日々雑感 ~写真と思い~

今日と言う日は、二度と来ない。 
だから今日を大切に・・そんな私のデジカメ散歩 

* 別れ・・ *

2012年05月20日 | 雑感

香港のスタンレー(赤柱)の植え込みに咲いていた。  紫が好きだったような気がするので選んだ。

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急なことだった。 とっさに30年くらい・・と思ったが、冷静に数えてみると、37年ほどになった。
出会いがあったのが5月だった、ちょうど15日。   出会いの5月がお別れの月になった。  急なことでご家族には申し訳ないと思うが、思うに
膝は弱かったものの息子さんと2人暮らしだったので患うことなく世話をかけずに逝かれた訳で、この方らしい最後だったような気がする。

思い出すのは長男が調理師専門学校を卒業し、学校の師より紹介で法善寺横丁のお店に勤めることになって家を出ると言う日、この方に会った。
「息子は今日、家を出て新しい道に入ります」と挨拶をした。  息子の顔を見て慈愛に満ちた優しいお顔で言われた。
「料理は好きか?」「はい」「好きなことだったら、お父さんとお母さんの子や大丈夫、頑張りなさい。 困った事があったら、いつでも来なさいね」
息子の肩をトントンと叩いて言って下さった。 
息子はえらく心に沁みたようで、帰り道「すごいオーラのあるひとやなぁ」 「石の上にも3年と言うから3年はがんばりなさいよ」
「10年は頑張るわ。 やめさせて下さいと言う勇気が、僕には無いから」 そう言って、家を出たのだった。  15年になった。
私には過去達筆な書で色紙を3枚いただいている。 「汝己自身を知れ」 「背水の陣」 「幾山河 越えしぞ 道の遥かなり」
どれも人生は一生が自らを省みて、努力することを教えてもらっているような気がして、この書を見ると耳が痛い思いである。

本当なら、奈良のMiyamaさんの絵画の個展に夫と行くはずだったのだが、見送る事になって行けなかった。
個展は大盛況だった様子である。 ご高齢のお母様の介護の傍らで、日々筆をとっておられる、その真摯な姿には教えられることが多い。
初めの個展には主人と次女と孫と寄せてもらった。  次の個展には、是非主人共々再会出来ますように。