大学時代、同じ学部で同じ音楽サークルに入った仲間がいた。その一人が青森出身のレイコだった。彼女はエレクトリックベースでジャズをやりたいと言ったので、もう一人のピアニスト(当時のはやりだった、フェンダーローズを即購入した北海道の可愛い女の子)と女3人で「Misty」というジャズグループを結成。チックコリアの「Return to forever」や渡辺貞夫さんの「カリフォルニア・シャワー」のアルバムから演奏していた・・・気がする(苦笑)。
そんなおつきあいから、結婚して子供ができて青森に戻っていったレイコとこれまたFace Bookで繋がって、昨年は久しぶりに上京した彼女と再会。「今度青森にも行きたいから場所を探して欲しい」とお願いすると快く引き受けてくれたレイコ。やはり持つべきものは「ともだち」。ありがとう。
さっそくレイコは青森で趣味でベースを弾く田中氏に相談し、その方が協力してくださって今回の東門でのコンサートが実現できたのであります。
最初、田中氏は私の演奏をアバンギャルドなのでは・・・と心配し、ちょうど上京していた折にサムタイムのライブに偵察に来てくださり・・・。そこで、すっかり私たちの音楽を気に入ってくださって、これはぜひ青森で実現させましょう!と。「東門」というお店もミュージシャンたちから評判をきいていたので、ぜひそこで演奏したい、と伝えると、田中さんは学生時代の後輩である東門のご主人とはツーカーの仲で、ご主人も私の名前は知っていてくださり、これまたトントン拍子に進んでいきました・・・・。
大館で比内地鶏の絶品親子丼を食べてから青森まで「十和田湖を通って奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)を通ってくるといいですよ」と田中氏のアドバイスのとおり下道を通っていくと、新緑の樹海へ・・・山道を抜けると見晴らしのよい発荷峠へ。十和田湖が一望。そしてB G Mにはジージーとセミの声。春セミというそうです。こんな時期にセミの声にはびっくりしました。

十和田湖が一望できる発荷峠から。
さらに、奥入瀬渓流に入ると美しさに圧倒。澄んだ水の流れはとても早くて冷たそうだったのですが、渓流に沿って車道があることにもびっくりでした。大雨が降ったらすぐに車道に溢れそうなくらいぎりぎりまで・・・。ここは本当に来て大正解でした。素晴らしい場所に私たち全員が大感動。

奥入瀬渓流
「東門」は本来はお蕎麦やさんですが、ご主人はジャズベーシストで神主さんで、そばも打って・・・と凄い人だと伺ってお会いするのを心から楽しみにしておりましたが、とても残念なことに、体調を崩されて入院されてしまったのでした。今回のライブを決めたすぐあとで入院になってしまったので、田中さんは「ライブを中止にしましょうか?」と相談したところ、ご主人が「せっかく決めたのだから、ぜひやってください」とそのまま続行となったそうです。
主人不在の中、リハーサルを終えると東門のお蕎麦定食が振舞われて・・・美味しい手打ちそばにうにご飯が付いている。普段、演奏前はそんなに食べられないのに、みごとに完食。

リハーサル風景
またここは音響も抜群。お客様が大勢入ったらどうなるかな、と少し心配していたのですが、ステージ上に板の間が貼り付けてあるので、生音の気持ち良いこと。こういう細かい心使いから、ここのご主人の音楽に対する愛情をひしひしと感じました。本当に本当に1日も早いご回復をお祈りしております。
お蕎麦をいただいているうちに、お客様が続々とお見えになって・・・あっという間に満員御礼。嬉しいなあ。たくさんの方達に来ていただけることが最大の喜びです。「どんな音楽なの?」と聞かれてもジャンルなどで説明のつかない私たちの音楽。まずは聞いてみて、としか言いようがないんです。聴きに来てくださったみなさんが、大満足の笑顔。CDもたくさん売れました。ありがたや〜〜〜。

そば職人がバリトンを持っているような・・・汗。
青森にもビックバンドがたくさんあるそうで、そこでサックスを吹いている女の子たちも来てくれて「明日から2本吹きの練習したいですw。」とか「ノンブレスの練習方法は?」などなど、熱心にRIOや私に質問してくれて・・・。少しでもサックスの生音を、ジャズの楽しさに感動してくれたのはなによりも嬉しいことですね。みんな、これからも音楽を楽しんで続けてくださいね〜。
初上陸の青森八戸でしたが、大成功。また、来年もここで演奏したいな〜〜〜と思った次第です。東門で手伝ってくださったスタッフの皆様にも心から感謝いたします。

レイコ、ありがとう!ご主人もとても優しそうな人でした!
さあ、次は「わらび座」の郷、角館「田沢湖ビールレストラン」に向かいます。新たな出会い。素敵な感動。旅って最高!