山桜の開花が山をだんだんと登っていきます。
今日の夕方、月蝕だということで楽しみにしていたのですが、
なにしろ谷間に住んでいるので、月が上った七時半にはもう月蝕は終わってしまっていました、、、
月の上に火星が光っています。
お客様と材の値段の話をしたので、ここでもその話に触れます。
乾燥材を業者から買う場合、材木は体積当たりいくら、という単価で取引されます。
今ではほとんど立米(1m×1m×1m)ですが、
たまには日本の尺貫法、石(こく)の場合もあります。
ちなみに「石」は10尺×1尺×1尺で、
ざっとメートル法に換算すると3m×0.3m×0.3mで約0.27立米となり、1立米は3.6石くらいになります。
立米いくら、と単価が示されますので、買う時の目安になります。
私が普段使う国産材ですと15万円~25万円/立米くらい。
高いものでウォールナットが70万円くらいです。
世の中にはもっと高い材はいくらでもあります。
いままで金額を訊いたもので高かったのがチークの200万(?)とか。
一枚板は時価になります。
さて、ウォールナットを使う仕事の話がありました。
このウォールナットとはアメリカ産の黒いクルミで、その色味の美しさで人気がある材です。
一年ほど前に借り入れをしてちょっと多めに仕入れた物がありますが、
その板は55mmと60mm厚で、今回の仕事に厚すぎます。
そこで34mmの板を新に買いました。
この板は単価が70万円のウォールナット。
四角い板に加工されていて、シラタがほとんどありません。
シラタとは樹木の皮に近い部位で、色が白いのでウォールナットの場合はほとんど使い物になりません。
この板が新たに買った板です。
単価は36万円。
このように両側に使えないシラタがあります。
使えないシラタもしっかり測られて請求に入ってきます。
この板の場合、書かれている「27」(27cmの幅の意)に対して実際に使える幅は21cmしかありません。
白い鉛筆で描いた矢印がその使える21㎝です。
別に業者を責めているわけではありません。
これが業界の慣習なのです。
シラタを除いて計測してくれる材木屋などどこにもありません。
木は自然の物なのでいろいろなものがあります。
たまさかシラタの薄い板が買えると、それは大変な「儲け」になります。
ですから丸太を買うときにはシラタの少ない丸太をなるべく買います。
今回届いた板を、上記の様に計測されて請求書のもとになる数字と
シラタを除いた実際に使える幅を計った数字を比べてみました。
実際は長さもバラバラですが、それは考えないでおきます。
幅は長さの中央で図るのが決まりです。
左が材木屋が測ったもの、右が私が測ったもの。
24-20
23-23
26-20
27-21
28-17
29-21
21-18
17-13
合計 195-153
約78%に目減りしてしまいました。
単価にすると36万円でなく46万円になってしまいます。
さらにこの板を作るものの形に切り、さらにさらに厚みをそろえたりするので、
製品になるものは本の体積の半分くらいかもしれません。
これは純粋に損得問題なので、常に無駄がなるべく出ないように心を砕いてはいます。
一点仕上がったものをご紹介します。
小引き出し。材はセン。
前板、側板から天板の板は一枚の板から作っています。
ツマミはウォールナット。
このツマミの様に、小さい材になるまで使い倒します。