『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『ザ・エッグ ~ロマノフの秘宝を狙え~』を観た]

2010-06-03 23:59:45 | 物語の感想
☆先の『ボーダー』と同じく、そもそもの配給会社が倒産し、地味な公開となった「男たちのヒート祭り」(←なんか悲しいが、『シャッターアイランド』の宣伝方法に比べたら、王道の宣伝である)の第二弾!!!

 これ、面白いです!

 今年見た映画でも上位に食い込む完成度です。

 上映館が少なく、映画ファンの目に触れないのが辛いなぁ。

   ◇

 題名が示すとおり、「ルパン三世」チックな美術品泥棒の物語。

 目指すは、ロシア系宝飾店の秘蔵する「ファベルジェ・エッグ」、・・・これって、私の記憶では「007:オクトパシー」でキーアイテムとなっていたよね^^

 「怪盗」の二人組は、モーガン・フリーマン演じるベテランと、彼にスカウトされた、まだまだ若いバンデラスが演じる青年。

 この二人が実にいい。

 バンデラスは、憎めない笑顔で、魅力的だ。

 モーガン・フリーマンは、もう芸術的としか言えない容姿と演技だ。

 若々しい立ち居振る舞い、乱れぬ身だしなみ、無表情の仏頂面、ほのかな笑顔、最高である。

 ミミ・レダー監督の撮った、リアルなニューヨークの街角に二人を配したことで、この作品は成功である。

 地下鉄の雑踏や、寂れた遊園地、ロシアンタウン(かな?)、二人がベンチに腰を下ろす公園・・・、今までに見たことのない雰囲気のある撮り方である。

   ◇

 で、その二人が、作戦を決め、アナログ的な方法、デジタル的な技法、それぞれを使い分けて、堂々と、難攻不落の金庫を破るのである。

 面白い。

 私はドキドキしながら観た。

 しかし、話は、その後、二転三転する。

 それが、二つの勢力の騙し騙されではなく、複雑に絡み合った五つぐらいの勢力が、微妙に重なり合い、なんか最終的には、敗北感に打ちのめされる勢力が一つもないという、妙な「大団円」を迎える。

 特に、バンデラスが、女と恋に落ち、その女の為に、彼の「本来の目的」も投げ捨てるクライマックスがいい。

 女も、エピローグで、多くのわだかまりを捨て、バンデラスの元に向かうのがいい。

 ・・・『トーマス・クラウン・アフェアー(ブロスナンの方ね。マックィーンの方は見てないので)』のようなスマートな作品だが、モーガン・フリーマンの存在が、物語を重厚に見せてくれます。

                                        (2010/06/03)