位置天文衛星“ガイア”による星の動きの観測から分かったこと。
それは、天の川銀河とアンドロメダ座大銀河の衝突が起こるのが約45億年後ということでした。
これまでの見積りよりも6億年も先になるようです。
近づきつつある2つの銀河同士はどう衝突するのか?
私たちのいる太陽系は“天の川銀河”の中にあります。
その“天の川銀河”も、50個ほどの銀河からなる“局部銀河群”と呼ばれる銀河のグループに属しているんですねー
この“局部銀河群”に含まれているのが、“天の川銀河”から約250万光年ほど離れたところにある渦巻銀河“アンドロメダ大銀河(M31)”や“さんかく座銀河(M33)”です。
“天の川銀河”と“アンドロメダ座大銀河”は近づきつつあり、数十億年後には衝突することが、これまでの研究で分かっています。
ただ、銀河の3次元的な動きははっきりと分かっていないので、銀河同士がどう衝突するのかは不明確でした。
衝突は45億年後に起こる
そこで、アメリカ・宇宙望遠鏡科学研究所のチームが進めているのが、ヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星“ガイア”の観測データを用いて、銀河がどのように動いているのかを調べる研究です。
“ガイア”の主目的は“天の川銀河”に含まれる恒星の位置と動きを調べること。
でも、“アンドロメダ座大銀河”や“さんかく座銀河”は近距離にあるので、それぞれの銀河に含まれる大質量の明るい星は観測できました。
そのデータから、これらの星が銀河内をどのように公転しているかを調査しています。
“アンドロメダ座大銀河”内の星の動き。 黄色い矢印は、それぞれの位置にある星の平均的な運動の方向を表している。 銀河の画像はNASAの紫外線天文衛星“GALEX”がとらえたもの。 |
これまで、“さんかく座銀河”は過去に“アンドロメダ座大銀河”と接近したかもしれないと考えられたこともありました。
でも、今回の研究によりこの説は否定されることになります。
また、今回の結果で示されている“アンドロメダ座大銀河”の動きがこれまでの推定と異なっているので、“天の川銀河”と“アンドロメダ座大銀河”の衝突のタイミングも以前の予想とは異なる可能性が出てきたんですねー
これまで40億年後とされていた銀河同士の衝突は、今回の研究結果により約45億年後に起こることになり、正面衝突ではなく斜めからぶつかるような動きになるようです。
“天の川銀河”(青)、“アンドロメダ座大銀河”(赤)、“さんかく座銀河”(緑)の移動経路。 >印は25億年後、Ⅹ印は45億年後の位置(スケールバーの単位は100万光年)。 |
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