ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

国産ミズナラのテーブルセット

2022年12月07日 | 木工
国産ミズナラ材のテーブルと、鬼胡桃材の椅子のセットを作りました。





テーブルの長さは2m、センター2枚剥ぎで巾は中央で86cm、高さは65cm。

椅子の座高は35cm程で、全体に低めになっています。

脚も10cm角程の材を使い、テーブルトップに直接に付けています。





テーブルトップの木取りです。


この材はかなり前、多分15年程前に丸太1本分をまるまる買った物の最後のものです。

ミズナラは出来た品物は綺麗なんですが難しい材で、放射組織が乾燥時に割れやすいという性質があります。
放射組織とは丸太の中心地から文字通り放射状に伸びる組織で、いわゆる年輪と直交する組織です。これば柾目に挽くと美しい虎目の班になりますが板目に挽くと板の中央に小割れが生じるという厄介なものです。

まだそのことをよく知らない時に、大きなミズナラの丸太を買って巾広の板目に挽いて「これですごいテーブルが出来るぞ」とほくそ笑んでいたら、細かく割れてしまい使いものにならなかったという痛い目にあったのことがあります。高い授業料でした。

しかしたまに板目に挽いても割れない良い子がいます。この材はそんな板でした。

長さは3m、巾が50cm程の板でしたが、木口の割れやサップ(白太)を去って、このテーブルにちょうどよい寸法になりました。


国産のミズナラはもう市場にも見当たらず、もしあっても手の届かない値段になるでしょう。

材木資源が枯渇しつつある現在、このようなテーブルはもう作れることはあまりないと思います。



よいテーブルセットが出来たと自負しています。