みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
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閑能会 『清経』 『海士』

2008年12月23日 | 能・狂言
 12月19日 於 観世能楽堂

 少し日が経ってしまいましたが19日、観世能楽堂で行われた閑能会へ行ってきました。自由席なので少し早めに行って脇正面にて鑑賞。超満員で立ち見はおろか、中に入れなかった人もいるらしいです・・・。

 能 『清経』 替之形
 『清経』は以前「恋之音取」の小書きで見たことがありますが、こちらは初めて。「替之型」は位が高い演出ということです。清経は好きなお能なのですが、妻の気持ちなどを考えると少し複雑にもなります。
 シテは祥六師。最初の謡い出しが少し掠れ気味だったりして、正直少し不安になってしまいましたが、徐々にそういうことは感じなくなりましたし、修羅道に落ちた様を語る場面はや圧巻。ツレの高梨万里さんも良かったです。曽和正博師の鼓も印象的でした。

シテ:関根祥六 ツレ:高梨万里 ワキ:森常好
後見:関根祥丸、武田尚弘
笛:松田弘之 小鼓:曽和正博 大鼓:国川純
地謡:関根知孝、高梨良一、上田公威、岡庭祥大
   長宗一雄、山崎佑二、古橋美香、関根はな恵


能 『海士』
 以前、この曲の見所である「玉之段」を舞台で打たせていただいたり、四国に行った時に縁の地である志度寺を訪れたことはありますが、お能を見るのは初めてです。しかも祥人師のシテで見ることができたのは、とてもよかったです。
 特に海士が海底に潜り竜宮から玉を取る場面「玉之段」は圧巻。上手く表現できないのが残念なので「凄い」としか言えないのですが、哀れさ、子への思いが伝わってきて、本当にその情景が浮かんでくるような・・そんな舞台でした。
 後場は一転して龍女姿となった母の霊の登場。前場の海士とは違いかなり派手な出で立ちです。
 しかし、祥人師の舞台は拝見する度に「凄いな~」と思うばかり。ご一緒させていただいた方も祥人師のファンの方で、帰り道はそのことばかり話していました(笑)


シテ:関根祥人 子方:藤波重紀 ワキ:村瀬純 間:高澤祐介
後見:藤波時昭、関根知孝
笛:一噌仙幸 小鼓:観世新九郎 大鼓;大倉栄太郎 太鼓:小寺佐七

地謡:浅見重好、上田公威、藤波重孝、清水義也
   斉藤剛、柴田孝昭、渡辺洋子、関根祥丸


 順番は逆になってしまいましたが、年末にふさわしい狂言『福の神』も上演されました。福の神様の笑い声だけでもおかしいですね。その他、仕舞5番、舞囃子1番がありました。久々に能の会に行ったのですが、1年の締めくくりがこのようなすばらしい会でとてもよかったです。来年はもっとお能を見たいと思っています。