ナチス・ドイツに占領されたフランスで、海の向こうのラジオ放送に耳を傾けていたレジスタンスの活動家らは、その夜、内容に息をのんだ。「さいころはテーブルの上にあります、さいころはテーブルの上に……」。待ちに待った友軍の上陸に備えよ、という暗号だった。
翌朝、仏北西部ノルマンディーの海と空は、米英などの艦隊と航空機に埋め尽くされた。第二次大戦の戦況を大きく転換させた「史上最大の作戦」。きのう(2024-6-6)で上陸から80年がたった。
国際秩序を踏みにじり、領土の拡張という己の欲望を満たそうとする人物が現れたとき、世界はどう対処すればいいのか。21世紀になっても同じ問いを突きつけられている。
10年前のノルマンディーでの式典は、ロシアによるクリミア併合のわずか3ヶ月後のことだった。
いまとなっては違和感もあるが、そこにはプーチン大統領も招かれ、各国首脳と会談を重ねた。「力ずく」の愚かさに気づくよう願ったのを覚えている。だが、そうはならなかった。
あの時、世界がもっと強い態度でロシアに臨んでいたら、その後の悲劇は起きなかっただろうか。
「選択と結果」は複雑に入り組みながら歴史をつむぐ。
道がどこに続くのか、歩く者にも見通せない。
それでも、人間の未来を、さいころを転がすように運に任せるわけにはいかない。
さいころを意味する英語dice(ダイス)は名詞dieの複数形。
ウクライナでガザで、同じ綴りの動詞「死ぬ」がきょうも強いられている。
朝日新聞2024-6-7朝刊:天声人語
史上最大の作戦1962年 シネマ「史上最大の作戦」予告編こちら
予告編を観ていたら懐かしい俳優さんたちが……。こちら
ポール・アンカ&ミッチミラー合唱団「史上最大の作戦 THE LONGEST DAY」こちら
わんちゃん的には「史上最大の作戦」映画は観てないのですが、主題歌の「史上最大の作戦 THE LONGEST DAY」はよく聴きました。1960年代前半に流行ってました。
翌朝、仏北西部ノルマンディーの海と空は、米英などの艦隊と航空機に埋め尽くされた。第二次大戦の戦況を大きく転換させた「史上最大の作戦」。きのう(2024-6-6)で上陸から80年がたった。
国際秩序を踏みにじり、領土の拡張という己の欲望を満たそうとする人物が現れたとき、世界はどう対処すればいいのか。21世紀になっても同じ問いを突きつけられている。
10年前のノルマンディーでの式典は、ロシアによるクリミア併合のわずか3ヶ月後のことだった。
いまとなっては違和感もあるが、そこにはプーチン大統領も招かれ、各国首脳と会談を重ねた。「力ずく」の愚かさに気づくよう願ったのを覚えている。だが、そうはならなかった。
あの時、世界がもっと強い態度でロシアに臨んでいたら、その後の悲劇は起きなかっただろうか。
「選択と結果」は複雑に入り組みながら歴史をつむぐ。
道がどこに続くのか、歩く者にも見通せない。
それでも、人間の未来を、さいころを転がすように運に任せるわけにはいかない。
さいころを意味する英語dice(ダイス)は名詞dieの複数形。
ウクライナでガザで、同じ綴りの動詞「死ぬ」がきょうも強いられている。
朝日新聞2024-6-7朝刊:天声人語
史上最大の作戦1962年 シネマ「史上最大の作戦」予告編こちら
予告編を観ていたら懐かしい俳優さんたちが……。こちら
ポール・アンカ&ミッチミラー合唱団「史上最大の作戦 THE LONGEST DAY」こちら
わんちゃん的には「史上最大の作戦」映画は観てないのですが、主題歌の「史上最大の作戦 THE LONGEST DAY」はよく聴きました。1960年代前半に流行ってました。
いいじゃないですか、そのままで……。
わんちゃん的には「早く”サイコロはテーブルの上にある”日がくることを願わずにはおれない。」
まず「さいころはテーブルのうえにあります、・・・・」の暗号は事実ではありません。時のBBCのフランスレジスタンス向けの放送(暗号指令でフランス語)は詩人ポール・ベルレーヌの「秋の歌」の一節で「秋の日のヴィオロンのためいき」・・・「身にしみて ひたぶるにうら悲し」の繰り返しです。・・・「さいころはてーぶるの上にあります・・・」ではありませんので、この天声人語の著者に問いただす必要があります。
ノルマンディー上陸作戦はテヘラン会談(1943年11月)でソ連のスターリン首相が米国のルーズベルト大統領、英国のチャーチル首相に以前から度々上陸作戦を強く要求していて、反対していたチャーチルであったが、賛成のトルーマンに従って、翌年5月までに決行する密約計画となった。
Dデイ(1944年6月6日)には18万人の連合軍が5箇所からノルマンイー海岸に強行上陸したのであるが、当日の1日だけで、戦死者は連合国側は6千人程度、ドイツ側8千人程度とフランス政府側(亡命政権)が発表しているが、地元のノルマンディー近隣のフランスの町や村は連合軍の絨毯(じゅうたん)爆撃がなされ、そのフランスの民間人の死者数は3万5千人以上とされているので、そのことは殆ど知られていないのである。その上陸後は延べ200万人の軍隊が通過したとあるから正に史上最大の作戦である。
また、映画のタイトルにもなっている「一番長い日」(The Longest Day)のコトバは誰が言ったのかというと「エルヴィン・ロンメル元帥」(ドイツの将軍)が連合国の暗号解読を知り、その日が最も長い一日であると、部下に言った言葉として記録されている。アメリカ人、イギリス人がいったのではないのである。
話は変わりますが今年の「一番長い日」である「夏至の日」は6月21日です・・・みなさん暑い昼間をどうすごしているのでしょうか!!・・・