みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
心に留まった風景など
私の好きなことを綴っているブログです♪

MOA能楽サークル(午後の部)

2005年08月12日 | 能・狂言
お昼を取って、お子さまと一緒に来ていたあいらぶけろちゃんさんと合流。偶然にも、隣同士の席でした(笑)一緒に行く計画は何もしていなかったのに!!やっぱり、これも何かのご縁ですね!!お昼は、晴れたら芝生広場で食べれたんだけど、雨で室内へ。先日の薪能といい、私はやっぱり雨女のようです(苦笑)それでも素敵なお屋敷(?)でお弁当(持参)を頂くことができたのはよかった。

能楽ミニ講座・・・野村萬斎、辰巳満次郎
まず萬斎さんによる狂言の解説です。萬斎さん「みなさん、こんにちは!」「後ろの方が声が小さいな、もう一度、こんにちは!」子供「こんにちはー!!」には教育番組を思い出しました。さすが「にほんごであそぼ」出演者!(笑)
萬斎さんは『魚説教』について、子供たちに分かりやすく説明されていました。さすがにうまいなーと思いました(^^)
能の解説はシテ方宝生流辰巳満次郎師。この方もお話が面白かったです。ここでは、全員がその場で立って、シオリという左手をかざして泣く型を練習しました。なるほど、、薬指を右の眉に触るか?という位のところまで持っていくらしい。


和泉流狂言『魚説教』
 親の追善を住職の代わりに引き受けてしまった新発意(お坊さんの見習い)がお経が分からないので、魚市場の近くに住んでいた自分がよく知っている魚の名前を説教するというお話です。解説の萬斎さんがシテの新発意です。
 解説にあったように、魚の名前がどれだけあるか、と数えてみました(^^;かなりありました!!突然こんなに言える方もすごいと思うんですけど(笑)魚ばかり言っていて、魚は生臭いもの(殺生)ということで、弔いにはふさわしくない、と施主は怒ってしまいます。それで飛び魚になって飛んで逃げるのがおかしいです。


宝生流能『船弁慶』
 大河ドラマの影響か人気曲だからか上演が多いですね。でも子方も出るから、お子さまたちには向いているのかしら?(『花よりも花の如く』にもそんなエピソードあったけど)歌舞伎でも何回か見ているけど、元ネタの能の方がやっぱ面白いと思ってしまう。(歌舞伎も面白いが、メイクが生々しいのだろうか・・・?!)
 今回、脇正面に初めて座りましたが、この席なかなか良い!と思いました。やっぱり静は美しいし、悲しみが伝わってきます。中之舞を舞った後の義経との別れ、烏帽子を落として泣きながら去る場面は、とても好きなのですが、今回は、義経を背にして去るところがちょうど私の真正面に見えたので、悲しさが伝わってきて、ちょっとうるうるしました。。。
 そして、源次郎先生も辰巳満次郎師も「笑わないで!」と仰った作り物の船。ここで笑いは起きなかったものの、「これか!」というざわめきが(笑)大波がきた時のお囃子は、かなり迫力!「かっこいい!!」と身震いしました。
 知盛は能は歌舞伎に比べておどろおどろしい感じがしました。でも、全パワーを義経にぶつけてやる!という執念を激しく感じました。午前の解説での義経をとりまく人〜恨んでいる人物〜という言葉を思い出しました。やっぱり『船弁慶』はおもしろいですね!!
 前半の静御前の‘静’な部分と後半の‘動’の部分の対比はもちろん、義経を中心にとりまく、人物の気持ちを感じることができた本日の舞台でした。

シテ:佐野登 
笛:成田寛人 小鼓:大倉源次郎 大鼓:大倉慶乃助 太鼓:観世元伯

終演後の挨拶で、司会の方が子供たちに「今日は楽しかったかな?」にほぼ全員が手を挙げているのを見て、私もなんだか嬉しくなりました

MOA能楽サークル(午前の部)

2005年08月12日 | 能・狂言
 朝の10時半から午後3時半まで、どっぷり能楽に浸ってきました。朝早く(といっても普段と変わらないが)出かけて、熱海に着く。またもや雨女の本領発揮でパラパラ小雨。(帰る時は、さらに凄くどでかい雷と共に夕立が・苦笑)
 能楽サークルは子供とその保護者が主体のイベントのようですが、私のような独り者も参加してまいりました。(良い年頃の子供も周りにいないしさー・・・・)入り口から延々と続くあのエスカレーターを使わずに階段を駆け上がっていく子供達、元気だなーーー、いいねーー、と思いました(笑)
 画像は、懇切丁寧なパンフレットと、参加者に配られたステッカーです。(参加者は胸とかにステッカーを貼るのです。)

午前の部・能楽講座  講師・・・大倉源次郎
 小中学生は別のお部屋で楽器体験、保護者や一般の人は源次郎先生の講座です。この時ばかりは、自由席という案内があり、急いで正面へ。(私の席は脇正面)運良く(?)一番前の真ん中の席に座りました。(源次郎先生の真正面!!<ミーハー・笑)
 切戸口から源次郎先生が能舞台へ。後ろの女性達から「かっこいい・・」という囁きが(笑)激しく同意です(笑)
 能楽の歴史、囃子の事などユーモアを交えながら楽しく分かりやすく解説してくださいました。(質問にも応えて下さいながら、そこから発展してお話をしてくださいました。)
 今日の体験は、短い間で稽古を体験してもらうということを保護者の方に説明。挨拶をしっかりする、お道具を通して先人の知恵や苦労を学んだりすること、死ぬまで勉強、という言葉は私の心にもしっかり留めておこう!と思いました。
 能と狂言の違い・・というお話は、「大倉源次郎が恋をしたら・・・」の喩えで(笑)能は自分が恋に苦しんだり、叶わないと死んだり、、、と狂言は、片思いをからかったり、、、というような喩えでした。

 その後、小鼓について説明。
 袱紗に包んだ状態は「小包(こづつみ)」、中身は「小鼓(こつづみ)」と(笑)構え方や、雛人形の五人囃子から能のお囃子の並び方の説明がありました。
そこから能楽器解説に。小鼓はもちろん主に笛についても解説でした。能管は音階が一本一本違うとかいうことは知っていましたが、なぜこのようになったか、篠笛や龍笛といった笛は中国から伝わり雅楽などで使われている。それはちゃんと調律されていて音階も定まっている。しかし、能楽は音として統一するのをやめた、ということです。(音階が同じでは面白くない。一本一本違ってもいいじゃない、というようなこと。) 
 大陸系の乾いて一定の音階になる楽器と、南方は感覚的な音階の楽器。これが日本で出会って発展した、日本はたいへん豊かな国ということ。
これって、面白いなと思いました。鼓だってそうですよね。人によって音はもちろん違うけれど、鼓によってかなり違いますしね。


 あとは、今日の『船弁慶』の見所解説がありました。(感じ方、楽しみ方は人によって違うので、見所解説は難しいと仰ってましたが)シテ中心も良いけど、義経中心に見ると白いということ。義経(主役)、そして静は義経を思う恋人、知盛は恨みを抱く人物。弁慶と家来でお金も絡まない主従関係。船頭は雇われて いる人間、と社会の構図があるので、それぞれの見方から楽しみ方があるということです。
 あと、カットされることが多いけど、アイの船頭が義経が復権したら、自分を役につけてくださいと頼む、生々しい場面もあるそうです。

 残りの時間は質問などにこたえてくださって、私も大鼓の乾燥した音と、湿気が必要な小鼓は、先ほどの大陸の音と南方系の音と関係があるのか?と質問したかったのですが、手をあげて、(たぶん)目が合ったにも関わらず「時間ですから、そろそろ・・・」と司会者が遮断・・・・
 司会者の方が「せっかくですから、鼓の演奏を・・・・」ということでしたが、源次郎先生は「一人で打つのもなー・・・」という感じで・・・(そりゃ、そうですよね・・・・・^^;)無謡一調というのは知っていたけど、謡いながら打つ「独謡一調」もあるとのこと。これは大倉流のみにあって、『龍田川辺』(字は合っているかな?)という曲があり、この曲は、綱吉の時代に柳沢吉保の命で作ったそうです。そして襲名などの特別な時しかできなく、若い者はできない曲らしいです。
 そこで、みんなで『翁』の三番叟の部分を稽古(?)しました。
「イヤータツホーポツホーポツポポ」を繰り返し、楽しかったです。

 1時間半に渡るお話はとても面白かったです。と、最初はサラッと感想を書くつもりが、長くなってしまったので、午後の鑑賞と分けることにします。
お話を聞きながら、メモをしたものを見ながら書きました。