催事が終わりました。
野外展でしたので、雨に降られてしまいさんざんでした。
その後も雨続きで、一週間後にやっとテントをしまうことができました。
用事が一つすんだ自分へのご褒美に、気になっていた博物館などに出かけてきました。
といっても仕事の研修的な小旅行です。
鉄道博物館。
鉄道博物館は楽しいところで、ここだけでも一日いられそうです。いろいろな展示物に結構興奮してしまいましたが、ここは木工屋らしく、鉄道のことはその筋のファンに譲り、木に関することだけをお話しすることにします。
先日人間国宝になった須田賢司氏の「木工藝 清雅を標に」に、指物師が島桑を使って内装を手掛けた御料車が鉄道博物館にあるということを知り、ぜひとも見てみたいと前々から思っていたので出かけました。
簡単にご説明すれば、御料車とは天皇のために作られた列車や自動車のことで、これを大正時代の超絶技巧の工芸家集団が最高の材を使って仕立てたものがあるというです。
しかし、意気盛んに来てみると御料車はガラス張りの展示スペースの中にあり、さらに当然列車の窓にもガラスが嵌っているので、車内は二重のガラスを隔てて数メートル遠くから眺められるだけという、かなり悲しい状態での見学となりました。
ガラスにピントがいってしまう。
でもいかに近くに寄れなくとも、その優雅な雰囲気が伝わります。
木工だけでなく漆工染織金工などあらゆる大正、昭和初期の工芸家の技量とセンスの良さを感じました。
過剰な加飾に偏らず、絶妙な線や面の構成や色の組み合わせが何とも品良く感じます。
ヨーロッパの物はやたら曲線がぐねぐねして金ぴかだったりするのに対し、
日本の物は直線基調で凛とした気品があります。
身びいきでしょうか?
壁沿いに長くある御料車の展示スペースの前を何度もうろうろしてしまいました。
遠足の子供たちはここには見向きもしませんねえ。
館内を見て回ると、驚いたことにというか当たり前というべきか、初期の列車は木でできていたのですね。
座席、壁、床、ひじ掛けなどは木製。
木で出来ていると落ち着く、と思うのも身びいきでしょうか?
メーテルが座ってそうなどと思ってしまいました。
さすがにこんな古い車両に私は実際には乗ったことがありません。
でも始めて東京に来た時に、丸ノ内線の床が木製だったので驚いた覚えがあります。
この車両などはもう見るからに木でできてます。
これは模型です。
木造家屋と変わらん。
木製車両のカットモデル。
私にも作れそうです。
これは軌道はあるものの、人が押して動かしたものらしい。
かように昔はなんでも木で出来ていたのかと、感慨無量です。
でも飛行機も、自動車も、船も最初は木で作られていたんですよね。
そしてそれを作った多くの木の職人がいた時代があったんだなあと。
斜陽産業にあえて身を投じながらもその衰退に目を覆いたくなる私はいろいろ思いを馳せてしまいました。
さて、もう一件。遠山記念館へ。
やはり「和家具 別冊太陽」を読んでいると多くの逸品に「遠山記念館 蔵」とあるので遠山記念館を知りました。
前田南斉という大正、昭和初期の指物師の作品を多く所蔵しているようです。見ることができるかもしれないと、期待が膨らみます。
見てみたいものがちょうど企画展に出ていることを知り出かけました。
立派な門構え。
幅が4尺を超える門の欅の板に驚いて写真を撮りました。
これが見たかった猫の手あぶり。仁阿弥道八という江戸後期の作者の物です。
これは南米の焼き物、カエル。
ペルー、ナスカ文明。
日本の工芸もいいがやはりこういうセンスは僕らにはないなあ、いいなあと思うことしきり。
美術館を見てから屋敷に入りましたが、こちらこそ圧倒的で、すっかり写真を撮るのも忘れてしまうほど見入ってしまいました。
ご興味がある方はこんな動画でもご覧ください。→★
まず私のような木人間には建具や内装に使われている数々の銘木に圧倒されます。
これほどの材を集めるのにはどれほどの財と労力がかかったのでしょうか。銘木の見本館です。
また、それらを品よくまとめるセンスと技量もすごいです。
経年変化までも計算されているように思えます。
私には知識がありませんが、石や紙や左官や植木などのわかる人にもたまらないはずです。
前田南斉の作品も何点か見ることができました!
またいつか訪れよう。
しかし空いてたな。超穴場です。
野外展でしたので、雨に降られてしまいさんざんでした。
その後も雨続きで、一週間後にやっとテントをしまうことができました。
用事が一つすんだ自分へのご褒美に、気になっていた博物館などに出かけてきました。
といっても仕事の研修的な小旅行です。
鉄道博物館。
鉄道博物館は楽しいところで、ここだけでも一日いられそうです。いろいろな展示物に結構興奮してしまいましたが、ここは木工屋らしく、鉄道のことはその筋のファンに譲り、木に関することだけをお話しすることにします。
先日人間国宝になった須田賢司氏の「木工藝 清雅を標に」に、指物師が島桑を使って内装を手掛けた御料車が鉄道博物館にあるということを知り、ぜひとも見てみたいと前々から思っていたので出かけました。
簡単にご説明すれば、御料車とは天皇のために作られた列車や自動車のことで、これを大正時代の超絶技巧の工芸家集団が最高の材を使って仕立てたものがあるというです。
しかし、意気盛んに来てみると御料車はガラス張りの展示スペースの中にあり、さらに当然列車の窓にもガラスが嵌っているので、車内は二重のガラスを隔てて数メートル遠くから眺められるだけという、かなり悲しい状態での見学となりました。
ガラスにピントがいってしまう。
でもいかに近くに寄れなくとも、その優雅な雰囲気が伝わります。
木工だけでなく漆工染織金工などあらゆる大正、昭和初期の工芸家の技量とセンスの良さを感じました。
過剰な加飾に偏らず、絶妙な線や面の構成や色の組み合わせが何とも品良く感じます。
ヨーロッパの物はやたら曲線がぐねぐねして金ぴかだったりするのに対し、
日本の物は直線基調で凛とした気品があります。
身びいきでしょうか?
壁沿いに長くある御料車の展示スペースの前を何度もうろうろしてしまいました。
遠足の子供たちはここには見向きもしませんねえ。
館内を見て回ると、驚いたことにというか当たり前というべきか、初期の列車は木でできていたのですね。
座席、壁、床、ひじ掛けなどは木製。
木で出来ていると落ち着く、と思うのも身びいきでしょうか?
メーテルが座ってそうなどと思ってしまいました。
さすがにこんな古い車両に私は実際には乗ったことがありません。
でも始めて東京に来た時に、丸ノ内線の床が木製だったので驚いた覚えがあります。
この車両などはもう見るからに木でできてます。
これは模型です。
木造家屋と変わらん。
木製車両のカットモデル。
私にも作れそうです。
これは軌道はあるものの、人が押して動かしたものらしい。
かように昔はなんでも木で出来ていたのかと、感慨無量です。
でも飛行機も、自動車も、船も最初は木で作られていたんですよね。
そしてそれを作った多くの木の職人がいた時代があったんだなあと。
斜陽産業にあえて身を投じながらもその衰退に目を覆いたくなる私はいろいろ思いを馳せてしまいました。
さて、もう一件。遠山記念館へ。
やはり「和家具 別冊太陽」を読んでいると多くの逸品に「遠山記念館 蔵」とあるので遠山記念館を知りました。
前田南斉という大正、昭和初期の指物師の作品を多く所蔵しているようです。見ることができるかもしれないと、期待が膨らみます。
見てみたいものがちょうど企画展に出ていることを知り出かけました。
立派な門構え。
幅が4尺を超える門の欅の板に驚いて写真を撮りました。
これが見たかった猫の手あぶり。仁阿弥道八という江戸後期の作者の物です。
これは南米の焼き物、カエル。
ペルー、ナスカ文明。
日本の工芸もいいがやはりこういうセンスは僕らにはないなあ、いいなあと思うことしきり。
美術館を見てから屋敷に入りましたが、こちらこそ圧倒的で、すっかり写真を撮るのも忘れてしまうほど見入ってしまいました。
ご興味がある方はこんな動画でもご覧ください。→★
まず私のような木人間には建具や内装に使われている数々の銘木に圧倒されます。
これほどの材を集めるのにはどれほどの財と労力がかかったのでしょうか。銘木の見本館です。
また、それらを品よくまとめるセンスと技量もすごいです。
経年変化までも計算されているように思えます。
私には知識がありませんが、石や紙や左官や植木などのわかる人にもたまらないはずです。
前田南斉の作品も何点か見ることができました!
またいつか訪れよう。
しかし空いてたな。超穴場です。