で面白かった。
そして、最強チックであった『2』での<T-1000>とのクライマックスを踏襲した激闘が、ジョン&マーカスVSシュワルツェネッガー・ターミネーター(T-800)の間で繰り広げられる。
これは、ファンも狂喜乱舞だろう^^
T-800が力技で、溶解した鉄や、硫化水素を克服するんだもん。
T-800最強伝説か?^^;
◇
そして、更に、物語は、新たなテーマを掲げる。
それは、人間と機械のハイブリッドの存在の出現である。
これまでは、敵であったモノが味方にも成り得る機械の特性と言う状況を描いてきた。
しかし、今回は、アイデンティティを喪失した存在の受け皿の問題がある。
その辺の掘り下げが、この物語では為されなかった。
今後のシリーズ展開でも、意図的に語られることはないだろう。
しかし、物語を進めていけば、必ず、また立ち現われてくるテーマだと思うのだ。
だからこそ、クライマックスで、駄作『7つの贈り物』(クリック!)的な腑に落ちないオチで、マーカス・ライトを退場させたのは、物語的にも、シリーズ構成的にも痛い。
また、勘の鋭い「ニュータイプ」な黒人少女の存在は、この先のシリーズ展開に期待が持てる^^(と思いきや、続篇では存在が消えていたりするときもあるんだよね^^;)
(2009/06/07)
シリーズでは、交響曲と同じで、微妙に形を違えつつ、何度となく同じ旋律を奏でる…、云々と語っていた。
この、新生『ターミネーター』でも、作り手は、過去の3部作で描かれた「旋律」を聞かせてくれる、聴かせてくれる、効かせてくれる、利かせてくれる。
◇
『SW』シリーズが、やや、その主旋律の繰り返しにマンネリ化の傾向があったのに対し、
また、『ターミネーター』の前作『3』が、『2』のテーマの焼き回し傾向にあったのに対し、
今回の『4』で、先のシリーズに送った「敬意(と言うか、テーマとして避けられない宿命)」は、見事であった。
青年に成長しているジョン・コナーには、やはり別次元からの守護者として、マーカス・ライトが存在する。
マーカス・ライトは、後のジョン・コナーに対しての「別次元からの守護者であるカイル・リース」の如く、若きカイル・リースにも接する。
マーカス・ライトは、『2』『3』における「T-800」的な、やはり「別次元からの守護者」なのである。
また、現在のジョン・コナー自身は、若きカイル・リースに対しての「別次元からの守護者」である。
前シリーズまでの、父(守護者)と子の関係が、シュワルツェネッガー・ターミネーターでの「プログラムを変えたことによる状況の逆転」…、そして、情の通い合いから、
十数年と言う「時の流れを経た状況での逆転」を、幾つものシーンで見せてくれる。
方法論を変えた中での、シリーズの「旋律」は、観ている者に、とてつもない新鮮な思いを与えてくれる。
「過去から来た男」マーカス・ライトは、「未来から来た男」カイルorシュワルツェネッガー・ターミネーターに匹敵する魅力を兼ね備えていた。
それ以上に、物語上で多くを語られないが、深い後悔の過去を持っていて、役柄上でも多くを語ることはないが、その瞳が、何とも悲しさを物語ってくれる。
◇
私は、カンボジアのアンコール遺跡に詳しいのだが、アンコール遺跡は、時代の流れの中で、鈍角なものから、鋭角なものへと設計が変化していった。
ターミネーターも、次第にシャープになっていっている。
T-600、T-700、T-800、T-1000、T-X・・・。
物語上の現在、人型ターミネーターは、T-600がメジャーな時代だ。
片手がガトリングガンみたくなっていて、骨太のデザインで非常に味がある^^
廃墟の町で、人を狩るために、のっそりと佇む姿など、「いい絵だ」の一語に尽きる。
また、いかにも「荒くれ者」っぽく、頭にバンダナみたいに布を巻きつけている奴もいたが、「おいおい、マシーンが洒落っ気だすなよ^^」と苦笑した。
でも、物語の整合性よりも、そのイメージ重視に感激する。
・・・他にも、人型以外の、魅力的なターミネーターが出てきたが、それについては語るのを割愛^^;
◇
物語のクライマックス、これまでのシリーズでは旧型扱いであったシュワルツェネッガー・ターミネーター(T-800)が、新鋭機器として、ジョンやマーカスと対峙することになるのもまた、物語がどんどん少年ジャンプマンガ的にインフレを起こす展開とは逆ベクトルの、シリーズ独自の逆転発想で面白かった。
そして、最強チックであった『2』での<T-1000>とのクライマックスを踏襲した激闘が、ジョン&マーカスVSシュワルツェネッガー・ターミネーター(T-800)の間で繰り広げられる。
これは、ファンも狂喜乱舞だろう^^
T-800が力技で、溶解した鉄や、硫化水素を克服するんだもん。
T-800最強伝説か?^^;
◇
そして、更に、物語は、新たなテーマを掲げる。
それは、人間と機械のハイブリッドの存在の出現である。
これまでは、敵であったモノが味方にも成り得る機械の特性と言う状況を描いてきた。
しかし、今回は、アイデンティティを喪失した存在の受け皿の問題がある。
その辺の掘り下げが、この物語では為されなかった。
今後のシリーズ展開でも、意図的に語られることはないだろう。
しかし、物語を進めていけば、必ず、また立ち現われてくるテーマだと思うのだ。
だからこそ、クライマックスで、駄作『7つの贈り物』(クリック!)的な腑に落ちないオチで、マーカス・ライトを退場させたのは、物語的にも、シリーズ構成的にも痛い。
また、勘の鋭い「ニュータイプ」な黒人少女の存在は、この先のシリーズ展開に期待が持てる^^(と思いきや、続篇では存在が消えていたりするときもあるんだよね^^;)
(2009/06/07)