瞳

「介助の先生とヒナちゃんは、仲悪いの」

同じクラスのお友だちが、こんなことを言っているのを耳にした。



その日、一緒にお風呂に入ってシャンプーをしながら、

「ヒナは偉いね！　嫌いな先生でも我慢して、毎日笑顔で学校に行ってるんだね」

と声を掛けた。



「そうなの！　母たん、やっとわかってくれたんだね！」


と言葉では言えないけれど、

私に向けた満面の笑顔が、そう言っていた。




レットの女の子たちは言葉は喋れないけれど、

澄んだ瞳と愛らしい笑顔で、たくさんのことを語ってくれます。



介助の先生に「何一つ理解できない」と言われました。


瞳はこんなにも一生懸命答えているのにね。