こんにちは、医師&医療経済ジャーナリストの森田です。
今回は衝撃のレポートをお伝えいたします。
タイトル通り、
厚労省が公式データ修正→「ワクチン有効」は嘘でした
という内容です。
まずは手っ取り早く、キモのグラフからご紹介します。
データ修正前はこのように、きれいにワクチン接種による感染予防効果が確認出来ていました。
ワクチンを打てば打つほど、感染者は減っていますね。
これを見れば、
「ワクチンは打っておいたほうが良さそう!」
と言う感想になるのは当たり前です。
そして国も、こうしたデータを元にコロナワクチンは
「感染(発症)予防に効果あり」
と新聞広告を出していましたし、報道各社もそのように報道していました。
忽那先生もこちらの記事で、この厚労省のデータを元に「ある程度感染を防ぐ」とされています。
熊谷千葉県知事もこうしたデータを元に、こんなツイートをされています。
ということなのですが…なんと!このデータが「インチキ」だったと、厚労省が正式に公表したのです。
厚労省は毎週、ワクチンに関するデータを公開するのですが、さる5月11日の発表から重大なデータ修正。
で、その結果がこちら。
拡大してみましょう。
データ修正のあと、突如として水色の「未接種(の陽性者数)」が半分以下になっています。
そして、「未接種(の陽性者)」が半分以下になったせいで、「2回接種(の陽性者)よりも少なくなってしまいました。
これはつまり、2回接種した人のほうが、未接種の人より、人口10万人あたりの陽性者数が多い、ということ。
え?
ワクチン接種者のほうがコロナに感染しやすいってこと?
微妙な差ですが、このグラフからはそういうことが読み取れます。
しかし衝撃ですね。
これまで国は、ワクチン接種を国民に対して強く推奨しています。
子どもに至ってはコロナでの重症・死亡例がほとんどないにもかかわらず(つまり子どもにとってはインフルエンザ以下の疾患)…、政府は子どもたちにまで声高に「接種をご検討ください」
と言っているのです。
それなのに、
ワクチンを2回接種しても現時点では未接種者とほぼ変わらないか、高齢者は感染しやすくなってるかも…
というデータが今回正式に出てしまったのです。
実はこのような傾向はイギリスやスウェーデンなど、国がしっかりした統計を公表している国ではすでに見られていた傾向でした。
でも日本の厚労省は公式発表では前述の通り、「ワクチン接種者」はやはり感染しにくい、と言っていたのですね。
本当かな?と思いつつも、まあ、今回のコロナは国ごとに感染者数も死者数もまちまちなので、そういうこともあるかな、と思っていました、そんななかSNSを中心に、
発生届の接種歴「未記入」が怪しい…
データに不備がありそうだ…
と話題が盛り上がりまして、その結果今回、
厚労省がデータの間違いを正式に発表
ということになったのです。
どんな間違いだったのかと言うと…
今回発表のデータの下の方の注釈欄に、小さ〜くこう書いてあるんですね。
簡単に言うと、
医師から提出される検査陽性者一人ひとりの「新型コロナウイルス感染症、発生届」には、ワクチン接種歴を書く欄があるのですが、全ての発生届のうち2〜3割は「未記入」だったそうです。その「未記入」の例を全て「未接種」に分類していたというのです。
僕も新型コロナの診療に携わっております(高齢者施設のクラスター対応もしました)ので、現場の医師の気持は良く分かります。
正直なところ
コロナ陽性が判明した患者さんに対しては「これからの治療」に全精力を傾けるので、その人がワクチン接種してたかどうかはそこまで重要ではない
のです。
もちろん、国の統計という意味ではワクチン接種歴は重要かもしれませんが、現場感覚としては2〜3割が「未記入」というのは「そんなところかな」という感じです。緊迫した現場で、そこまで余裕のある医師はそう多くはないのでしょう。
ただ、医師が「未記入」で提出した患者さんははあくまでも「未記入」であってその患者さんが「未接種」だったということではありません。8割の国民がワクチン接種をしているのですから、「未記入」の中にはワクチンを接種されていた方もかなりの割合で含まれていたであろうことは容易に想像がつきます。
これをそのまま「未接種(の陽性者)」のグラフにぽんと上乗せして計上してしまうと言うのは…はっきり言ってありえないですね。
ということで、2〜3割の「未記入」がそのまま「未接種(の陽性者)」に計上されていたのが、こちらのグラフで、
データの「ウソ」がバレそうになって公式に修正した後のグラフがこちら、
というわけです。
…国民は、「ワクチンは有効」というデータを見せられ続け、それでワクチンを打った人も多かったでしょう。
でも、そのデータが「ウソでした」…なんて
ゴメンでは済まされない!
ですよね。
ここは多くの国民が怒っていいところ(怒るべきところ)だと思います。
本当に呆れてものが言えません…。
もうモノが言えないのでここで終わりにします(T_T)
以上、「厚労省が公式データ修正→「ワクチン有効」は嘘でした…の衝撃」でした。
(補足)
なお、今回提示したグラフは40歳−64歳までの年代ものでした。その他の年代では、こうなります。
若い世代では「2回接種」の方が「未接種」より陽性者が少しだけ減っていますね。ただ、40代以降ではそれが逆転しています。
元の資料には10歳ごとのデータが載っていて、各年代ごとにその結果はまちまちですが、まあ、一言でおおまかに言ってしまえば、未接種と2回接種者では人口あたりの陽性者数はほぼ変わらない(若い世代ではワクチンの有効性が保たれてるけど、高齢になるに従ってその効果が薄れ逆転してきてしまっている)というところでしょうか。
また、3回目の効果については各年代、さすがに「3回接種」の人たちの中での検査陽性者は少ないようですが、年代によってはそれさえ逆転していることもあります。
以下は、65−69歳の4月25−5月1日まで(現在得られる最新のデータ)ですが、10万人あたりで未接種で検査陽性になった人より3回接種したのに陽性になった人の方が多くなってしまっています。
やはり、イギリス・スウェーデンと同じく日本でもワクチンの効果は減弱してきているのでしょうね。
もちろん、接種してすぐの時期(昨年の夏〜秋くらい)は効果が高かったのかもしれません。ただ、その時期のデータも全て「ウソ」だったわけですから、それすら検証のしようがない…というのが本当のところです。
注:この記事は投げ銭形式です。
医療は誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」、
と思っていますので医療情報は基本的に無償で提供いたします。
でも投げ銭は大歓迎!\(^o^)/
いつも一人で原稿を書いているので、
皆様の投げ銭から大いなる勇気を頂いております!
ありがとうございますm(_ _)m
*今回の記事はTwitterの中の皆さんでデータ提供・分析・考察を行いました。特にデータをエクセルでご提供いただきました、満月たまご@baby_kamexさん、ネオになるよパトラッシュ:未接種済@hrtk4141さん、ありがとうございました!(^^)
2022年8月21日 Kawanishi追記 新型コロナウイルスワクチンについては効果があることが現場では実感されています。
この記事を読んで単純にワクチンの有効性がないんじゃない?と受けとる方が多いかと思います。でも、接種する人の比率が多い中で、その人達が交じって生活していると以下のようなことが起きているので単純に比較すると効果を見誤ることがわかります。以下の計算を読んでみるとわかりやすいかも。
実際の新型コロナウイルス対応をしてるデータでは、重症化や死亡者が減っていること、重症化する人にワクチンの未接種者がほとんどとなっている現状があるそうです。コロナ対応をしてる人達から聞くと確かにそうなっているので、新型コロナウイルスワクチンについては効果があることを忘れないようにしていきたいと思います。アレルギーや不安などいろんな状況で接種をしない方がいるのも大切な選択ではありますが、くれぐれもワクチンに効果がないという意味ではないこと。ワクチン接種後の影響がまだ分からない部分があることなどはありますが、現時点でそのおかげでいろんなメリットも発生していることを忘れないでほしいと思いました。
900人の紅組と100人の白組が体育館で走り回っています。
外から目隠しして青ペンキ塗り立てのボールを投げ込むと、
当たり前のように紅組さんに青い色が付く確率が高くなります。
特殊なペンキなのでボールは、必ず人に当たり、且つ、当たった人にしか色がつきません。
20個の青玉を投げ込むと赤組さんが18人、白組さんは2人の割合になると思いますよね。単純計算で10倍ほど赤組さんに色が付いた人が多いはずです。
ところが、結果がおかしいのです。なんと、赤組さんが9人、白組さんが2人でした。確かに人数の多い赤組さんにペンキが付いた人が多いには多いのですが、どうしたらこんな差になるでしょうか。
何と赤組さんの90人は、50%ほど青ペンキが付きにくくなるビブス(ゼッケンなどをつける服)を着用していたのでした。
青ペンキが付く確率は、赤組さん 900人中 9人で 1% 、白組さん 100人中2人で 2% でした。実人数では、赤組9が白組2の4倍以上、
しかも%では、たった1%しか白組が多くありません。
もし、赤組500人、白組500人なら、青ペンキは、赤組5人、白組10人でビブスの50%効果が直感的に理解しやすくなると思いませんか。
これに青ペンキが付いた人から周囲6人に紫ペンキがくっつくようにすると、青ペンキ1人から 赤組:白組 が 9 : 1 の割合で紫色を浴びる計算になります。青ペンキ11人から紫ペンキを浴びるのは 66人。赤組が 60人、白組が6人くらいになるでしょうか。
赤組でペンキの付くのは青9紫60で約 70人、白組は青2紫6で約 8人あっという間に赤組のペンキ付きの人数は白組の10倍でその割合は、赤組 8% 弱、白組は 8%で差が無くなってしまいました。
まして、赤組と白組の人数比を考慮しないと赤組の青ペンキ人数は白組の9倍になってしまいます。
(ちなみに、青ペンキを防ぐビブスがないと赤組と白組を合わせて20人が青ペンキになり 120人が紫ペンキになってしまいます。
青と紫で140人です。紫からさらに緑ペンキが広がるとすると青、紫、緑の総計はビブスの有無でもっと大きな差を生んでしまいます。)
「青ペンキ1人から 赤組:白組 が 9 : 1 の割合で紫色を浴びる計算」は、90%を占める赤組さんが周囲にいることで、白組さんがペンキに接触する機会が極端に低くなることを意味しています。
このため大多数がワクチン接種を受けていると非ワクチン接種者を守る効果が高くなります。つまり、発熱など不利益がある選択をしたワクチン接種者は、自身と集団を守る行為をしたことになり、特別の事情無くワクチン接種を拒む非ワクチン接種者は、悪く言うと接種者の行為に「タダ乗り、フリーライド」することになります。
上記のパラメーターを少し操作すると接種者と非接種者の人口当たりの感染者数を逆転させることは容易にできてしまいますし、実際に起こっています。
それを根拠にワクチン接種に意味がないとする人が出てきちゃうのですが。構成する集団の内容で解釈が変わってしまうことを忘れないで行きましょう。