【わんちゃんの独り言】

毎日の生活の中で見たこと、聞いたこと、感じたこと、思いついたこと等々書き留めています
(コメント大歓迎デス・・・・・)

植物観察会①~奈良公園・春日山原始林(天然記念物)~

2011-10-04 | 木津川市植物同好会
 【木津川市植物同好会】 

スタートは大仏前交差点から春日神社の参道を・・・
奈良公園にはたくさんの木々が生えています、人の背の高さぐらいのところまでは、スコーンと向こうの方まで見渡せます、というのは奈良公園の鹿さんが伸び上がって食べることの出来るいわゆるディアーライン(鹿摂食線)なんですね。





をみなへし秋萩しのぎさを鹿の露別け鳴かむ高円の野ぞ(大伴家持)

↑ 道草さんよりいただきました。

「高円(たかまど)」は、奈良市白毫寺(びゃくごうじ)町などの一帯をいいます。 ...

足元を見るとキレイに草刈りされてます、1200頭もの鹿のおかげで自動芝刈り機の恩恵にあずかってますね、飛火野から公園全体の草を人間の手で刈るとしたら膨大な費用がかかることでしょうね・・・

その中ででも鹿の嫌いな植物(シカの不嗜好性植物)が奈良公園にでも結構あるんですよね。
ナンキンハゼ(南京黄櫨)トウダイグサ科



ナンキンハゼが最近、奈良公園では多いんです、奈良公園のあっちこっちで見かけました。
鹿が食べないという、ナンキンハゼ、どんどん増えてます(生えては困るところにも)

ビックリしたのは奈良公園だけじゃなくって、春日山原始林(天然記念物)にも若草山にもナンキンハゼが多くみられました。
実は奈良公園にはナンキンハゼと言う植物は無いモンなんですね、70年ほど前に、とってもキレイ(秋には美しく紅葉します)からと街路樹、公園樹として植えられたんですね、トウダイグサ科の特徴で、なんかすると、かぶれるんですね、それで、鹿も食べない、そこらじゅうに生えてるんですわ、生えたら困るところにも・・・
今、春日山原始林にナンキンハゼが侵入してきて、原始林の植物生態系があわや・・・となりかけているそうです。
今、そのストップ作戦を研究されてる機関もいくつかあるようですよ。

イワヒメワラビ(岩姫蕨) コバノイシカグマ科


鹿が嫌うイワヒメワラビ
葉柄から葉の表面に至るまで毛の多いのが目立つ、毛が脱落してもザラつく、
と、教えていただきました、原因はその辺りかな?

イラクサ(刺草・蕁麻:ジンマ)イラクサ科


「触っちゃダメ!ですよ」ってH先生の声が・・・
トゲがめっちゃ多い、コレを触るとブツブツがぶわぁ~~っと出ます、痒くて痒くて、これが蕁麻疹のモト、だそうです。
この棘は根っこの方、ガラス質になっててそれが、ぷっと折れると皮膚に注射されたようになるという、、しばらくかゆくてその後、いつまでもいつまでも痛いそうです、ゆめゆめ触らぬように・・・




春日山原始林で鹿が嫌いな植物
ナギ (梛・那木・竹柏)マキ科




「皆さん、ナギの葉っぱを財布の中にでも入れといてください」
「えっ?」
また、昔、銅で造った手鏡をお嫁に持っていきましたね、その手鏡の裏の模様の中にはナギの葉っぱの模様があるそうです。
何故?それはナギの葉っぱを千切ってみれば解りますよ、そんなら、千切ってみよか?
横には裂けるけど、葉脈が縦になってるので切れないですねぇ。
「縁が切れないように」ということですね、ナルホド
お金との縁も切れないように・・・

ナギは温かい地方の樹木、なのに、何故奈良に?
平安よりもっと太古の昔にこの地に寄進されたのでは?南の方(和歌山)からとか?
ナギがなぎ(和ぎ)に通じることから、神籬:ひもろぎ(儀式の依り代としての枝葉の意)として使われる、からかな?と教えていただきました。

続いて鹿が嫌いな植物(春日山原始林にて)
カゴノキ(鹿子の木).クスノキ科

鹿の背中の模様に似てるところから・・・


カゴノキの花


カゴノキの実

クサギ(臭木) クマツヅラ科


レモンエゴマ (檸檬荏胡麻) シソ科


ナチシダ(那智羊歯)イノモトソウ科


若草山山麓で鹿が嫌いな植物
コガンピ(小雁皮)ジンチョウゲ科




ダンドボロギク(段戸襤褸菊)キク科


マツカゼソウ(松風草) ミカン科


これ等の他に鹿が嫌いな植物は?(奈良公園に限る)
アセビ(馬酔木)、イズセンリョウ、イヌガシ、ススキ、チョウセンアサガオ、フジヅル、ヨウシュヤマゴボウ

若草山山頂から東大寺大仏殿


次回は奈良公園にはいろんな樹木にいろんなヤドリギが・・・ ⇒こちら


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なるほど・・。 (ショット)
2011-10-05 21:07:34
わんちゃんさん、沢山お勉強でしたねェ~~・・同好会熱心ですね・・。
ナンキンハゼ本当は紅葉して綺麗なのですよね・・。あまり好まれない?
まつかぜそうも沢山咲いてますと涼しそうで綺麗だし~~。
奈良公演では沢山良いにしろ悪いにしろ木々が育ってますねェ~~。
画像の説明にてよくわかりました。
返信する
鹿と人間の共存。 (道草)
2011-10-06 07:39:53
最近の野山では、鹿や猪の繁殖による農害が大問題になっています。昔はきちんと棲み分けが出来ていましたのに、今は山の手入れをする人手が無くなってしまいました。山の獣達が作物を食べるのも獣害ではなくて、元を糺せば人害なのでしよう。
奈良の鹿は観光客に親しまれているかも知れませんが、この辺りの食性は昔からそれ程の変化はないのでしょうか。鹿の食べない植物もかなりあるのを知りました。「鹿摂食線」と言う言葉も初めて教えられました。奈良の鹿は案外棲み分けが出来ているのかも知れません。

京都の田舎の小学校の遠足は、高学年になれば必ず奈良へ行きました。鹿煎餅を買って、鹿にやる前に食べましたら、余りにもマズイので驚いたものです。やはり、人間と鹿の好むモノは異なる、とつくづく思ったことでした。男は、子供の頃からバカです。そろそろ本格的な秋になりそうです。奈良の鹿達は冬はどうしているのでしょう。
をみなへし秋萩しのぎさを鹿の露別け鳴かむ高円の野ぞ(大伴家持)
返信する
ショットさん こんにちわ~~ (わんちゃん)
2011-10-06 14:07:00
奈良公園は通り過ぎることや
いろいろなイベントで訪れたりとか
でも、公園の中の木々をジックリ観察というのはあんまりなかったです
何百年も前から息づいてる木々たち
スゴイなぁと思いました

ナンキンハゼの紅葉キレイですよね
白い実も可愛いです。
住んでるところの隣の市では
「ナンキンハゼは市の木」になっていて
街路樹に植えられてるところもあるんですよ。

ショットさん、ご覧いただきアリガトウです。
返信する
道草さん こんばんわ~~ (わんちゃん)
2011-10-06 18:34:57
>奈良の鹿達は冬はどうしているのでしょう。

観光目的と合わせて”鹿寄せ”があります。
この時に蒔かれる木の実を一般から持っていくことができますよ。
冬場も結構、芝が青かったり、
鹿が届く範囲内には常緑樹の木々の葉っぱも垂れ下がってますね。

鹿せんべいね、あんまり美味しそうに食べてるモンだから、どんなお味かな?は誰しも・・・
鹿せんべいを買うとき、注意が必要です
お札を鹿が狙っています。

そろそろ牡鹿の立派な角を切る
神事が始まります。
町のあっちこっちでポスター見かけました。
返信する

コメントを投稿