懐かしい昭和の情景を追って

過去に撮影したネガをフィルムスキャナーで電子化しています。蒸気機関車、古い町並み、茅葺民家を投稿します。

懐かしの蒸気機関車写真展 その54 「宗谷本線」 

2013年12月16日 | 懐かしの蒸気機関車写真展
撮影場所 北海道宗谷本線 音威子府 名寄

厳冬期に宗谷本線に行った。宗谷本線を走る蒸気機関車を撮影するために旭川から稚内を夜行で目指した。夜行と言ってもボックスシートに丸まって寝る。
稚内をめざす乗客は少なくみんなワンボックスをひとりで使っていた。
稚内行きの夜行列車はC55形の蒸気機関車が牽引した。
客室には蒸気機関車の石炭の燃えた匂いが漂っていた。
列車内は北辺を目指すに従い冷え込んだ。蒸気機関車の排気を使った暖房もあまり効かなかった。私は持参していた寝袋に入りやっと眠りについた。
北海道の列車はすべて二重窓になっていて寒さを遮断していた。
しかし、窓際は冷たかった。窓は凍り外の光景はぼんやりとしか見えなかった。
明るくなりかけた頃、民家のない雪原を走っていた。
ほとんど作物も作らず原野のままで残されていた。

稚内に到着し南稚内の機関区に立ち寄るが機関庫は戸を閉ざし撮影できなかった。
機関庫には気動車も入りアイドリング運転をしていた。
蒸気機関車も配管が凍結しないように燃焼室は石炭を埋火状態にしていた。
これから上りの蒸気機関車の牽引する普通列車に乗り旭川をめざした。
蒸気機関車に乗り蒸気機関車を撮影する旅だったが本人にとってはこれが極上の楽しみであつた。