1月に「星の旅人たち」&「キリマンジャロの雪」を観た以来、足が遠のいていた
ギンレイホールへ久しぶりに行ってきました。しかも会社帰りに!
やっと余裕が出てきたと言いますか、仕事のペースが掴めてきたのかなという感じです。
さて観た映画はイタリアで裕福な一族に嫁いだロシア人エンマが長男の親友との恋に走る、
まさに“ミラノで愛に生きる”お話でした。
エンマを演じるティルダ・スウィントンが身にまとう上流階級のマダムに相応しい
上質なファッション、洗練された着こなし。室内を飾る絵画や家具、調度品そして
次々と登場する美味しそうな料理とビジュアル的に楽しい作品でした。
ストーリーとしては、長男の親友アントニオは友達の母親との恋をどう思っていたのか、
長男エドアルドは母親との結びつきが強く、母親とロシア語を話すけれども父親や弟とは
何だかぎくしゃくしている(妹とは理解しあっている感じ)とか、曖昧な部分が多くて、
観終わった後もモヤモヤ感が残りました。
そんな中で使用人の長・イダとエンマのやりとりが印象的でした。
洗濯物を畳みながらイダに「一緒に食事でも。ひとりっきりで食事はつまらないし」と
誘うシーン。イダはもちろん「それはできません。私たちには習慣がありますから」と
断るんですけれどね。イタリア人になりきろうと結婚してから一度も故郷に帰ることなく、
嫁ぎ先に相応しい妻・嫁・母親になろうとしてきたエンマを見てきたイダは、贅沢三昧の
何不自由ない生活を送っているとはいえ、孤独で寂しいエンマの胸の内を感じていたん
でしょう。家を出ていくエンマの手助けをして、最後まで彼女を支えるのでした。

イダを演じたマリア・パイアーロ。
素敵な女優さんでした。
エンマという名前は彼女の本名では
なく、旦那さん(写真左)が勝手に
つけた名前であることが話が進んで
いくうちに明らかになってきます。
気品溢れる美貌とスタイルを持ち、
自分に献身的な女性を一人の人間と
してではなく、自分や一族を飾るもの
としてしか見ていない、そんなのは
イヤですよね。虚飾に満ちた生活から抜け出して、自然体の自分に戻りたい衝動に駆られる
気持ちもまあ分からないでもないかな。娘のエリザベッタが同性愛者であるを知ったエンマは
最初は動揺するけれど、そのことを告白された辺りから徐々に自分の生き方を変えていく方向
へ転換していったような気がします。
長男エドのフィアンセ、エヴァを演じた女優さん、どっかで見たことあるんだけれど
どの映画だったっけなあ~

と帰宅後にネットで検索して

分かりました。
「ただ、ひとりの父親」(
関連記事)に出ていたディアーヌ・フレリでした。
エヴァのラスト近くの言動もよく分からなくて、これもモヤモヤのひとつなんですよねえ。。。