非常に高エネルギーの宇宙線を生み出している領域。
ナミビアのヘス望遠鏡による長年のガンマ線観測により、
その領域が、天の川銀河の中心に存在するようです。
ガンマ線の観測
地球には宇宙線と呼ばれる、
陽子、電子、原子核といった高エネルギー粒子が絶えず降り注いでいます。
ただ、宇宙線は電気を帯びていて、
天の川銀河内の恒星間磁場によって大きく曲げられてしまいます。
なので、その発生源を直接特定することはできません。
でも、宇宙線が周囲の光やガスと相互作用して生成したガンマ線は別です。
ガンマ線は磁場の影響を受けずにまっすぐ進むので、
その起源をたどることが可能なんですねー
チェレンコフ光
高エネルギーのガンマ線が地球に届くと、
上層大気中の分子と相互作用して、
チェレンコフ光を放射する二次粒子のシャワーが発生します。
このチェレンコフ光を検出することによって、
過去30年間に100個以上の高エネルギーガンマ線源が確認されてきました。
そして、約100テラ電子ボルト(可視光線の100兆倍)ものエネルギーを持つ宇宙線が、
超新星残骸やパルサー風星雲などの天体で生成されていることが分かっています。
一方で天の川銀河内では、
少なくとも1ペタ電子ボルト(=1000テラ電子ボルト)の宇宙線が、
生成されるはずだと考えられています。
でも、そうした非常に高いエネルギーを持つ宇宙線源は検出されたことがないんですねー
発生源は超大質量ブラックホール
今回の研究で用いられたのは、
アフリカ南西部のナミビアに設置されたヘス望遠鏡による、
天の川銀河の中心領域の地図作りのデータ。
10年以上にわたる高エネルギーのガンマ線観測からは、
ガンマ線が銀河の一番奥からやってくる宇宙線によって生成されていて、
宇宙線源は銀河中心の超大質量ブラックホールとだということが明らかになります。
ペタ電子ボルトにおよぶ宇宙線加速の直接的な証拠が、
初めて示されたんですねー
ヘス望遠鏡は最初の3年間で、
銀河の中心領域に非常に強力なガンマ線の点源を発見。
それだけでなく、約500光年にわたる領域内の巨大な分子雲から放射される、
広がったガンマ線放射もとらえています。
この現象は、分子雲が光速に近い速度の宇宙線にさらされ、
分子雲内の物質と相互作用してガンマ線が生成されているようでした。
さらに、その後の観測と分析で、
銀河中心で宇宙線にエネルギーが供給されるプロセスにも、
光が当てられることになります。
そして分かった事が、天の川銀河の中心33光年以内に、少なくとも1000年間、
陽子に約1ペタ電子ボルトものエネルギーを持たせる天体が存在したことなんですねー
ペタ電子ボルトのエネルギーを持つ陽子の側は、
天の川銀河の中心に位置する超大質量プラックホール“いて座A*(エー・スター)”と
考えるのが順当です。
もし、“いて座A*”の活動が過去にもっと活発なものだった場合、
現在地球で観測される銀河宇宙線の大部分の起源は“いて座A*”と言えます。
それが本当なら、
なぞの粒子の起源に関する長年の論争に大きな影響を与えることになりますね。
ナミビアのヘス望遠鏡による長年のガンマ線観測により、
その領域が、天の川銀河の中心に存在するようです。
ガンマ線の観測
地球には宇宙線と呼ばれる、
陽子、電子、原子核といった高エネルギー粒子が絶えず降り注いでいます。
ただ、宇宙線は電気を帯びていて、
天の川銀河内の恒星間磁場によって大きく曲げられてしまいます。
なので、その発生源を直接特定することはできません。
でも、宇宙線が周囲の光やガスと相互作用して生成したガンマ線は別です。
ガンマ線は磁場の影響を受けずにまっすぐ進むので、
その起源をたどることが可能なんですねー
チェレンコフ光
高エネルギーのガンマ線が地球に届くと、
上層大気中の分子と相互作用して、
チェレンコフ光を放射する二次粒子のシャワーが発生します。
このチェレンコフ光を検出することによって、
過去30年間に100個以上の高エネルギーガンマ線源が確認されてきました。
そして、約100テラ電子ボルト(可視光線の100兆倍)ものエネルギーを持つ宇宙線が、
超新星残骸やパルサー風星雲などの天体で生成されていることが分かっています。
一方で天の川銀河内では、
少なくとも1ペタ電子ボルト(=1000テラ電子ボルト)の宇宙線が、
生成されるはずだと考えられています。
でも、そうした非常に高いエネルギーを持つ宇宙線源は検出されたことがないんですねー
発生源は超大質量ブラックホール
今回の研究で用いられたのは、
アフリカ南西部のナミビアに設置されたヘス望遠鏡による、
天の川銀河の中心領域の地図作りのデータ。
10年以上にわたる高エネルギーのガンマ線観測からは、
ガンマ線が銀河の一番奥からやってくる宇宙線によって生成されていて、
宇宙線源は銀河中心の超大質量ブラックホールとだということが明らかになります。
ペタ電子ボルトにおよぶ宇宙線加速の直接的な証拠が、
初めて示されたんですねー
ヘス望遠鏡は最初の3年間で、
銀河の中心領域に非常に強力なガンマ線の点源を発見。
それだけでなく、約500光年にわたる領域内の巨大な分子雲から放射される、
広がったガンマ線放射もとらえています。
この現象は、分子雲が光速に近い速度の宇宙線にさらされ、
分子雲内の物質と相互作用してガンマ線が生成されているようでした。
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天の川銀河の中心を取り囲む巨大分子雲と、 そこからガンマ線が放射される様子(イメージ図)。 |
さらに、その後の観測と分析で、
銀河中心で宇宙線にエネルギーが供給されるプロセスにも、
光が当てられることになります。
そして分かった事が、天の川銀河の中心33光年以内に、少なくとも1000年間、
陽子に約1ペタ電子ボルトものエネルギーを持たせる天体が存在したことなんですねー
ペタ電子ボルトのエネルギーを持つ陽子の側は、
天の川銀河の中心に位置する超大質量プラックホール“いて座A*(エー・スター)”と
考えるのが順当です。
もし、“いて座A*”の活動が過去にもっと活発なものだった場合、
現在地球で観測される銀河宇宙線の大部分の起源は“いて座A*”と言えます。
それが本当なら、
なぞの粒子の起源に関する長年の論争に大きな影響を与えることになりますね。