ブラックウォールナットという材木があります。
北米の西海岸に生えるクルミの一種で、黒い色が特徴です。
この材を使うお仕事をふたつ頂きました。
ブラックウォールナットは何年か前に「いいのがあるよ」材木屋にすすめられ、借り入れをしてかなり多めに買ってあります。
その材は56mmほど厚さですが、今回作るものは30mm厚とか20mm厚とか6mm厚のものが要ります。
56mmのものを割いてみることにしました。
材の幅はそんなに広くないので昇降盤で割けます。
昇降盤とは丸い鋸刃が付いた機械です。
木という素材はストレスを持っていて、真ん中で割いたりすると、とたんにひん曲がってしまうのが普通です。
その際、鋸刃を締め付け、時には鋸の回転を止めてしまうほどの力があります。
曲がってしまえばそのままでは次の加工に移れず、それを平らに直すと薄くなってしまいます。
割いて使うに場合は厚みに余裕を持たなければならず、
欲張ってギリギリで使えるかと甘く考えてかかると何にも使えず材を無駄にすることになります。
ところが!
今回使ったブラックウォールナットは、割いてもほとんど動きませんでした。
歩留まりがよく、経済的なことこの上ありません。
ブラックウォールナットはその黒い木肌が美しく、とても人気のある材です。
値段も高く、私が普段使っている材の4、5倍します。
別に秘密にするようなことではないのでお話ししますが、
普通の材とは15~25万円/㎥ですが今回使ったブラックウォールナットは75万円/㎥です。
ブラックウォールナットも探せば30万円台のものもありますが、
節があったり狭かったり色が悪かったりで、結局は相場なりのものです。
そんなに掘り出し物なぞはありません。
鉋をかけてもかけやすく、ペーパーをかけてもよくかかり、きれいに仕上がります。
適度に粘りがあり、持ち重りがし、硬質でありながら温かみもあり、艶があり奥深い光沢がある。
出来たものは凛とした雰囲気を漂わせ、ちょっと腕が上がったのでは?と錯覚してしまいます。
う~む。
やるな、ブラックウォールナット。
高いだけのことはあると認めざるを得ません。
結局、56mmの材から30mmと17mmのもの、
あるいは17mmと17mmと6mmなどというように驚くほど効率よく材を挽き分けることができました。
出来たもの。
足が30mm角、板厚が17mmの本棚と、30mm厚材の椅子。
引き出しの中まですべてウォールナットを使いました。
このブラックウォールナットの美麗な本体で、閉めれば見えなくなるといっても、他の材はもう使えないでしょ!
というプレッシャーをギシギシと感じてしまいます。
この同じ板材達から分かれた二つの家具は全く違うお客様の所に行きます。
この樹を日本でも育ててみようという試みなどはなされたことがあるのでしょうか?
防疫や気候などの問題をクリヤーし、100年後に大儲けを狙う林業家はいないものでしょうか?
北米の西海岸に生えるクルミの一種で、黒い色が特徴です。
この材を使うお仕事をふたつ頂きました。
ブラックウォールナットは何年か前に「いいのがあるよ」材木屋にすすめられ、借り入れをしてかなり多めに買ってあります。
その材は56mmほど厚さですが、今回作るものは30mm厚とか20mm厚とか6mm厚のものが要ります。
56mmのものを割いてみることにしました。
材の幅はそんなに広くないので昇降盤で割けます。
昇降盤とは丸い鋸刃が付いた機械です。
木という素材はストレスを持っていて、真ん中で割いたりすると、とたんにひん曲がってしまうのが普通です。
その際、鋸刃を締め付け、時には鋸の回転を止めてしまうほどの力があります。
曲がってしまえばそのままでは次の加工に移れず、それを平らに直すと薄くなってしまいます。
割いて使うに場合は厚みに余裕を持たなければならず、
欲張ってギリギリで使えるかと甘く考えてかかると何にも使えず材を無駄にすることになります。
ところが!
今回使ったブラックウォールナットは、割いてもほとんど動きませんでした。
歩留まりがよく、経済的なことこの上ありません。
ブラックウォールナットはその黒い木肌が美しく、とても人気のある材です。
値段も高く、私が普段使っている材の4、5倍します。
別に秘密にするようなことではないのでお話ししますが、
普通の材とは15~25万円/㎥ですが今回使ったブラックウォールナットは75万円/㎥です。
ブラックウォールナットも探せば30万円台のものもありますが、
節があったり狭かったり色が悪かったりで、結局は相場なりのものです。
そんなに掘り出し物なぞはありません。
鉋をかけてもかけやすく、ペーパーをかけてもよくかかり、きれいに仕上がります。
適度に粘りがあり、持ち重りがし、硬質でありながら温かみもあり、艶があり奥深い光沢がある。
出来たものは凛とした雰囲気を漂わせ、ちょっと腕が上がったのでは?と錯覚してしまいます。
う~む。
やるな、ブラックウォールナット。
高いだけのことはあると認めざるを得ません。
結局、56mmの材から30mmと17mmのもの、
あるいは17mmと17mmと6mmなどというように驚くほど効率よく材を挽き分けることができました。
出来たもの。
足が30mm角、板厚が17mmの本棚と、30mm厚材の椅子。
引き出しの中まですべてウォールナットを使いました。
このブラックウォールナットの美麗な本体で、閉めれば見えなくなるといっても、他の材はもう使えないでしょ!
というプレッシャーをギシギシと感じてしまいます。
この同じ板材達から分かれた二つの家具は全く違うお客様の所に行きます。
この樹を日本でも育ててみようという試みなどはなされたことがあるのでしょうか?
防疫や気候などの問題をクリヤーし、100年後に大儲けを狙う林業家はいないものでしょうか?