我が家にあるアップライトピアノはトシキが幼少の頃から妹たちのレッスンのために購入された「Lester」というピアノ。
私自身も小学1年になるときに買ってもらったピアノがありました。それも聞いたことのないメーカーでしたが、1台しかピアノは置けませんから、実家に置きっぱなしに。後にどこかへ………
私たちの小学生時代は高度経済成長の時代で、ピアノがいきなり一般家庭で売れ出し、ピアノの製作が追いつかないほどだったそう。それでYAMAHA、KAWAI 以外に小さなピアノ会社が乱立して50社ほどあったそうです。Lesterもそのひとつ。
こちら側の調律やメンテナンスのいい加減さを棚にあげてすみませんが、この頃の会社はいい加減な製作でそのままどんどん売ってしまった・・・。。我が家のピアノもネジを止めている板自体が強度がないシロモノだったようです。
10年以上ぶりに来てくださったTさん。この方を黒田京子(ピアニスト)さんに紹介していただき、昔2年連続で来ていただいたのですが、それからほっぽりっぱなしになってしまって(汗)。3年くらい前にやはり限界になって調律したい、と思ったときにTさんが体調を壊し入院されたのでした。(ソレハ『イイワケ』ダケド・・・)
ということで久しぶりに来てくださった辻さんはこのボロボロのピアノを見て・・・
「あの、これを直すのは後ろの板を交換しなくてはならないので不可能に近いのです。そんな労力とお金があったらピアノ買ったほうがいいんですが。ちょうど私のお客様で『ピアノを処分したいので、どなたかもらってくださる方があれば。』という方がいるんですよ。」
なんと嬉しい!ラッキーでした。
ということで、とんとん拍子に話は進んでいきましたが、運送業社の方が下見に来た時、「このベランダの手すりは大変危険です。今度までに補強をお願いいたします。」
え〜〜〜、そんなこと言ったって一週間もないのに(予算もないのに)どうすればいいの?・・・そうか、自分たちで手すりを支えます(きっぱり)。
そして本日。
3時くらいの予定が遅れて5時に。もちろん辻さんも来てくださっています。
我が家のせま〜〜い路地にピアノ専用運送社のトラックがやってきました。あれ?下見の時は「当日は2人でやります。」と言っていたのに3人いるぞ。
そうです、我が家は3階。クレーンで釣り上げて部屋に入れ込む。グラグラのベランダの手すりも心配。困難を予想して3人で来てくださったんですね。ありがとうございます。
まずはレスターを大きなカバーでくるんで紐をまきつけ2人で担ぎます。その間にもう一人はクレーン車の位置を手元のコントローラーで(凄い!)操作して3階の位置取り。お見事!!
手すりをしっかと掴んで支えます。辻さんと利樹と私の3人で・・・・・なんとか成功。
こうやってLesterを出して、今度はKawaiをクレーンで釣り上げて再び恐怖のベランダへ。必死に抑える・・・これまた大丈夫でした。ヨカッタ〜。
そこから先の運送業車の技もすばらしく、チームワークもばっちり。本当にプロの技を見せていただきました。パチパチパチ!!!
かっこいい職人たちをお見送りして、今度はようやく辻調律師の出番です。
「このピアノは私がKAWAI楽器に務めて調律師をやっていたときからのお客様。毎年欠かさず調律させてもらっていました。でも今年の10月にお電話したら『さすがに誰も弾かなくなって10年なので、手放す決心をしたので、どなたか欲しい方いらっしゃれば。』と。ちょうどよかったですね。」
本当にラッキーとしか言いようがありません。神様、ありがとう!Tさんありがとうございました。
というわけで、ピアノの響きに驚きながら、嬉しさのあまり昔弾いていた譜面を引っ張り出してみちゃいましたw。まったく弾けなくなってましたが。トホホ。
でも、これからはたくさん弾いてちゃんとメンテもして大事にするのでヨロシクお願いします。