『Paris』Special Blog
ロケ地紹介ページ
公式サイト日本版、フランス版
「スパニッシュ・アパートメント」のセドリック・クラピッシュ監督の作品。
アパルトマンの内部の様子、マルシェでの生鮮食品の買い物、朝バケットを買いに
行くパン屋さんでの会話。パリで生活をしている様々な年齢、階層の人たちの日常を
切り取った、こちらも群像劇です。
「モンテーニュ通りのカフェ 」ピアニスト役で出ていたアルベール・デュポンテルや
ヴァレリー役のアネリーズ・エスムも出演しています。
死を意識しはじめたピエールは、リストラを心配しながらソーシャルワーカーとして働いている姉に
「(たとえリストラされても)でも死ぬわけじゃないでしょ」って言う台詞や自分の生きる時間が
あと僅かしかないけれど、3人の子供を抱えたシングルマザーとはいえ「まだ40なんだし、健康
なんだし、もっと人生を楽しまなきゃ」と姉に内心の苛立ちをぶつけるシーンが印象的でした。
自分の分も人生を満喫して欲しいという願いなんでしょうか。そしてピエール自身もクリスマスに
お姉さんの同僚を紹介してもらって自宅デートをしたり、最後までトキメキを忘れずにいるし。
ピエールがバゲットを買いに行くベルヴィルの街角のパン屋の女主人はいつも文句ばかりで、
しかも従業員の出身地で働きぶりを決め付けているところが嫌な感じなんですが、
そこがまたパリのイメージにぴったりはまっていると思いました。
カメルーンにいるブノワがパリにいる兄を頼りに不法入国する計画で、海を渡る前に以前カメルーン
にバカンスで来ていたマルジョレーヌの携帯電話に電話をするシーンも印象に残っています。
華やかなファッション業界で働く彼女にとって、『毎日が楽しければいい』それだけ。
命がけでフランスにやってこようとするブノワのことなんて、気にかけることもしない。
不法入国が悲惨な結果になったことをニュースで流れる時に、マルジョレーヌは仲間と一緒に
夜中にバカ騒ぎをしている。。。ラストにお兄さんから送られてきた絵葉書に映っている場所に
絵葉書片手に立っているブノワが登場したので、これはこれで今のパリを描いているのかも
知れません。それにしてもジュリエット・ビノシュは明るい役柄の方がいいですね。
フランス映画といえば、上映中の「夏時間の庭」と6/6から公開の「サガン-悲しみよ
こんにちは-」が気になります。数ヵ月後にはギンレイホールでやってくれるのかも知れませんが、
久しぶりに公開中にどちらか観に行きたいものです。
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