ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

木が倒れる

2012年05月30日 | 日記
工房の庭の真ん中に生えていたニセアカシアの木が倒れました。



最近、激しい雷雨がきますね。
おとといの午後、やはり激しい雷雨がありました。
あまり雨が降っていないのにいきなりの雷鳴が轟き、工房のブレイカーが火花を散らして切れ、
また雷が落ちて今度は停電。
そのうち雨風が強くなって大嵐になりました。
そんな中で木が倒れたのでしょう、ぜんぜん気が付きませんでした。
ちょうどアカシアの花が満開だったので、重くなっていたせいもあるでしょう。
アカシヤは根が浅いので、倒れやすいと聞いたことがあります。
倒れた根を見たら腐っていました。



写真に写っているもう一本の方もほとんど枯れていて、葉っぱもない状態です。
なのに葉っぱが元気な方が倒れるとは意外でした。
枯れた木は伐り倒さないと危ないな、と思っていた矢先でした。
積んである材にも、建物にも車にも人にも当たらなくて、本当によかった。

以前にも工房の敷地にある桑の木が倒れたことがあります。2年くらい前でしょうか。
やはり雨の日で、材木屋と話をしていたら、ドシンという音がしたので見に行くと、
一抱えもある桑が根元から倒れていました。
一晩経ってみると、人の背くらいまでの高さの葉っぱが綺麗になくなっていました。
鹿が食べたのだと思います。
そのうち根元にナラタケが生えたので、おいしくいただきました。
そのキノコは木を腐らすきのこだそうです。やっぱり。

丸太を買って製材していると、この木は寿命がきて枯れかけてたな、とか
この木はもう10年くらい早く切って使っていれば材としてもっと有効に使えただろうな、と感じることがあります。
生きている木を切って殺して何かを作るという切ない仕事だなと思うことはありますが、
木にも寿命があります。
寿命が来る前に切らせてもらって役立つものを作ることは悪いことではないと思います。

5月になって、漆を塗る仕事を始めました。



これは漆を乾かす室です。中に水を打って湿度をかけます。
間口2m、高さ2m、奥行き1.2mで大きな家具も塗れるものです。
漆が乾く条件は気温が20度以上、湿度が80%ほどです。
以前は冬もストーブやヒーターを使って塗っていたのですが、
最近は自然に乾く5月から10月以外にはなるべく塗らないようにしています。

漆の仕事はとてもセルフタイマーを使ってでも撮れません。忙しすぎます。





箱ものを作っています。

2012年05月21日 | 木工


工房にいる18歳になる老猫は最近は庭での昼寝がお好き。
車が来るときはよけるんだよ。

しばらく椅子ばかり作っていたのですが、
これからは箱ものが続く予定です。
箱ものとは文字通り箱型の家具で、たいがい引き出しや扉が付きます。



板はなるべく鉋で仕上げます。
その方が綺麗で早いから。平面もちゃんとでます。
鉋をよく研いで、調整して木に向かうときはいつも緊張します。
何度やっていても「今日はちゃんと切れるかな」と祈るようです。

覚えた仕事が和家具だったので、長いこと胡坐をかいて使う和式の作業台「あて板」を使っていたのですが、
去年の10月から西洋式の立って使う作業台に替えました。
この方が体が楽ですし、電動工具もみな作業台の上で使えます。
ついでに工房内のレイアウトも変えて模様替えするはずが、
半年も手がつかず、そのままになっています。

今回は材も素性のよいもので、きれいに削れました。



結局、材がよいと仕事が楽で、できるものも良いものになります。
でもだんだん良い材はなくなっています。



組み立ての様子。

ハタガネ、クランプを使って圧着します。
いつもこのくらいは使って締めます。
たくさん道具がいります。



できたもの。隙間家具みたいなものです。
背景がごちゃごちゃで恥ずかしい。

ロッキングチェアのソリの取り付け

2012年05月10日 | 木工
工房の庭に鹿の角が落ちていました。



地元の人の話では、山でよく拾うそうですが、両角揃ったものは拾えないそうです。
いつも8時くらいまで仕事をしていますが、工房から外に出ると、がさがさと鹿が山に逃げてゆく音が聞こえ、
懐中電灯で照らすと暗い山の中に目が光って見えます。





ロッキングチェアにソリを付ける作業をしました。
椅子自体はいつも作っているものです。
このロッキングチェアは安楽椅子というよりは普通の椅子にソリがついた感じ。


ソリを付ける作業は完全手作業になります。
ベニヤの型を置いて墨をして、ほぞを作ります。



自分の手の写真を見てびっくりしました。
職人のような手です。(当たり前か。)




このような仕口になります。




一次的な加工を終えて組んでみたところです。
ソリと足の隙間ができてしまうのは織り込み済みです。
三次元的なものをくっつけるので、機械加工ではうまく付きません。
これをノミや鋸を使ってぴったりに修正します。
穴の位置なども、どんなに計算しておいても多少の誤差が出てしまいますので、
ほぞが出来てから付けてみて、それに合わせてソリの穴の位置を決めるようにしています。




こんな感じにきれいにつくようにします。




下面から楔を打って固定します。




今回は2脚作りました。普通は最後に座面を編むのですが、今回は事情があってソリを付けるのが最後になりました。
このソリの材を取るのには90mm角相当のものが必要です。贅沢でしょう?







椅子の組み立て

2012年05月03日 | 木工
椅子を組み立てています。

注文は一台ですが二台作っています。本当はもっと注文がたまってからたくさん作りたいのですが、
今回は急ぎなので二台だけです。一台は余剰生産。



これは加工の終わった部材を並べたところ。(肘掛と座面の部品はありません。)




こんな仕口。40mm厚の足に30mm長のほぞが入ります。ほぞは中でぶつかるので、
ぶつかるところは切ってあります。中でほぞ同士も擦れ合って、強度を高めてくれるはず。




組んでる様子。がっちり締めて一晩置きます。




タラの芽を買ったら、パックの中に虫がいっぱいいました。
喜んで集めてみました。



ジュウジナガカメムシ(十字長亀虫)
マルカメムシ(丸亀虫)
ヒメシロコブゾウムシ(姫白瘤象虫)
ドウガネツヤハムシ(銅金艶羽虫)
アブラムシの仲間

ちょろちょろするので撮りにくい。
虫の名前は漢字表記の方が分かりやすいと思いますが、どうでしょう?