この間、少量長期で効果的だった患者さんをその後の経過と新たに加わった方を入れて、書いてみました。学会の抄録風の書き方なこともあって読みにくいかなあ。2011.11.30現在
題名
週換算25%以下のインターフェロン少量投与が効果的であったHCVgenotype1b 高ウイルス量以外の慢性肝炎の6例
内容
インターフェロンの少量長期投与による発がん抑制などのデータが蓄積されつつあるが、ウイルスの陰性化を期待して積極的に試みる症例の報告は少ない。今回、我々が経験した、週換算25%以下のインターフェロン少量投与が効果的であったHCVgenotype1b 高ウイルス量以外の慢性肝炎の症例を報告し、同様の治療をされている先生方の参考になれば幸いである。
【症例1】84才女性 genotype 2a IFN開始前 HCVRNA(ハイレンジ法)25KIU/ml小柄な高齢の女性であり、副作用の合併を危惧して、IFNをしない方向で、SNMCの注射を続けていた。しかし、ALTが高値であり肝硬変や肝癌への進展を心配し本人の強い希望あり、2005年7月、PEG-IFNα2aを90μg2週一回で、開始し、4週目には陰性化(アンプリコア法)た。4回の施行で大腸癌で入院となり中断。その後もHCVRNAの陰性化が持続し、SVRとなる。
【症例2】75才女性 肝癌治療後 genotype 2a IFN開始前HCVRNA(ハイレンジ法)100KIU/ml未満
小柄な高齢女性であり、副作用を危惧しIFNをせずに経過を見ていたが、肝癌を3回治療、少しでも再発の機会を減らしたいと、3ヶ月再発がないことを確認し、2007年7月よりPEG-IFNα2a45μgを月1回で開始。2ヶ月目には陰性化していた。一年半の陰性化を確認し2008年9月に終了。その後SVRとなる。
【症例3】72才女性 genotype 2b 2007.6.5肝生検にてCH:A1,F1 IFN開始前HCVRNA(タックマン法)6.4LogIU/ml副作用の少ない治療を希望し、2007年6月から月1回PEG-IFNα2a45μgにて開始、5ヶ月後ALTが改善するもウイルス量は陰性化ならず、90μgに増量、その後SNMCは週1回に減量でき、2009年9月ALTが20前後となりSNMCは中止、効果増加を狙い2週に1回に増量、16ヶ月目ウイルス量は<1.2検出ありまで減った。2011年7月からペガシス135μgに増量として、現在もほとんど副作用無く継続中である。2011年10月より<1.2検出なしを継続中。
【症例4】76歳男性 genotype1b 低ウイルス量 狭心症の合併症があり副作用の少ない治療を希望され、2007年4月から月2回PEG-IFNα2a45μgにて開始、その後えりも町にて継続、2008年12月から90μgに増量し、2009年2月からタックマン法で陰性化。2010年10月終了、SVRとなる。
【症例5】81才男性 genotype 2a IFN開始前 HCVRNA(タックマン法)5.2LogIU/mlインターフェロン療法は年令や体力的にも副作用の少ない治療を希望し、2008年5月から月1回PEG-IFNα2a30μgにて開始、副作用が出現しないことから6月から45μgに増量、9ヶ月目に90μgを試みるもだる身が強いことから45μgにもどし月2回を継続した。ウイルス量は11ヶ月目まで変化なく、5月から減り始めこのときALTも正常化している。14ヶ月目には<1.2検出ありとなった。11月には<1.2検出せずとなり、その後陰性化が継続し肝臓の細胞が入れ替わる期間を十分に過ぎた2011年7月に終了し、10月まで陰性化持続中である。
【症例6】57才女性 genotype 1b 2001年8月肝生検にてCH:A1,F1 IFN開始前HCVRNA(タックマン法)3.9LogIU/ml
副作用の少ない治療を希望され2010年11月から月2回PEG-IFNα2a90μgにて開始、1週目でHCVRNA1.2未満陽性、5週目に陰性化したことから、24週間12回の投与で終了。しかし、5ヶ月後再燃、ウイルス量は2.8LogIU/mlであった。現在再投与を検討中。
【結語】C型慢性肝炎のgenotype1b 高ウイルス量以外の症例で
インターフェロンα2aを用いて週換算25%以下投与にて陰性化もしくは陰性化に向かった症例を経験した。患者の合併症のみならず生活スタイルに合わせた投与方法は患者のQOLの維持にもつながり、今後さらなる工夫が期待される。
題名
週換算25%以下のインターフェロン少量投与が効果的であったHCVgenotype1b 高ウイルス量以外の慢性肝炎の6例
内容
インターフェロンの少量長期投与による発がん抑制などのデータが蓄積されつつあるが、ウイルスの陰性化を期待して積極的に試みる症例の報告は少ない。今回、我々が経験した、週換算25%以下のインターフェロン少量投与が効果的であったHCVgenotype1b 高ウイルス量以外の慢性肝炎の症例を報告し、同様の治療をされている先生方の参考になれば幸いである。
【症例1】84才女性 genotype 2a IFN開始前 HCVRNA(ハイレンジ法)25KIU/ml小柄な高齢の女性であり、副作用の合併を危惧して、IFNをしない方向で、SNMCの注射を続けていた。しかし、ALTが高値であり肝硬変や肝癌への進展を心配し本人の強い希望あり、2005年7月、PEG-IFNα2aを90μg2週一回で、開始し、4週目には陰性化(アンプリコア法)た。4回の施行で大腸癌で入院となり中断。その後もHCVRNAの陰性化が持続し、SVRとなる。
【症例2】75才女性 肝癌治療後 genotype 2a IFN開始前HCVRNA(ハイレンジ法)100KIU/ml未満
小柄な高齢女性であり、副作用を危惧しIFNをせずに経過を見ていたが、肝癌を3回治療、少しでも再発の機会を減らしたいと、3ヶ月再発がないことを確認し、2007年7月よりPEG-IFNα2a45μgを月1回で開始。2ヶ月目には陰性化していた。一年半の陰性化を確認し2008年9月に終了。その後SVRとなる。
【症例3】72才女性 genotype 2b 2007.6.5肝生検にてCH:A1,F1 IFN開始前HCVRNA(タックマン法)6.4LogIU/ml副作用の少ない治療を希望し、2007年6月から月1回PEG-IFNα2a45μgにて開始、5ヶ月後ALTが改善するもウイルス量は陰性化ならず、90μgに増量、その後SNMCは週1回に減量でき、2009年9月ALTが20前後となりSNMCは中止、効果増加を狙い2週に1回に増量、16ヶ月目ウイルス量は<1.2検出ありまで減った。2011年7月からペガシス135μgに増量として、現在もほとんど副作用無く継続中である。2011年10月より<1.2検出なしを継続中。
【症例4】76歳男性 genotype1b 低ウイルス量 狭心症の合併症があり副作用の少ない治療を希望され、2007年4月から月2回PEG-IFNα2a45μgにて開始、その後えりも町にて継続、2008年12月から90μgに増量し、2009年2月からタックマン法で陰性化。2010年10月終了、SVRとなる。
【症例5】81才男性 genotype 2a IFN開始前 HCVRNA(タックマン法)5.2LogIU/mlインターフェロン療法は年令や体力的にも副作用の少ない治療を希望し、2008年5月から月1回PEG-IFNα2a30μgにて開始、副作用が出現しないことから6月から45μgに増量、9ヶ月目に90μgを試みるもだる身が強いことから45μgにもどし月2回を継続した。ウイルス量は11ヶ月目まで変化なく、5月から減り始めこのときALTも正常化している。14ヶ月目には<1.2検出ありとなった。11月には<1.2検出せずとなり、その後陰性化が継続し肝臓の細胞が入れ替わる期間を十分に過ぎた2011年7月に終了し、10月まで陰性化持続中である。
【症例6】57才女性 genotype 1b 2001年8月肝生検にてCH:A1,F1 IFN開始前HCVRNA(タックマン法)3.9LogIU/ml
副作用の少ない治療を希望され2010年11月から月2回PEG-IFNα2a90μgにて開始、1週目でHCVRNA1.2未満陽性、5週目に陰性化したことから、24週間12回の投与で終了。しかし、5ヶ月後再燃、ウイルス量は2.8LogIU/mlであった。現在再投与を検討中。
【結語】C型慢性肝炎のgenotype1b 高ウイルス量以外の症例で
インターフェロンα2aを用いて週換算25%以下投与にて陰性化もしくは陰性化に向かった症例を経験した。患者の合併症のみならず生活スタイルに合わせた投与方法は患者のQOLの維持にもつながり、今後さらなる工夫が期待される。