日々雑感 ~写真と思い~

今日と言う日は、二度と来ない。 
だから今日を大切に・・そんな私のデジカメ散歩 

* 京都へ (その2) 2日 *

2012年04月03日 | 風景・お出かけ

到着したのが4時半頃だった。 
「ゆき(仮名)ちゃん仕事から帰ってるかなぁ」 電話に出た。 びっくりしていた。 「来て下さい! 私、会社の裏の、菜の花のところに行きますから!」
甥っ子のお嫁さん、我が家には独身時代から、そして夫婦になっても何度か泊まりに来ているので親しい。

ゆきちゃんは黄緑色のお洒落な自転車に乗ってやってきた。 夫婦は会社の敷地内の社宅に住まいしている。
「いつも寄せてもらうばっかりだったから、呼ばなきゃいけないのに来てくれてうれしいわ」 
「ちょっと働いている会社、見てみようって急きょ寄ったの。 声かけるつもり無かったから手ぶらでごめんね」
「HPで見た事があった酒蔵と菜の花のある風景、ここやったんやね」 立派な酒蔵である。
茶色と白の壁に菜の花の黄色が色を引き立たせ見事にマッチしている。

ゆきちゃんと長女は若い者同士で早速世間話。 ゆきちゃんは終業時間少し前の甥っ子にメールを入れてくれたので、甥っ子が出て来てくれた。
甥っ子もどないしたんって顔して笑いながら来た。 「城陽へ行った帰り。 菜の花きっと咲いてるって一度酒蔵見たかったから」
事務職で何年か前から毎日走るようになって30Kも減量した彼、入社したころからと違い随分と落ち着いているように思えた。 
一時自分より年がかなり離れた人たちばかりの中で、仕事に思い悩んでいた時期があって、泊まりに来た時は私と夜中過ぎまで愚痴を言ったり
苦労を話したりで、同情したり励ましたりもした。 こんな時は親よりも身内の方が感情が入らずアドバイス出来るし、相手も聞けると思う。  
あれから何年経つだろうか。 職を変わることも考えていた彼だが、どうやらしっかりと落ち着いているようだ。

大学時代、良く訪ねてくれたが、今は所帯も持っているし学生時代の甘さを感じさせることなく堂々として見えた。 

 

この土手、3月で終わった朝の連続TV小説”カーネーション”の主人公、小原糸子さんがドラマで仕事の行き帰りに歩いていた道なのだと言う。
そう言えば、この背景だった。 この酒蔵がまさかね、縫製工場位に思っていた。  知っていたら、またドラマを見る目が違っていたのに。
「撮影をようやってたわ」 甥っ子が言う。 「そうなんや、そう言えばこの風景やったわ。 教えてくれたら良かったのに」 
時代劇などでもここが使われるそうだ。 

私は糸子さんが歩いたこの道、良く座ったりしていた土手へ下りた。 (わ~・・つくしやわ) なんだか嬉しかった。 田舎にいるような錯覚を覚えた。
ここに来た時から、カメラを構えた男性や見物に来られている人が入れ替わり来ていた。
一枚目の写真なんてお気に入りだが、誰が撮っても同じ写真になるだろうなぁ。

 

5時。 長女が「父さんから電話かかるわ」案の定である。 
ゆいちゃんを子守するようになって、夫は5時にゆいちゃんがいるかどうかを知りたいので、帰るコールをする癖がついたのである。
長女は電話に出ずに甥っ子に携帯を渡した。 甥っ子が電話に出て話し始めた。 夫はなんでや・・と混乱していたようだ。
帰りに寄って見た事をやっとのみ込め、長女に電話を変わったら「お酒と酒粕あったら頼む」と言った。 

快く受けてくれた甥っ子について行った。  広い敷地だ。 うろうろする訳にはいかないので事務所の前で待っていた。
待っている時に、仕事場で見る甥っ子は逞しく思えた。 歩いてきた方に挨拶をした所へ、お酒と酒粕を箱に入れて甥っ子が走って持ってきた。
「松・・さんです」と紹介され「あら、そうだったのですか。 甥っ子がお世話かけています」と笑いながら言うと、 「いやお世話になっています、良く
やってくれていますよ」若い社長さんは言った。 甥っ子から何度か話を聞かされていたから、(この方が・・)やはり違うなぁと態度で感じた。
お礼を言い別れた。 

気づきや自然と言うものは、こんなにまで素敵な事がらに変身するのだなぁ。 平等院が満開の桜だったら、もっと他の場所へも行っていたに違いない。 
電話をしなければ会うこともなかったし、もちろんお酒を持って帰ることも無かった訳である。 濃い良い一日だった。
酒蔵では冬の季節お酒の仕込みで来る杜氏さんたちが、仕事を終え帰って行かれる・・会社もほっと一段落、この菜の花が咲くようになった時分に。
なので酒蔵と菜の花は大切な繋がりがあるのだそうで、目の前で見た鮮明なこの色合いの美しさは私の中で一生ものだろうなぁと。



7時を過ぎたが、いそいそと食事の用意をする。
成長を遂げた甥っ子の話に加え、新酒のなんと美味しい、夫は嬉しげだった。
京都では本物の桜にはまだ早かったが、”桃の滴”を兄夫婦にもらった桜模様のグラスで、ちょっと季節の味わいを添えて。 

 

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急速に発達した低気圧の影響で、西日本は暴風雨。 予報で聞いていたが、長女とお昼前から帰省の為の買い物に行っていた。
おなかいっぱい・・

次女の電話で外は大変な様子だと言うことを知った。  駐車場を出ると、一気に怖い位の雨風を受けた。
帰るなり、娘たちは愛ちゃんを迎えに行き、ひろとやなつめたちの迎えに行った。  今日長女がいてくれて良かった~助かった。
夕方からいっそう風が強まり、まるで竜巻でも来るかのようで、家が揺れた。 びくびくしながら過ごした。
毎日にように、地震で揺れている人たちはこんな思いだろうなぁと。