肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

週換算6%のインターフェロンで陰性化した 76歳 C型肝硬変 1b 高ウイルス量

2011年12月28日 | インターフェロンの少量長期や高齢者治療

肝硬変症(C型)genotype1b 100から200k(2007年1月)76歳女性
1993.4.9腹腔鏡検査にて島田分類510番地、肝硬変と診断。
2007.1.10ペガシス90にて月1回施行うつ気味となり3ヶ月目(2007年4月)で中止5月採血にてウイルス量9.9kであった、このときS5 14mm 肝癌認め加療。6ヶ月目(2007年7月)からペガシス45で再開、27ヶ月目(2009年4月)にもS6 4cm 肝癌認め一時中断し加療後、29ヶ月目(2009年6月)再開継続した、37ヶ月目(2010年2月)陰性化するも、43ヶ月目(2010年8月)に5.5LogIU/mlその後44ヶ月目(2010年9月)から陰性化持続52ヶ月目(2011年5月)が41回目の最終からウイルスでていない。

高ウイルス量と言っても、少ない方の高ウイルス量ですが、副作用も少なく、とても少ない量で陰性化できたのでよかったと喜んでいました。

肝がん治療後少量長期インターフェロン 75才女性

2011年12月28日 | インターフェロンの少量長期や高齢者治療

この患者さんは、肝がんが見つかり、ラジオ波焼灼術、肝動脈注入療法を繰り返した患者さんでした。C型肝炎ウイルスの型と量はインターフェロンがとても聞きやすいタイプだったので、最初の肝がんの治療後、インターフェロン療法を勧めましたが、年齢と体力的に自信がないので、受けたくないと言っていた方でした。2010-02-19更新後 2011-12-28

さすがに3回めの肝がんを治療して、もう肝がんが少しでも出来なくなるようにやってみたいと言うようになり、インターフェロンを検討しました。

副作用が出ないようにしたいという希望から、本来ペガシス180週一回、24回で治るだろうと思われたかたでしたが、4分の一の45の月1回の通院ペースで開始しました。徐々に増やしていくことも検討しようと思っていましたが、3回目のインターフェロン2ヶ月目の採血で陰性化、一年半の陰性化が持続できれば消える可能性が有るからとそのご18回インターフェロンをして終了としました。副作用もほとんど無かったので、これなら続けられるからとがんばりました。量が少ないので、再発したらもう一度続けましょうと言うことでやめましたが、うまく陰性化することが出来ました。

週一回の投与半年よりも、普通に通院する月1回ペースで治療が出来て患者さんの負担がとても少なくできたことはよかったと思います。肝がんの治療後、高齢者であっても、やってみてうまく行くなら続けましょうということも、ありなんだなあと思った患者さんでした。

スライドを新しく作り直してみました。

第26回北海道中学校バスケットボール新人大会南大会

2011年12月23日 | その他

22日木曜日に出発して、23日金から25日日まで、中学校バスケットボールの新人大会南大会に行っています。来るときから吹雪になって道内大荒れ、応援の家族もぎりぎりで間に合う人、第2試合で間に合った人などいろいろでしたが、無事、23日は二試合に勝って決勝トーナメントに進出することが出来ました。
子供たち頑張っていて、感動しまくりでした。
私も大声で応援、声は枯れないような出し方が出来るようになってきたなあ。でも、応援中、あちこちから振返られる視線は感じています。でも恥ずかしがってはいられません、子供たちの気持を盛り上げるためにも出し続けなきゃって思っています。大学時代に鍛えた応援ののどは、気合いを入れるためにはとっても役に立っています。あは。

クリスマス会 ありました

2011年12月20日 | 歌の集い

12月20日ですが、院内のクリスマス会を行いました。
いつもより少し早いので入院患者さんが多かったかなあ。30人くらいの参加で、カラオケも4人の方が歌ってくれました。時間の都合で、リハビリの三好先生とのコラボが減っちゃったのが残念ですが、次回はもっとたくさんの曲を披露したいと思いますー。
青い山脈を省略しようとしたら、青い山脈はーっていわれて、やはり、外せないのねえと思って歌いました。楽しかったです。
今年は、白衣の天使が一緒に参加してくれて、患者さんも大喜びでした。
写真は、白衣の天使と共に青い山脈ときよしこの夜を歌っているステージ風景です。

岩見沢 小樽 医療講演終了

2011年12月12日 | 医療講演やイベント

天気が悪くなりそうだったので早めに出発して、岩見沢に着く頃には猛吹雪、高速道路も到着する頃には通行止めで、降りる頃にはここででよって、道路の電光掲示版にのっていました。前もほとんど見えなくてこわかったあー。
で、会場に着いた頃には晴れはじめ、この天候で何人集まるかなあって不安でしたが20人くらい集まってくれてよかったと安心しました。
小樽の会場への移動も天候が荒れて吹雪きでしたが、こちらも20人くらい集まってくれて、みんな、聞いてよかったわかりやすかったと感想を言ってくれていたのでよかったです。
今回からはB型肝炎が治る時代へ向かっているという内容とC型肝炎のテラビックの話が加わり、またちょっとあたらしい講演会の内容になりました。
肝炎問題が、日本全体で解決しなくてはいけない問題であること、国民が誰がなってもおかしくない状況で不幸にしてかかった国民がたくさんいることを知った上で、安心して治療に専念できる環境が出来ることが必要なことなど繰り返し話してきました。

写真は、岩見沢の会場から見た空です。雪がしんしんと降ってきているところなんですけどわかるかなあ。

 会場内の写真は以下です。上が岩見沢で下が小樽です。
 

雪で通行止めになる前の高速道路

2011年12月12日 | 花、植物、風景

岩見沢に向かう途中高速道路で吹雪きに遭遇、前の車が見えなくなってガードレールを頼りに走るって状態でした。高速の出口をでて、ネットで道路状況確認したら、この付近一帯が通行止め。ひえー、講演会に間に合うように早く出てきてよかったと思った瞬間でした。

テラビックの勉強会行ってきました

2011年12月04日 | 学会研究会報告新聞記事など

2011年11月28日から使えることになったテラビックの勉強会に行ってきました。虎の門の熊田先生が話をしてくれて、皮膚症状の対応の仕方、虎の門では皮膚症状での中止をしないで済んだという対応の仕方を紹介してくれていてとても参考になりました。
開始時の量も、女性ではちょっと少なめにとか、AFPを考えると効果予測がしやすいとか臨床にそった投与方法が話されて、これなら何とかなるなって思えるようになりました。

耐性ウイルスについては、2年たつと検査上はいなくなっていると言うことで、そんなに心配しなくても良さそうだという話だったみたいだけど、ペグリバをその後使うことで消えている患者さんの例も示してくれて、この辺は十分対応可能なようでした。

遺伝子検査については、効果のあった人無かった人はこういう人だったという分析には意味があるけど、治療前に予測するには、まだ使いたいと思えるレベルじゃないなあ。
それにしても1カ月投与で中止しても消えている人や短期間での投与でも消えている人がいるってことは、ウイルスの消失、感染した肝臓細胞の消失がかなり出来る薬であることは間違いないんだなと思えました。
一ヶ月おきに投与したりするのも、患者さんが楽に出来る投与法になるのかなと思ったり、これからのさじ加減の報告が楽しみな薬でもあるなと思えました。

写真は名古屋のホテルからの朝焼けです。

週換算6.25%以下のインターフェロン少量投与が効果的であったHCVgenotype1b 高ウイルス量の1例

2011年12月03日 | インターフェロンの少量長期や高齢者治療
学会の抄録風に書いています。HCVのgenotype1bにしては高ウイルスの中では量が少ない人でしたが、月一回で陰性化された方なので、治療の反応性をみて治療することが有用だという1例になればと思います。

インターフェロンの少量長期投与による発がん抑制などのデータが蓄積されつつあるが,ウイルスの陰性化を期待して積極的に試みる症例の報告は少ない.今回,我々が経験した,週換算6.25%以下のインターフェロン少量投与が効果的であったHCVgenotype1b 高ウイルス量の肝癌合併C型肝炎の症例を報告したい.同様の治療をされている先生方の参考になれば幸いである.
【症例】76才女性 genotype 1b IFN開始前 HCVRNA(ハイレンジ法)100から200KIU/ml1993年4月 腹腔鏡検査にてC型肝炎と診断。PEG-IFNα2a が保険適応となり,副作用が少なくても進行や発がん抑制の可能性を期待して副作用少ないIFN治療を希望された.
2007年1月PEG-IFNα2a 90μgにて月1回施行,その後うつ気味となり2007年4月で中止.しかし2007年5月にはHCVRNA9.9KIU/mlと減少していたことから,PEG-IFNα2aの抗ウイルス効果が期待できると思われた.しかし同時期S5 14mm 肝癌認め加療.肝癌の再発抑制を期待し,2007年7月から再度PEG-IFNα2aを検討.再開時はうつ状態が出現しないよう,前回の半分のPEG-IFNα2a 45μgで再開した.その後さらに2009年4月にもS6 4cm 肝癌認め一時中断し加療後,再開継続.2010年2月にHCVRNAが陰性化し始めた.2010年8月に5.5LogIU/mlとなるも,その後2010年9月から陰性化持続.2011年5月のうつ状態が出現し41回目で中止.その後ウイルスはでていない.2011年11月にはSVRとなったか確認できる予定である.
【結語】HCVgenotype1b 高ウイルス量の肝癌合併C型肝炎の症例でPEG-IFNα2aの週換算6.25%以下投与にてHCVRNAの陰性化に向かった症例を経験した.患者の合併症のみならず生活スタイルに合わせた投与方法は患者のQOLの維持にもつながり,さらなる効果的な治療を見いだしたい.