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公式サイト
日本語版、
英語版
「17歳の肖像」以来、次の出演作も観てみたいなあと思っていたキャリー・マリガンと
キーラ・ナイトレイが共演している、ただそれだけで観てしまったのですが。。。
臓器移植を題材にしたかなり辛い内容のお話でした。
イギリス最高の文学賞・ブッカー賞受賞作家、カズオ・イシグロの同名小説を基にした
作品だそうです。
美しい田園風景にある寄宿学校で育った幼なじみの3人。
外から隔離されて生活している子供たちは学校の先生方から細心の注意を払われ、
しっかりと健康管理をされている。かといって愛情を注いで育てられているような
優しさや温かさは伝わってこず、子供たちが楽しみにしている『買い物の日』に届けられ
るダンボール箱に入っているおもちゃなどは、どう見ても捨てられていたガラクタばかり。
子供たちは成人になると数回、大抵は3回くらいの臓器移植が行われ、中年になるまでには
“終了”を迎える。
臓器移植を目的に作られたクローンで、人間と見なされず生かされている存在だったのです。
ルースがキャシーに自分たちの「オリジナル」を探そうとすれば、はきだめに行けばいい、と
いうようなことを話すシーンがあるのですが、臓器提供を受けるのは富裕層であり、
それらを提供するのは社会の底辺に生きる人たちであることを示しているのでしょう。
健康な臓器されあればいい、最初からそれだけの目的のために生まれた子供たちは、
自分たちの将来に悲観して自殺することもなく、粛々と過酷な運命を受け入れて最期の
その時をひたすら待っている。
美しい風景をバックに静謐に話は淡々と進んでいくのが更に辛さを助長するといいますか。
提供する側の生きる悲しみやこのようなシステムを作り出した人間の驕りを強く感じ、
キャシー、トミー 、ルースのような諦観の境地にはなれそうもありません。
「介護人」として「提供者」たちの世話をし“終了”を見届けてきたキャシーの元にも
とうとう通知が届き、1ヶ月後に第1回目の提供が始まることに。
「誰にでも必ず“終了”を迎える。ならば私たちと私たちが救った人との違いは何なのか?」と
いうエピローグには胸が締め付けられました。
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出てくる俳優陣の好演に心に深く、しみじみとした気持ちに
なるのですが、なかでも少女時代のキャシーを演じた子が
キャリー・マリガンにそっくりで、しかも2人とも繊細な心理
を表現した高い演技力に驚きました。
キャシー ・・・キャリー・マリガン
トミー・・・ アンドリュー・ガーフィールド
ルース・・・ キーラ・ナイトレイ
エミリー ・・・シャーロット・ランプリング
ルーシー ・・・サリー・ホーキンス