ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

ミズナラのセンターテーブルの制作

2016年05月19日 | 木工
出来あがった木地に漆を塗りながら、次の物を作っています。

漆塗りは午前中には終わりますので午後は工作をします。







製品で持っていたベンチをお求めになってくださったお客様からセンターテーブルもご注文いただきました。

国産ミズナラ材のベンチに合わせるテーブルですので、当然同じ材で作らねばなりません。



国産のミズナラは枯渇してしまったのか、市場では本当にとんと見かけなくなりました。

昔仕入れた、割と大きな板の在庫が何枚もあるのですが、ミズナラの引き合いは何故かしばらくありませんでした。






この板は幅が80cmあります。

しかし真ん中にヒビがあります。



ミズナラは出来たものはきれいですが、扱うにはなかなか難しい木です。

板目に製材するとほとんどの物が乾燥中にヒビが入ります。

柾目に製材すればヒビはずいぶん入りにくくなります。

そんなことも知らず、欲をかいて広い板目に挽いてしまった頃の仕入れですから、10年以上は持っている板です。

ずいぶん授業料を払いました。














今回使うことにしたのはこの板。

幅は最大75cmくらい。

真ん中に一筋だけヒビがあります。

板目のミズナラにしてはヒビがない方です。



お客様の要望は幅が50cmくらいでしたが、ご相談したらこの広い幅でもよいとご承認いただきました。








厚さは6cmほどですがだいぶ暴れています。







裏を平らにしてから表側に厚さを決める墨をかけてみました。

波打ってますね~。







だいたい仕上げました。

4cm厚の仕上がりです。

面白い杢が出たよい板だと思います。

虫食いやシミもありますが、それを気にさせない味があります。

年輪を数えたら、この板にあるだけで150年です。

この板はまだ外側の方ですので、樹齢は300年くらいの木だったのかもしれません。

おー、すごい!今時。








こんな木目です。





ヒビには割れ止めの蝶々を入れます。

裏にも入れてあります。






足に使った板には虎斑(とらふ)杢が出ています。

虎斑が出るのは柾目に挽いたからです。






こんな足が付きます。

華奢な気もしますが、使っていて邪魔にならないように配慮したつもりです。




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
水楢のベンチって (ぴん)
2017-01-01 12:02:09
初めまして。
以前こかげに置いてあった水楢のベンチでしょうか。
27年夏に群馬県を旅行した時に一目惚れして以来ずっと気になっていました。
久々にHPを訪ねましてこちらの記事にたどり着き、売れちゃってたと、ガッカリしたような、嫁ぎ先が決まってよかったよかったと安心したような不思議な感じです。
テーブルが完成して、さぞ素敵なセットだろうな〜と我が家のリビングに設置した様子を妄想しております。
他所の方の家の家具なのに失礼ですね(汗。
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栗のベンチも (maruchan)
2017-02-06 21:01:28
コメントを全くチェックしてないので、気が付かず、すいません。ミズナラのベンチはもうないのですが、似たものでクリのベンチも在庫であります。よろしければご検討ください。
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