ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

木取り作業が終わり

2012年09月30日 | 木工
今日、関東地方は台風の直撃を受けています。
午前中は天気が良くて、消防団の見回りの用がありました。



見回り中発見。主のいない家の庭に群生している花。
調べたら、イヌサフラン。有毒だそうです。




こちらは工房の庭。
先日、大きなキノコが!と思いブログにのせたキノコ、何日かして傘が開いてさらに巨大に!
こぶし大だったものが手を広げた大きさに。直径20cm。

開く前の写真をもう一度のせてしまいます。↓





さて、一週間ほどかけた木取りの作業もほぼ終わりです。



板を検分しながら、作るものの部材の寸法に板材を切っていく作業です。
写真の様に残材が出ます。たまっては片づけることの繰り返し。
小さくてもきれいなところはスプーンなどの小物用にとっておき、
あとは冬場の薪となります。





この山で椅子が8脚とストゥールが4脚ほど。




この山でペーパーコードの椅子が6脚ほど。
肘なし、肘あり、ロッキングなど、仕様はいろいろ。
ロッキングの橇が一番上に乗っかっています。


こんな材があと3~4山出来ましたが、ただの地味な写真ですので、掲載してもしょうがないです。


今日は満月だったので残念。
風雨強まる中、合羽を着て自転車で19時ごろ帰宅。





野外で木取り作業

2012年09月25日 | 木工
今のうちに、年内の仕事の木取りをすべてやってしまいます。



製材した後、こんな風に桟を入れて屋根をかけて、数年自然乾燥した材を使います。
乾燥、英語ではseasoningといいます。この言葉が好きです。
時間をかけて熟成されるような意味合いが込められているような気がする。

板を一枚一枚見て、作るものに使えるか検分。
ひびや染み、虫穴、節、木目、木の性分などを調べて寸法に裁断していきます。
なかなかちょうどいいものが見つからないと大変です。
まだ終わっていませんが、三日ほどの作業で4~50枚はいじったでしょうか。
大きい板では長さが3m、幅50cm、厚さ5cmほどあります。重さは知りません。一人でやっと持てるくらい。
フォークリフトを持っていないので、それをすべて人力でこなします。
一日の終わりにはかなりの疲労感。日が落ちるのも早くなって焦ります。


今回は椅子が約20脚4種類、ストゥール4脚、箱もの家具4種、机・テーブル3台、その他、の木取りです。
いっぺんにやれば効率的!と思いましたが、はっきり言って頭がごちゃごちゃになります。
部材が多くて、何をとれたのやらとれないのやら、工房の中も狭くなるし。







これは椅子の型。このほかに加工の基準になる治具というものがたくさんあります。




このように板において墨をしていきます。



ずっと外にいると、自然の声が聞こえます。

もうモズが鳴いています。山の端でカエルが時々鳴きます。カエルって繁殖期でなくても鳴くんだ。
時々カラ類の群れがせわしなくやってきます。まだミンミンゼミが鳴いてる、ずいぶん涼しいのに。
コウロギもいっぱい鳴いてる。
沢の対岸でサルが鳴いてる。イノブタが鳴いてる。もちろん飼ってるやつ。
散歩の人間も通る。車もたまには通る。




板をどけるとクルミのかじったのがたくさん出てきます。




リスはときどき見かけます。




先日巣を壊してしまった蜂でしょうか。トタン屋根の裏に固まってました。
女王蜂がいて、フェロモンで集結しているのでしょうか。






雨が降った後なので、きのこも生えます。


木取り作業はあと数日かかります。













樹を伐る。(草刈も)

2012年09月21日 | 日記
山はすっかり秋。

鹿が鳴いています。繁殖期になると雄鹿の切ない遠吠えが響きます。





通勤路の栗もはじけています。道に落ちている栗は車に轢かれる前に失敬。




何日かかけて工房の庭の整備をしました。




草刈前の写真。↑

草にしていても特に支障はなかったのですが、
これから年内にする仕事の木取りをしてしまおうと思っているので、
材木をいじるにも多少不都合です。体裁も少しは気にします。


まずはエンジン草刈り機で伸び放題の草を刈る。2メートルほどに伸びた草としばし格闘。
バッタだのカマキリだの、虫がどんどんと逃げてゆく。いつも愛でているので、ちょっと胸が痛みます。

置いてあったパレットをどかしたら、蜂がどっと飛び出して大慌てで逃げる!
刺されずに済んで一安心。
そうそう、この時期は蜂が一番怖い。
巣の主はホソアシナガバチでしょうか。



巣にはもう幼虫も卵もないようです。
巣があったところにはしばらく蜂がうろうろしていて近づけません。




今回は、立ち枯れのアカシアを伐らねばなりません。倒れたら危ないので。
切るのは庭の真ん中の一本と、入り口の1本の合わせて2本。

庭の真ん中に2本のアカシアが立っていましたが、そのうち1本は春先に嵐で倒れました。
その残った1本も葉っぱがちょろりと生えているのみ。↓





もう1本は工房の入り口に生えてて、完全に枯れています。↓





電動のチェーンソーしか持っていないので、コードリールを伸ばして使います。

実は樹を伐り倒すのは初めてです。人が切るのは見ています。
樹を伐採するのはとても危険な作業で、恐ろしい話はたくさん聞いています。
どこに倒すか、木の傾きを観察し、退路を確保し、なぜか自転車のヘルメットを着用して作業に臨みます。





受け口を付けます。3分の2くらい切っても木はびくともしませんが、
しょっちゅう見上げながらの慎重な作業。





どっすんと、一本め。思ったとおりに倒れてホッとします。





こちら2本め。細い立ち木に寄りかかって止まってしまいました。
下に行ってその木を切るわけにはいかないので、しばらく放っておきます。
切った木は最終的には薪にする予定。






草刈、伐採の終わった工房の庭。やれば気持ちがいいです。
でも、いつも眺めていた樹木がなくなると寂しい気もします。



こういう作業をするとカレル・チャペックの「長い長いお医者さんの話」の一節を思い出します。
木こりが陰気な森を伐採して、お姫様の病気を治す話。
実際、山村では家の周りには樹を生やしません。日当たり重視だから。
軽井沢などに納品に行くと、家の周りは林です。雰囲気はいいですが、多分しけっぽいでしょう。







工房の庭のはずれに放置された二階建のプレハブがあります。
だんだん葛だの蔦だのに覆われていくのを長年見ています。
「天空の城 ラピュタ」の廃墟のようになっていってます。
もうすぐ森に食われそうです。(それは違う話か。)









上野村フェスティバル

2012年09月16日 | 木工
第14回上野村フェスティバルがこの連休中に開催されています。
このクラフトフェアは基本的には木工品だけという多分全国でも例のないクラフトフェアです。






準備は朝5時起き。会場のまほーばの森に朝霧がたなびきます。








設営の終わった私のブース。






今回のために制作した家具。下は引き出し、上は棚。大根足。
バチェラーズチェストとでも名付けようか。










催事の時にしか作らない小物。スプーンや木べら。
私の小物木工は基本的に家具の端材利用です。
今回はかなり形で遊んでしまいました。おおむね好評です。










店番をしながらバーニングペンで絵付け。
お客様のご要望で絵を描いたり名前を入れたりします。

天気が悪いとかなり情けないことになるのですが、今回は恵まれたようです。







キャビネットの制作 3

2012年09月07日 | 動物


雨上がりにデンデンムシとは出来すぎだ。




キャビネット制作、仕上げは取っ手作り。




四角い感じのものを作って付けてみた。この方が楽だし、とちょっと気を抜いた考えがよぎる。





当初の、図面を描いたイメージのものを作って付けてみる。やっぱりこちらだね。
手間がかかるけどしょうがない。





取っ手作り。小さいものを作るのは保持が大変。何とかクランプにくわえて加工できました。





上からの写真。銀杏の実のようなわずかな稜線が身上です。





オイルをかけて取っ手を付けて完成です。オイルをかけるとしっとりとした輝きになります。

明日は納品。一台車に積んで、一台工房に残ります。
残された子は、ずっと一緒に育ったのに引き離さてしまった双子の姉妹の様にさびしそうに見えます。






最近、蛾が明かりに来ます。カメムシが好きとか、蛾が綺麗とかいうと変人に思われそうですが、、、、




ほら!きれいでしょう?
ヤママユ。でかい。透明な窓が神秘的。




名前は知らず。複雑な羽の模様がすばらしい。触覚も面白いかたち。




変な形の蛾。




水玉がおしゃれ。


窓の明かりに来るから、みな逆光で写真を撮りにくい。