ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

クリのテーブルセットの制作 その1

2014年06月26日 | 木工
夜9時過ぎのこと、

会議が終わって真っ暗な山道を自転車で帰っているとき、側溝の穴に何かが動いていました。




アナグマです。
まだ子供です。
しばらく見ていましたが、逃げることもなく顔を出したりひっこめたり。
濡れた鼻がかわいいです。





工房の庭の大きな桑の木を見ていたら、枯れ枝に木耳がたくさんついていました。
梅雨時の雨を吸ってぷるぷるとしています。




その日はわたしが夕ご飯を作る日だったうえに食材がさびしかったので、
棒にに鋸をくっつけてギコギコと高い枝の木耳を採りました。






このように枝についています。





自宅の庭に生えている韮と一緒に炒めて食べました。









テーブルセットを作っていますが、まず椅子を作っています。





イスにはたいがい角度が付いた部材があります。
写真はその角度を切る冶具です。






前足と後ろ足の部材ができました。
木目を見て、なるべく揃うように組み合わせます。







前後の座枠の結合は2枚ホゾです。
左右の座枠のホゾを長く取りたいので、前後の座枠のホゾは短くなり、短くても強度を出すために2枚ホゾにしてあります。






組み立てて安静にオーバーナイト。



小さな食器棚~クルミの座卓

2014年06月22日 | 木工
群馬県庁の催事会場でこっそり編んでいた座面ができました。

初めての黒いペーパーコードです。





いかがでしょうか?




生成りと黒の対比です。



仲間内の評判は上々。
生成りですと座面と枠の色の差があまりないのでデザイン上の一体感があります。
黒などの色つき座面ですと、木の部分との差がはっきりするので面白い。
この色のためのデザインができそうです。








定番の小椅子にも実は「肘長」とでも呼ぶような別バージョンがあります。
背もたれの左右が長くできています。




このくらい。

今回ご注文があって、1脚だけ作りました。






小さい食器棚は木地ができました。
後は塗ってツマミを付けてガラスを入れれば完成です。





蝶番を使う扉はなかなか調整が難しいです。

でもガラスを買いに行く余裕がない!どうしよう。











クルミの座卓もできました。




裏はこんな感じ。「駒止め」という方法で甲板が付いています。


お客様が取りに来てくださるので、これ以上の写真は撮れなさそうです。







次はこれ。





テーブルとイス6台のセットになります。
お客様がこのたて基調の背もたれにこだわってのご注文でした。





ベニヤで型を作って木取りをした材の山です。




新しく作るものは、いろいろ工程などを考えながら作るので、ワクワクします。





梅雨の晴れ間~小さな食器棚の制作

2014年06月13日 | 木工
梅雨の中休み。




朝は雲一つなかった。




工房の庭の大きな桑の木を見ていたら、風に乗って白い糸のようなものがしきりに飛んでいました。

木の葉の裏を見ると、たくさんその糸のようなものと虫が着いていました。

















その虫の近影。



クワキジラミという虫の様です。シラミではなく、カメムシの仲間です。






材木の陰に、



マムシ!


マムシを見かけるのは珍しいです。

村の人はマムシを見つけると捕って食べたり、焼酎に漬けたりするらしい。
だから少ないのかも。
噛まれなければ、いてもいいですが。




工房の中に、



スズメバチが入って来る。


スズメバチはよくやってきますが、これはたぶんチャイロスズメバチという少し珍しいやつ。
他のスズメバチの巣に寄生して乗っ取るらしい。


有毒動物二連発でした。




いつの間にか、あれほどいた池のオタマジャクシは一匹もいなくなっていました。







さて催事中ですが2日ほど工房で仕事をしています。




制作しているのは小さい食器棚です。






本体の方は組みあがりました。
裏板も無垢材です。






これは引き出し。
底板は三枚の板を組み合わせています。合板はすっかり使わなくなりました。






こちらはガラスの扉。
十字に桟が付きます。



引き出しと扉を組み立てて、今日は九時までお仕事。
帰り道には真ん丸な月が昇ってきました。

ぐんまウッドクラフト展 IN 群馬県庁

2014年06月10日 | 木工
まず、

前回のブログでお話しした雹害について、もしご心配してくださっている方がいたら、ありがとうございます。

確かに植物には大きな影響がありましたが、私の菜園もなんとか回復しつつあります。






ストレスを受けたせいか、ルッコラはずいぶんニガ辛くなりました。



不思議なもので、その雹はかなり局地的で、少し離れた場所ではそれほど降らなかったと人は話しています。
畑をやっている人たちは大変そうです。
今後山の生態系にどんな影響があるのかが興味あります。



そういえば、去年大豊作だった藤の花は、今年はほとんど咲きませんでした。







先日、丸太を買って製材所のおやじに世話になった勢いで、また丸太を買ってしまいました。
ケンポナシという木です。

早速製材して届けられたので、今回はフォークリフトをお借りして一日で桟積みを終えました。






だいぶ材の山が増えました。
欲張らず、よく使う45mmと36mmの厚さに割り切って製材をお願いしました。

屋根を掛け、雨の日によく見て、屋根の隙間などから雨水がかかっていないかを確かめます。
雨がじゃあじゃあこぼれて濡れているようなら屋根を直します。
横から雨がかかるくらいならば良しとします。

しかしまた材料管理に数日を費やしてしまった。









梅雨を前に、これから数か月間制作するための木取りをしました。




こんな材の山がいくつも工房内にできています。
作業の邪魔ですがしょうがない。
崩れるともう絶対元に戻せないので、つっかえ棒をしておきました。

材が確保できれば、まずひと安心。
思ったような材木が確保できないと、大弱りで東奔西走になります。

お待ちのお客様、お待たせしてすいません、、、






さて、6月11日からぐんまウッドクラフト展が始まります。
会場となる群馬県庁に搬入に行きました。





おおよそ飾り付けが終わった様子です。





今回の自分テーマは「対比」です。




ロッキングチェアー。木の座とペーパーコード座面の対比。




ダイニングチェアー。やはり木とペーパーコードの対比。




漆塗りとウォールナットの色の対比。
漆の椅子は日比谷のトンカツ屋さんの椅子です。







木の座のロッキングチェアーは今回が初披露です。





私にしては珍しく、小物も少しあります。




催事は6月15日(日)まで。