ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

ケヤキの水屋箪笥

2021年12月12日 | 木工
ケヤキ材の拭き漆仕上げの水屋箪笥です。








間口160cm、高さ180cm、奥行き45cm。
上台と下台はどちらも高さは同じ90cmです。

棚板の一部を除いて総ケヤキ造りです。いえ、裏板はあえて合板ですが、突板を貼ったものを注文して使っています。







引出しと扉の取っ手は黒檀で作りました。


引き違い扉は下溝レールの戸車ではなく、上吊のレールを使っています。

上吊レールだとレールにゴミがたまることも敷居が減ることもなく、音も静かで地震で外れることもありません。





仮組をした時の写真です。


この様な構造は「框組」といいます。

私がよく作る家具は「箱組」とでも呼べばよいのでしょうか?


「箱組」は文字通り、板で箱の様な構造を作って強度を出し、木の動きをいなします。

「框組」は角材で骨を作り、薄い板を嵌めて家具を作ります。

確か英語では‘flame and panel ‘と言ったかな、この方が意味がわかりますね。「枠と板」です。

框組の家具の方が木の動きの影響は少ないです。

設計や工作は難しく部品点数も増え、コスト高になります。

また、塗装は部品で塗ってからの組み立てになります。


デザイン的には線が多くなります。これをどう感じるかはお客様次第です。