毎年8月1日・2日に行われるMOA美術館の薪能に行ってきました。昨年は東日本大震災のために自粛(電力の関係もあるみたいです)、一昨年は行かなかったので、3年ぶり久しぶりのMOA薪能となりました。天気は微妙な感じでちょっと心配でしたが、無事決行です。18時開演でしたが、まだ明るく、海が綺麗に見えました。
能『田村』
後場のお稽古はしたし、自分は舞台で打っているのですが・・・そういえばちゃんと見るのは初めての気がする(笑)
前半と後半は全く違う雰囲気ですが、前半も後半もよかったです。清水寺も何度も行ったところですし、お稽古をしたときに予習もしているので、情景も目に浮かびますし、謡が分かると理解度も上がると思います。
銕之丞さんのお能は、今回と『石橋』くらいしか拝見した記憶がありませんが、謡がとても素敵でした!!前の童子もよかったですが、後場が銕之丞さんのお声にぴったりで、格好よかったですもの!!今まで『田村』は後場しかご縁がありませんでしたが、前場の謡もとても素敵だなと思いました。
シテ:観世銕之丞 ワキ:殿田謙吉
笛:松田弘之 小鼓:曽和正弘 大鼓:大倉慶之助
(主な出演者のみ記載させていただきました。)
狂言 『墨塗』
初めて見ましたが、面白かったです!!遠国の大名が、なじみの女に帰郷を告げると、女は別れを惜しんで泣くのですが、女が鬢水入れの水をつけて嘘泣きしていたのを太郎冠者が目撃して、水と墨を入れ替える・・・というお話です。
これも単純ですが、面白かったです。墨はまさか本物を使っているとは!でも、これ女の人は逆ギレですよねぇ・・・(苦笑)
シテ(大名)三宅右近 アド(太郎冠者)三宅右矩 小アド(女)三宅近成
能『舎利』
これも初めて拝見。話も単純ですし、動きも派手なので、眠くならない能だと思います(笑)
舎利=お釈迦様のお骨を盗んだ足疾鬼を、韋駄天が追いかけて取り戻すというあらすじです。鬼系の曲は結構好きなワタシ。楽しませていただきました♪
シテ(足疾鬼):清水寛二 ツレ(韋駄天)長山桂三 ワキ(僧侶)殿田謙吉
笛:松田弘之 小鼓:曽和正弘 大鼓:大倉慶之助 太鼓:桜井均
普段はお能にあまり親しみがない方も多数いらっしゃるかと思う(特に地方の)薪能ですが、どれも見やすかったと思います。また、見やすかったけれど、見ごたえもあったと思います。久しぶりのお能を堪能させていただきました。また、途中でとても綺麗なお月様に気が付きました。帰り、海側を見ると、海に月明かりが・・・とても綺麗でした。人ごみでしたし、慌てて写真を撮ったので、あまりよい写真ではありませんが・・・。
音響面では、薪能はお能鑑賞という環境としては、決して良いものではないかもしれませんが、自然の演出というものがとても素敵ですね。なお、本日(2日)は宝生流の演能が行われています。