宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

ますます鮮明に見えてきた、ケレスで輝く謎の光点

2015年06月13日 | 小惑星探査 ドーン
準惑星ケレスを周回中のNASAの小惑星探査機“ドーン”が、
ケレスの地表に見られる謎の光点を、さらに低い高度からとらえたんですねー

“ドーン”は、準惑星ケレスを周回しながら観測を行っていて、
現在は少しずつ高度を下げているところ。

画像は5月16日にケレスから約7200キロ離れたところから撮影された連続写真の一部で、
1ピクセルあたり700メートルの解像度で地表をとらえています。
直径91キロのクレーター内に明るい光点が見える。

2月に見つかった表面の明るい交点については、
氷のような太陽光を反射しやすい物質であることは分かってきたのですが、
その正体については、まだはっきりしていないんですねー

火星の表面では、小天体の衝突で地下の氷が露出することがあるのですが、
徐々に見えなくなってしまいます。

ということで、ケレスの光点が氷だとすれば、
昇華するかチリに覆われるかして、徐々に消えてしまうので、
比較的新しいもののようです。
明るい光点
5月4日に高度約1万3500キロから撮影(右)
5月16日に行動7200キロから撮影(左)

ケレスの自転をとらえた動画を見ると、
クレーターが影で覆われているときにも、
光点が太陽光を反射していることが分かります。

なので、この点は高い場所にあるようです。

さらに、日の出時の映像からは、
もっとも明るい光点が、丘の斜面に沿って輝いているように見えています。

このことから光点は、
比較的最近に起こった地滑りか天体の衝突によって、
氷か塩が露出したものなのかもしれません。

“ドーン”がケレス表面にさらに接近して、
より鮮明な画像を送ってくれるのが楽しみですね。


ケレスの明るく光る点は氷かも?

2015年06月01日 | 小惑星探査 ドーン
今年の2月に、NASAの小惑星探査機“ドーン”がとらえた準惑星ケレスの光点…

この正体は、発見から3か月以上過ぎた今でも、はっきりとしていません。

でも高解像度の観測から、
複数の小さな点が集まっているものであることが、明らかになってきたんですねー

そして、それは氷が存在している可能性につながるようです。

ケレスの光点

“ドーン”が観測を始めたのは、準惑星ケレスの周回軌道に入った今年3月のこと。

5月の初めには、約1万3600キロ上空からケレスの表面を撮影しています。

この画像をつないで作られたアニメーションからは、
ケレス表面にあるクレーターの大きさや形、重なり具合などが分かってきたんですねー

特に目を引いたのが、“ドーン”が周回軌道に入る前(今年2月)に見つかった、
北半球のクレーター内にある明るい2つの光点。

まだ、その正体ははっきりしていませんが、
今回の画像は、1ピクセルあたり1.3キロという高解像なので、
より小さい点が複数集まって光点が出来ていることが明らかになります。

研究者によると光点は、太陽光を反射して明るく見えていると言うこと、
なので光を反射している物質は、氷かもしれないんですねー

“ドーン”は現在、徐々に高度を下げていて、
来月からは、ケレス上空4400キロからの観測を開始します。

これにより、地表の様々な構造やその形成史、
現在の活動状況などを解き明かしてくれるはずです。

そして気になるのは、やっぱり光点の正体ですね。

準惑星ケレスの謎の明るい点は水蒸気の噴出かも

2015年04月16日 | 小惑星探査 ドーン
準惑星ケレスの最新画像から、
謎の明るい点の正体は、水が凍った氷とみられること、
水蒸気のプルームを噴き出した可能性があることが分かってきました。

ひょっとするとケレスは、“死の星”とはほど遠い存在なのかもしれません。

準惑星ケレスの最新画像。
クレーター内に非常に明るい点が見えている。

画像は、現在この星に接近しているNASAの探査機“ドーン”が撮影したもので、
今回の発見は、ケレスの地中の状況について手がかりを与えてくれる、エキサイティングな発見なるそうです。

ケレスの1日を通して、この明るい点の見え方は変化します。

日中は明るくなるのですが、夕暮れになるとずっと暗くなり、最後には完全に消えてしまうんですねー

この明るい点は、はじめはハッブル宇宙望遠鏡でかすかに観測され、探査機“ドーン”でも観測されることになります。

「氷の水が含まれているのでは?」っと予測されていたのですが、
これまでの画像ではよく分からず…
最新の画像で、実際に氷であることが示唆されることになります。

また、別の角度から撮影された画像などから、
“Feature 5”と呼ばれているこの明るい点は、
物質が噴き出したプルームと関連しそうだと分かることに…

“Fuature 5”は、幅が80キロのクレーターの底に位置しているのですが、
クレーターの縁辺部によってカメラの視界が遮られたタイミングでも、
“Feature 5”は明るく見えているんですねー

現時点では、何らかのガスの放出であると考えられているのですが、
確認するには、より高い解像度のデータが必要なようです。

探査機“ドーン”、準惑星ケレスに到着!

2015年03月11日 | 小惑星探査 ドーン
NASAの惑星探査機“ドーン”が、
3月6日に、2か所目の目的地になる準惑星ケレスを回る周回軌道に入りました。

準惑星に分類されている星を、探査機が訪れるのは史上初のこと。
これから約1年にわたって、ケレスの周回しながら探査を行うことになります。
“ドーン”が周回軌道に入ったのは、ケレスから約6万1,000キロ離れた場所。

その後、約1時間後に、
NASAのジェット推進研究所の管制センターに“ドーン”からの信号が届き、
計画通りの軌道に入っていることが確認されました。


ケレスは1801年に発見され、最初は惑星だと考えられていました。
でも、その後、世界最初にして、最大の小惑星として再分類されることになります。

さらに、2006年になり、冥王星やエリスと共に“準惑星”へ…

ケレスは、「惑星」→「小惑星」→「準惑星」へと、
3度もカテゴリーが変更された天体なんですねー

一方“ドーン”は、
2007年9月に打ち上げられた探査機で、
小惑星ベスタと準惑星ケレスの2つの天体を、探査することを目的としています。

探査機が2つの天体を訪れ、その軌道に入って探査を行うのは世界初。

ベスタとケレスは共に、火星と木星の軌道の間にある小惑星帯の中に位置していて、
ベスタは、この小惑星帯の中で2番目に大きな天体なんですねー

ただ、1番大きな天体はケレスで、
最大直径は950キロあり、内部には液体の水が存在している可能性もあるようです。
“ドーン”は打ち上げ後、イオン・エンジンを使って宇宙を航行し、
2009年2月に火星をスイング・バイして加速、2011年7月にベスタに到着しています。

そして、約14か月にわたって探査を行い、2012年9月にベスタを出発して、
次の目的地になるケレスに向けて再び航行を始めていました。

“ドーン”は、今後約1年をかけて、ケレスを周回しながら探査を行うことになっています。

その後の計画は、まだ未定なんですが、
機器などが正常で、まだ探査に余力があるようなら…
さらに別の星を訪れる可能性もあるようですよ。


準惑星ケレスに謎の光が2つ…

2015年03月06日 | 小惑星探査 ドーン
太陽系の小惑星帯内では最大の天体になる準惑星ケレス。
この準惑星ケレスの表面に、2つ目となる光の点が発見されました。
NASAの小惑星探査機“ドーン”が
撮影した準惑星ケレス

このことにより、NASAの科学者たちが、
その正体について頭を悩ませているんですねー

ただ、NASAの小惑星探査機“ドーン”が、
ちょうどケレスの軌道に入る準備を進めているので、“ドーン”の調査によって、この光の謎が解明されるかもしれません。


この画像は、ケレスから約4万6000キロ離れた位置から撮影されたもの。

以前発見された明るい点の隣に、やや暗めの点が並んで写っています。

この2つの光は、同じベイズン(盆地)から発せられていると見られていて、
火山のような光源を示している可能性があるそうです。

でも、そうした地質学的な解釈をする前に、
“ドーン”から、より解像度の高い画像が送られてくるのを待った方が良いのでしょうね。

“ドーン”は3月6日に、ケレスの軌道上に投入される予定になっています。

なのでNASAの科学者達は、
“ドーン”がより近い位置にまでケレスに接近し周回することで、
「謎の光がより高画質でとらえられる」と期待しているそうですよ。