みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
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『一命』 (DVD)

2012年08月18日 | 映画(DVD含む)
 例の騒動も記憶に新しいところですが、それでも歌舞伎ファンとして海老蔵主演の時代劇をDVDでチェック!

【あらすじ】一命 - goo 映画
江戸時代初頭。井伊直孝の大名屋敷に津雲半次郎という初老の浪人が現れ、切腹のため玄関先を貸して欲しいと言う。時は合戦もなくなった泰平の世、食い詰めた浪人たちが大名屋敷で切腹を申し出、金品や士官の口をせしめる狂言切腹が流行していたのだ。応対に出た井伊家家老の斎藤勘解由は、かつて井伊家に狂言切腹に訪れ「当家では狂言切腹は通用せん」と実際に腹を切らされた若い武士・千々岩求女の死に様を、津雲に話し始める…。


 仲代達矢主演のオリジナル版『切腹』は未見ですし、話の筋など全く知らずに鑑賞。初老の浪人が海老蔵です・・・初老には見えません(汗)瑛太とどういう関係なのかと思ったら、義理の親子!!!見えません(汗)

 さて、その瑛太演じる求女は狂言切腹をしようとするも、本当に切腹することになります・・・しかも竹光で・・・。これには事情があります。「狂言切腹は通用せん!」という武士の面目も理解できますし、かわいそうだけれどもその成り行きは仕方ないのではないか?とか、恥ずかしいことだけれども素直に物乞いでもしたほうがと思ってしまいます。(その武士としての筋というものが、海老蔵のシーンに繋がるのですし、この話のテーマだと思いますが)それにしても、この冒頭の瑛太の一番の見せ場(?)はワタクシ・・・こういうのダメで・・・画面から目をそらして、ずっと下を向いていました

 そしてラストの海老蔵の一人舞台は圧巻。たった一人でお屋敷に乗り込む・・・しかも竹光で・・・。単身乗り込んでの口上(?)のシーンも、よく書いていますが、「?」と思う台詞回しも、今回はなかなかよかったではないですかね?自分以外は全員敵、そして竹光で戦うという殺陣も迫力がありまくりです。これが歌舞伎『暫』あたりだったら、エビゾー一人で全員倒せるんでしょうけれど。今のぽっと出の若い役者さんにはない、時代劇ものでの存在感がやはりエビゾーにはありますね。歌舞伎で培ったもの(といいつつも、こちらもまだまだなことはあるとは思いますが)を生かしての映像作品の出演ですが、思っていたよりも歌舞伎になってはいんかったかなと思います。ただ、これは歌舞伎ファンの意見であって、普段歌舞伎をご覧にならない方は違和感(騒動とかではなくて)を感じたかもしれませんけどね。

 何もエビゾーだけに限ったことではないのだけど、歌舞伎の役者さんは、映像に出るなら現代劇よりも時代劇のほうがしっくりくるし、存在感がありますよね。歌舞伎歌舞伎になってしまったとしても。それと、逆に、これは歌舞伎化しても面白そう?!と思ってしまいました。最後は荒事ちっくで!!!

 話は、今まで見たきた藤沢周平ものに通ずるものがありました。貧しい侍、真の武士道とは?!そして現代社会にも通じる武士社会での葛藤・・・。

 仲代達矢の『切腹』の方も見てみたいです。

 余談ですが、井伊直孝は、あのゆるキャラひこにゃんの由来となったネコ伝説のお殿様だそうです。ひこにゃんも赤備えの兜を被っているんですよねー。あの庭にひこにゃんがいたら・・・?ゆるいを通り越して、修羅場も見てきていたのかしら?なんて思ったり