ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

テーブルセットの制作 その2

2013年08月29日 | 木工
すかっり秋になりました。












椅子の縦・横を組みました。

このあとは、連続写真でお送りします。




座面を嵌めます。
四角いまま足をよけるための掻き込みを切ります。




座繰りをしたり周りを切ったり面取りをします。




肘かけを付けて塗装しました。







出来上がって撮影。






この椅子の背のかたちはパラサウロロフスを連想してしまう。

いつもの椅子よりややアップライトな背もたれです。








これらの椅子の座面は「駒止め」という方法で付いています。
座面は比較的広い無垢の板なので伸縮があります。
この板を椅子の枠に完全に固定してしまうと木の動きを止めてしまうことになります。
そうすると板の伸縮が構造を壊してしまったり、板が割れてしまったりすることがあります。
この駒は座面にはネジ留め、枠に対しては掘られた溝に差し込まれています。
その溝は駒より長くなっているので、
木が動いたときにその溝の中で駒が動くことにより木の伸縮をいなすことができます。




これはテーブルの甲板を止める駒です。
溝が駒より長く、動く余裕があるのが分かります。






木の動きを止めない工夫をもう一例。

これはそのあと作っているテーブルです。
こちらは桟を甲板にネジで止める構造ですが、
ネジを止める穴を横長に加工してあります。
これも無垢の板の伸縮を考慮した仕組みです。






納品したお宅での写真です。









テーブルセットの制作 その1

2013年08月19日 | 木工
あまりの暑さに腹が立ち、木陰にて作業することにしました。





工房の庭の桑の大木の木陰は20畳くらいはあります。
エアサンダーを使った磨き作業なのでエアホースを引っ張り、
椅子を置いて座り、加工材を並べての作業。
風は吹いているし、下は草なので涼しくて快適。
木陰の涼しさはまことに偉大です。
セミや鳥の声を聴きながら午前中いっぱいはここで働きました。
夕方には蚊が出てくるので、ここでの作業はやめときましょう。






工房の裏窓からの写真です。
クルミの木はもう葉を落とし始めました。
サクラなんかも落葉が早いですね。
暑くても季節は少しずつ進んでいます。






これが毎日うるさくやってくるオニヤンマ。
今日も5,6匹は迷い込んできました。






工房の床を歩いていた小さいクワガタ。
ゴミムシと間違えそうな大きさです。
何の種類か同定できないや、ごめんなさい。特にメスは分かりませんねえ。





ヘビトンボ。
これはかなりげちょげちょ虫だ。名前からしてすごい。
夜の明かりにやってきます。
普段見慣れている虫のプロポーションからは外れているし。
飛ぶときに「んばっ」と羽を開いてから飛び立つ様がまた何とも、虫嫌いの方には耐えられないしぐさではあろう。
図鑑によると蛹でも噛みつくらしい!
風の谷のナウシカに出てくる「蟲」は確実にこのこを参考にしているのであろうと思われます。




こんな顔です。








さて、仕事はテーブルセットを作っています。

テーブル、両肘の椅子2脚、ベンチのセットです。





ちょっと無理した納期のものでしたので途中の写真も撮らず大急ぎ、いろいろ野暮用も多かったし。

部材の加工はほぼ終わりました。
例によって組み立て前の記念撮影。





椅子の後ろ脚・背もたれの組み立てている写真です。
背もたれは湾曲しているので、ただクランプを掛けるとしなって折れてしまう可能性があります。
そうならないように背もたれの部材を手前に引くような形でクランプで抑える必要があります。




もう一日やれば組み立ては終わります。












ミズナラ食器棚の制作 その2~納品

2013年08月13日 | 木工
夜の用事がやたら多く時間が取れなくて、ずいぶん長くブログをお留守にしてしまいました。


気が付けばもうツクツクホウシが盛んに鳴いています。
夜にはコオロギも鳴いています。
すっかり晩夏の気配。でも暑い!

窓や戸口を開けて仕事をしていると、オニヤンマが入っています。
入り口の形状がちょうどトラップになっているのでしょうか。
夕方頃には10匹近くも工房内に入ってしまってブンブンとうるさく飛び回ります。
これを仕事終わりに外に逃がしてやるのが日課になっています。
他のトンボはほとんど入ってきません。オニヤンマの習性が関係あるのでしょう。
庭の池ではシオカラトンボがたくさん来て雌の取り合いを繰り広げています。





だいぶ前のことになってしまいましたが、話はちゃんと〆たいので、、、





ミズナラを使った家具の組み立て風景です。
かなり複雑なものゆえ、組み立ても慎重です。
複雑な上に重いので、段取りに工夫が必要です。
部分的に組み、糊が乾いてから次の工程に進みます。




組み立ての時の工夫をいくつか。

組んでしまうともう重すぎて持ち上がりません。
組んだ後、何とか床に着地させることを考えて、枕を置いてその上で組み立てます。
クランプのハンドルの頭の高さだけ床から上げた枕です。

糊が乾いたらクランプを外し、枕になった木を少しずつ外して床に下します。
一人でやっているんでいろいろ考えます。







いきなり完成写真で失礼。
全て国産ミズナラです。

この家具は両側に扉がある変わったものです。
ダイニングに置いて、食器棚と食卓を兼ねています。
そのために天板を前後それぞれ10㎝ほど伸ばしてあります。

引き出しの上に隙間があります。
この隙間はもちろん物置ですが、天板が10㎝も出ているので
天板と引き出しとの間に空間がないと引き出しが使えないからです。






こちらがキッチン側。開閉が邪魔にならないように引き違い扉になっています。




両側を空ければ当然こんな感じになります。
引き出しも両方から使えます。


車への積み込みは力持ちの仲間をお願いしました。







納品の旅。
八ヶ岳を野辺山あたりから。





帰りの峠道に咲いていた野生のアジサイ。