肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

ソックスの昼寝

2009年05月10日 | 動物

家に着て1週間、トイレの間隔も長くなり、かみ癖もなおってきたそうで、しかし、私は顔頭なめられまくるのは何でだろうと思っていると、妻から,加齢臭でないかなと、えー、なんてショッキングなことを。ま、私がおいしいってことでいいかなと。子供たちに抱かれて、疲れ切って寝てしまった姿です。めんこいですねえ。

肝がん検診の報告発表 第95回日本消化器病学会にてしてきました。

2009年05月10日 | 学会研究会報告新聞記事など
演題名:ハイリスク群を対象とした肝がん検診の役割
発表者 肝がん検診団 川西 輝明
【目的】肝癌の早期発見・早期治療をめざし、超音波を主体とした肝がん検診を全道各地にて実施してきた。1981年から2000年までの20年間のまとめと、2007年2008年の診療情報提供の内容をもとに肝がん検診の役割を報告したい。
【対象および方法】検診の効率化をはかるために肝癌のハイリスク群と考えられるHBVキャリア、肝機能障害を有するもの、肝疾患の既往歴を有するもの、輸血歴を有するもの、1991年からはHCV抗体陽性のものもハイリスク群とし対象とした。検診は患者団体とともに検診団を編成し、受診者は、患者団体と市町村の協力を得て募集した。検診当日には、問診、採血検査(腫瘍マーカーとしてはAFPを、ウイルスマーカーとしては、HBs抗原、抗体、HBc抗体、91年からはHCV抗体を測定した。肝機能検査としては、AST、ALT、LDH、ALP、γ-GTP、ChE、TTT、ZTTの8項目)、超音波検査、肝臓専門医による療養相談を行った。後日、採血結果と超音波検査結果とを総合し診断書を作成、受診や治療の必要な受診者には医療機関の受診奨励を行った。
【結果】20年間の受診者総数は、23,733名であり、実人数は13,232名であった。このうちHBVキャリアは2,803名(21.2%)であり、91年から測定したHCV抗体陽性者は、1,430名(20.4%)であった。
基礎肝疾患は慢性肝炎、2,625名(19.8%)、肝硬変761名(5.8%)であった。肝細胞癌は171名(1.3%)発見された。肝細胞癌の年齢は13才からから82才で、平均60才であった。2007年3月から2008年10月の受診者は741名で、情報提供は52名(7.0%)、このうち慢性肝炎の治療での紹介患者数は15名(2.0%)(C型肝炎でのIFN目的が13件、B型肝炎での抗ウイルス薬目的が2件)であった。
ボランテアによる実施の限界もあり今後とも有効な囲い込みと受診者を集めるシステムの確立が重要である。
【結語】ハイリスク群を対象とした肝細胞癌の集団検診は、きわめて有効であった。また、肝癌発症前の療養指導は肝癌の予防に寄与すると思われた。

発表の後、肝がん検診を一緒にはじめた福田先生がはじめた頃の状況を話してくれました。当時は肝硬変の診断のために札幌に患者を集め診断する必要があり、医師会からはクレームがあったりしたことなど苦労話が聞けて良かったです。現在は、地域へ患者さんをお願いする連携が出来るようになっていたので、一層の開業医との連携ができれば、患者の利益につながると思われました。