みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
心に留まった風景など
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長泉能 『紅天女』

2008年03月26日 | 能・狂言
 26日、ベルフォーレ長泉で数年前に国立劇場で初演された新作能『紅天女』が上演されたので、お稽古仲間のお友達と見に行きました。『紅天女』は美内すずえ原作『ガラスの仮面』の中の演劇『紅天女』を能にしたものです。といっても私、『ガラスの仮面』を読んだことがないのです(苦笑)ですが、一応『紅天女』のストーリーだけは事前に少しだけチェックして挑みました。今日は茂山家の狂言もあったりして、なんだか狂言の方が古典作品で・・・まあバランスが取れているといれば取れている?
 このホールは舞台がいろいろ調整(?)できるのか、能楽堂のような能舞台のような造りになっていました。さすがに屋根はないけれど(^^;橋掛かりもあって、ホール能のセットの割りには「お!」という出来でしたし。なので、脇正面の席もあったので、脇正面最前列にて鑑賞。


狂言 『棒縛り』 
 歌舞伎でもおなじみの演目です。久々に見た茂山家の狂言。やっぱり茂山家はいいなぁと思いました。シテの次郎冠者の正邦さん(私、茂山家若手の中では正邦&茂兄弟に注目しております!!)は、だんだんとお酒に酔ってきたみたいに見えてくるのはさすが。少し堅い感じはするけれど、謡も清々しいし!!太郎冠者(宗彦さん)と子供みたいな意地というか・・・酒のために智恵を絞って結託する二人が面白くて・・・。あと、主の逸平さん・・・なんか随分雰囲気が変わったなぁと思いました。

次郎冠者:茂山正邦  主:茂山逸平 太郎冠者:茂山宗彦


新作能 『紅天女』
 美内すずえ監修 植田紳爾脚本 梅若六郎演出

 今までに実際に新作能の舞台を見たり、テレビで放送されたものを見たりして、面白いと思ったものもあるけれど、正直言って私は新作能が苦手おまけに『ガラスの仮面』も読んだことがないのですが、少し『紅天女』をチェックしただけでも理解はできたかなと思います。新作能ですが、このストーリーは割りとお能チックかもしれませんね。化身とか憑依とか・・・お能でよくある現象(?)というか演出ですからね。間狂言は戦乱などで右往左往する東の者と西の者でお能のオリジナルキャラらしいです。これは現代にも通ずるような問題を訴えていました。

 原作をあまりよく知らなくても割と楽しめました。でも撃沈箇所(スミマセン・・・)もあったので全部理解できたわけではなかったけれど^^;。六郎師の後シテの天女も素敵でしたし。一緒に行った友人は『ガラスの仮面』が好きで、「紅天女」の世界そのまま!と絶賛していました。思いいれがある人が見るともっと面白いかもしれませんね。(というかそうでしょう・・・。)ということで、『ガラスの仮面』も読んでみようと思います。(というか友人が貸してくれるということでお言葉に甘えちゃいます♪)
 あと今回のヒットがワキの福王さん!!!これ、ワキ方の見せ場多いから目立つのかもしれませんけれど、声もお姿もとても素敵でした♪

シテ(阿古屋・紅天女):梅若六郎  ワキ(仏師・一真):福王和幸
アイ(東の者):茂山七五三 アイ(西の者):茂山逸平

笛:栗林祐輔 小鼓:鳥山直也 大鼓:佃良太郎 太鼓:小寺真佐人

地謡;河村博重 味方玄 山崎正道 角当直隆 浦田保親 田茂井廣道

 そういえば、今年最初に見たお能でした。今年は何番見られるのかなぁ・・・(^^;。あと、「入り口にNHKのカメラが入ります」という断りが貼ってありました。舞台そのものの放送なのか、ドキュメントなのかは不明ですが(^^;5月2日に放送されるみたいです。詳しくはまた分かり次第載せますね。