第二回肝臓勉強会 してきましたー。
今回は、
慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド(2013)1,260円(税込)
著者/編集:日本肝臓学会 出版社:文光堂
の
B型肝炎、C型肝炎の概要ってことで
テキストの2ページ目から4ページ、22ページから24ページ中まで
今回の範囲は、難しいところがたくさんありました。なので、ここ飛ばしていいですよーっていってるところがたくさんありますが、参考になれば幸いです。テキスト
なくても読んで見ると少し勉強になるかと思います。
2ページ
1 B型慢性肝炎の概要
1.はじめに
B型肝炎ウイルスの感染状態を表す表現がいっぱい有ります。これはそのとき時の分かっている内容でも変わります。
急性肝炎、無症候性キャリア、慢性肝炎、肝硬変、肝発がん、潜伏感染・再活性化など。。。
どの状態もつながっている時期の事が有るのでつながりがある物ととらえて下さい。
ウイルスの活動性が持続して、体が排除しようとすることで慢性肝炎となる。
2.B型肝炎ウイルスとその感染
ここでは、ウイルスの分類が紹介されています。細菌学とかで勉強する内容がかいていますが、B型肝炎ウイルスはDNAが遺伝子のウイルスで、C型肝炎はRNAが
遺伝子のウイルスとだけ覚えていただければ十分です。
さらに勉強される方は、cccDNAとかの話がかいていますが非常に専門的な話なので患者さんはむずかしいのねえで飛ばしましょう。
図1で右側にある球形粒子、管状粒子というのは、ウイルスが増殖するときにできる使わなかったウイルスの殻で、それがs抗原となります。
HBV感染者は世界人口の3分の1(22億人)います。治った人も含めてです。この話を聞いてみんなびっくりしていました。知られてないんですよね。このうち
3億5千万人がキャリアで、その75%が東南アジア及び西大西洋に住んでいるのです。このことから、B型肝炎ウイルスのワクチンが地球規模で必要だという意義が
伝わるかなと思います。日本に人の出入りがないのであれば必要ないワクチンですが、これから国際化を考えると国民を守るという意味が強くなってきています。
日本では、130万から150万人と推定されている。
HBVキャリアの主な感染経路は、母児管感染と幼少時の水平感染である(これは世界的に見て)。日本では1986年からB型肝炎母子感染防止事業が始まったの
で、国民のキャリア率はきわめて低いです。
この辺に予防接種などの医療行為での感染がかかれて欲しいところですがこのガイドラインには記載はないです。
成人で感染すると急性肝炎で治るが、キャリア化もすることがある。ゲノタイプAが強調されているが、頻度としては少ないが他の型でもあり得る。
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3.診断と病態の把握
B型肝炎の持続感染の診断としてはs抗原が用いられるが、記載はないですが、s抗原が陰性でもHBc抗体が陽性の場合はキャリアと判断して経過を診ることが大切
です。また、治ってs抗体が陽性でも免疫抑制が起こる状態では再度発症することがあります。
HBVキャリアでは家族の感染がないかを確認することが重要。
自然経過では、各種採血検査、免疫状態から、免疫寛容期、免疫排除期、免疫監視期などの病気に分類されますが、これも、あまり覚えておく必要なないです。治って
いく過程での呼び名があるんだなあくらいでいいです。
4.治療の対象と目標
現在、B型肝炎ウイルスを完全に排除することは難しく、現在の治療目標はウイルスが増えないように維持することです。
しかし、現行の治療でs抗原が陰性化して、s抗体ができて治ってきている方がどんどん報告されてきています。
治療のDNA量での目安は、e抗原陽性なら5,e抗原陰性なら4,肝硬変では3log copy/ml未満としています。
HBVキャリアの約90%は自然経過でe抗原からe抗体陽性のセロコンバージョンを起こして、DNA量も低下してきます。さらに肝炎が沈静化が継続して非活動性
キャリアとなり予後がよく治療も必要としないです。
肝炎の発症後もDNA量が低下せず肝炎が持続する症例では進行して肝硬変や肝がんとなる危険性があるから積極的な治療が必要となります。
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1 C型慢性肝炎の概要
1.C型慢性肝炎とは?
C型肝炎ウイルス(HCV)により持続的な炎症を起こす病気です。
HCVが感染している人ではほとんどが肝臓の組織を見ると肝炎を伴っている。(ここがB型肝炎とことなります)
肝細胞が壊れて治ってを繰り返し肝硬変へと進行します。
肝がんを合併しやすい。いろんな作用によると言われている。
ALTが正常な場合を無症候性キャリアと呼ばれる。しかし、肝硬変や肝がんが出ていることもありきちんと受診して診なくてはいけない。
状態を把握して方針を決めておくことが重要です。
2.診断の流れ
持続する肝機能障害がある場合、C型肝炎を疑いHCV抗体検査を行うとかいていますが、肝障害がなくてもウイルス肝炎検査は1度は受ける必要があります。
HCV抗体が陽性となったらHCVRNA検査をする。RNA陽性ならウイルス量と血清型を測定(ゲノタイプが測れるようになってくれたらいいのに)、抗体陽性で
HCVRNA陰性なら治ったと考えられる。このHCV抗体陽性は、インターフェロン後ウイルス消えていていても要請となるために健診やドックでHCV抗体陽性と
言われてびっくりして受診される方もいます。心配ないパターンがあることも是非覚えておいて下さい。
肝線維化の程度は治療のタイミングをみて行くためにも重要で肝生検をせずに判別式やフィブロスキャンの測定も今はされるようになってきています。
3.治療の流れ
治療の目標はウイルスの排除と進行の防止です。
ウイルス排除については、インターフェロンが不可欠となっていて、ウイルスの血清型や量で治療効果を予測します。健康保険の適応のない検査もありますが、早く保
険適応になって欲しいところです。ただ、効果がないという判定になる人の中にも効果がある人がいるので、副作用が少ないのであればまずは治療して効果を見ること
が一番確実です。効果がないと言われているなら、逆に副作用が出たならすぐやめるって言うのもありだと思います。
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2 検査・診断
1.疫学
日本では、約150万から200万人が感染していると考えられる。慢性肝疾患の7割がC型肝炎による。図1がテキストにあります。
2.診断にあたって
①病歴 輸血や、手術歴を確認、病院などでの静脈注射歴も大事だけどそこはかいていない。
刺青や静脈注射(麻薬など)、ピアスの穴あけでも感染する人がいるが、この聴取には配慮が必要です。
ほとんどは医療行為での感染なのですが、こう言ったことにかかわったことはありませんかというように。
夫婦間、母子感染も少ないがあり得る。
②自覚症状 ないことが多い、治療してウイルスがいなくなった後に気づく人もいる。元気になって前がだるかったんだという感じ。
肝硬変で進行した状態でいろんな症状が出る。そうなる前の患者さんがたくさん。
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③身体所見 肝腫大は見られることもあるが、身体所見はほとんど見られない。
肝硬変の進行した状態では、黄疸腹水などもあり得る。テキストに詳細あり。
肝臓以外にでる症状としては、皮疹や口の中の扁平苔癬というのもある。
3.検査を進めるにあたって
何度もかかれていることですが自覚症状も身体症状もほとんどないので、血液検査が重要となります。
肝障害を診断する上では、ウイルス性以外にも薬害、アルコール、脂肪肝関連、自己免疫、胆道系のチェックも重要となります。
次回は、4ページからと24ページの中くらいからです。
内容は、B型肝炎の検査と診断、C型肝炎の一般臨床検査成績からです。
9月17日火曜日 午後1時から かでる2・7 750研修室で行います。