宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

12光年先にあった! 太陽に似た星を回る4つの地球型惑星

2017年08月31日 | 地球外生命っているの? 第2の地球は?
太陽よりもやや小さく低温ながらも、太陽と同じスペクトル型(G型)の星があります。
それは地球から12光年彼方に輝く3等星“くじら座τ星”。

距離が近いこと、太陽に似ていることから、
地球外知的生命体探査計画“オズマ計画”のターゲットの1つとして選ばれるなど、
研究対象として興味深く、様々なSFの舞台としても取り上げられてきた天体です。
  もうすぐ見つかる? 第2の地球探索
    

今回、この“くじら座τ星”の周りに、地球と同程度の質量を持つ系外惑星が4つ発見されました。
  南米チリのヨーロッパ南天天文台ラ・シーヤ観測所と、
  ハワイのケック望遠鏡の観測データから系外惑星が見つかった。


太陽系に近いところにある太陽に似た星の周りに見つかったものとしては、
最小クラスの系外惑星になるそうです。
“くじら座τ星”の周りに発見された4つの惑星(上)と、太陽系の内惑星(下)を比較したイラスト。


ドップラーシフト法

検出には、惑星の重力で主星がわずかにふらつく動きを検出する、
“ドップラーシフト法”が用いられました。  主星とは惑星系の中心にある恒星。

ただ、“くじら座τ星”のふらつきを観測するには、
1秒当たり30センチというわずかな動きの変化を検出できるだけの技術が必要になります。

惑星が小さければ主星に惑星が及ぼす重力も小さくなるので、
主星のふらつきを検出することがいっそう難しくなるということです。

さらに、観測データが惑星由来のシグナルなのか、
主星由来なのかの違いを見分ける必要もあるんですねー

今回の研究では、観測波長を変えると主星の活動が異なって見えることを利用し、
惑星のシグナルから恒星の活動を分離することに成功。

これにより、惑星によって引き起こされるふらつきと、
活動が活発な恒星の表面によって引き起こされる現象との違いが、
徐々に見分けられるようになりました。

この方法で、2013年にとらえられ惑星からのものと思われていたシグナルのうち2つを除外、
そのうえで、どう見ても少なくとも4つの岩石惑星が存在していることが分かってきます。
  12光年先に第2の地球を発見?
    

見つかった4つの惑星のうち外側の2つはハビタブルゾーンに位置するスーパーアースで、
表面には水が液体で存在できる環境が存在すると考えられます。
  ハビタブルゾーンとは、恒星からの距離が程良く、
  惑星表面に液体の水が存在できる領域。生命が存在できる範囲。


ただ、主星の周りには巨大なデブリ(惑星形成材料の残骸)の円盤があるので、
惑星は小惑星や彗星と衝突を繰り返すことに… なので生命に優しくない環境なのかもしれません。

そうとはいえ、今回わずかなふらつきを検出できたことは、地球のような惑星探しにおいて、
また地球のような惑星との比較から地球上にある生命の居住を許す環境への理解を深める上で、
画期的な成果といえますね。


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天の川銀河の物質の半分は別の銀河からやってきていた!?

2017年08月29日 | 銀河・銀河団
ひょっとすると地球や私たちの体の一部は銀河外物質からできているのかもしれません。

っというのも「天の川銀河の物質の半分は遠い銀河からやってきたらしい。」ということが、
スーパーコンピュータによるシミュレーションから示されたからです。

今回の研究では、ノースウェスタン大学の研究チームが銀河を作る物質の流れを
スーパーコンピュータによる銀河形成シミュレーションにより追っています。

すると、天の川銀河などを構成する物質の半分は、
銀河間の物質輸送によって外からやってきたらしいことが示されました。
天の川銀河のような渦巻銀河“M101”

小さい銀河で発生した超新星爆発で銀河のガスが吹き飛ばされ、
そのガスが銀河風に乗って大きい銀河へと到達するという過程を経て、物質の移動は起こるそうです。

ただ、銀河同士は遠く離れているので、
銀河風が秒速数百キロで広がっていくとしても、物資の移動には数十億年もの時間がかかるんだとか。

この研究結果は、銀河がどのように形成されたのかに関する理解を一変させるものになります。
太陽系や地球、私たちひとりひとりを含め、身の周りにある原始の半分は、
天の川銀河固有のものではなく、最大で100万光年離れた銀河からやってきたことになるんですねー

私たちの起源は、思っていた以上に天の川銀河とは縁が薄いもので、
反対に、身の周りのものと遠い天体との間のつながりを感じさせてくれる結果になりますね。

私たちを作る物質のうち、どれくらいが他の銀河からやってきたのかを考えれば、
案外、他の銀河の生命体とも多くの共通点があるのかもしれませんね。


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ニャンコの駅長に会って新鮮な魚を食べるツーリング

2017年08月23日 | バイク・旅・ツーリング
新鮮な魚を安く食べさせてくれる鮮魚店直営のお店が和歌山にある‼

この情報を聞いてビビッときたんですねー
そう明後日からは盆休み。時間はある! 行かない手はない!

なので今回走りに行くのは和歌山。
ニャンコの駅長に会って、温泉に浸かり、珍しい扇形の棚田も見てきます。

○○○


ニャンコの駅長に会って新鮮な魚を食べる

出発は8月11日(金)の朝8時。

天気予報は晴れ。 なんですが、気になるのが雲が多いこと。
阪神高速湾岸線に入ったところで霧雨が降ってきました。(雨はすぐにやみました。)

阪和自動車道から京奈和自動車道に入り岩出根来で一般道に出た後は、
県道の63号~14号~10号を走って着いたのが和歌山電鐵の貴志駅

お昼を食べるお店が11時開店なんで時間は十分あります。
屋根に耳が付いていて駅舎がネコの顔に
駅前に駐車スペースが無いため近くの無料駐輪場に誘導されました。
タマ駅長は引退したのか、いま勤務しているのはスーパー駅長の“ニタマ”&駅長見習い“よんたま”。
和歌山電鐵 貴志駅。二代目の“ニタマ駅長”
“たま電車”とは時間が合わず… ホームに入ってきたのは赤い“うめ☆電車”でした。
時刻はまだ10時過ぎ… お昼にはまだ早いのですが人気店って聞いていたので、
店頭でスタンバイすることにしました。 お昼をいただくお店は日本料理 丸己さんです。
結局、開店時刻に並んでいたのは十数人、店に入って食事を始めた頃には満席になっていました。

お店に入って目に付くのがカウンター席上のホワイトボード。
本日のおすすめメニューには美味しそうな一品料理名が並んでいます。
定食は“日替わり定食”、“お造り定食”、“天ぷら定食”の他に、“とんかつ定食”や“からあげ定食”まである状態… 鮮魚だけでは無いんですねー
8種類の魚が盛られた“お造り定食”は980円でした。
色々と悩むところですが、今回は最初に決めていた“お造り定食”を注文。

そして目の前に並んだのが、
ご飯と味噌汁に小鉢、メインはお皿に盛られた活きの良いお刺身たちです。
お造りが多いせいか最後にはご飯が足らなくなっちゃいました。

ネットで見た写真にはウニや甘エビが写っていたので、冬にもう一度行きたいですね。
お店は鮮魚店の横

開放感抜群の温泉から珍しい扇形の棚田へ

昼食を終えると国道424号を南に走って行きます。

向うのは有田川の渓谷“明恵峡”にある温泉。
“明恵峡”を望む高台に建てられた“かなや明恵峡温泉”です。

温泉施設っぽくない建屋は紀州材をふんだんに使ったドーム型。

高台にある温泉だけあって、
露天風呂からの眺めは山々が見渡せ最高に開放感がありましたー
ズバリ、おすすめは紅葉の時期だと思います。
かなや明恵峡温泉
有田川と並走する国道480号を東へ走ると日本の棚田百選のひとつ“あらぎ島”に到着。
なんですが、ビューポイントは棚田を見下ろせる“あらぎ島展望台”。
有田川対岸を通る旧道沿いにあります(駐車スペースもありますよ)。

“あらぎ島”は有田川がΩ字に曲がっている内側を開墾してできた棚田なので、
大小54枚の水田が扇形に並んでいるんですねー この形状が珍しいということです。
“あらぎ島”は通称名で本来は嶋新田というようです。
さて、時間に余裕があるので最後に隠しイベントを発動です。
熊野牛丼を食べるため高野山へ! 向かうお店は高野山の一の橋観光センターです。

高野山までは有田川を遡る様に並走する山間ルート、国道480号は走り応えありで楽しめましたー
ただ高野山に着いてみると、お店はまさかのランチタイム終了…
仕方が無いので国道480号で山を降りて唐国町から阪和自動車道に乗って帰ることに (^^ゞ

まぁー 盆休みなのに渋滞に遭遇せず、
逆に車が少ない走りやすいツーリングだったので良しとしますか!

後で調べて分かったんですが、一の橋観光センター(本店)は団体客用のレストランで、玉川店に行けば良かったようです。


阪和自動車道~京奈和自動車道を走って和歌山県岩出市に入り、ニャンコ(貴志駅)とお昼(丸己)へ。国道424号を走って“かなや明恵峡温泉”、有田川沿いの国道480号で“あらぎ島”を回り、高野山経由で帰宅です。


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月の内部に水が存在する新たな証拠

2017年08月07日 | 月の探査
月にかなりの量の水が存在する。 っという可能性が見つかりました。

手がかりとなったのはアポロ計画による月のサンプル分析と、
インドの探査機“チャンドラヤーン1号”のデータ。

月面に広範囲に広がる火山性堆積物の中に初めて水が検出されそうですよ。


ガラス粒子内の水

月の内部の水や揮発性物質の大部分は、すでに失われていると長年考えられてきました。

でも、2008年にブラウン大学の研究チームが検出したのは、
アポロ15号と17号によって地球に持ち帰られた火山性のガラス粒子内に水の存在を示す痕跡でした。
状況が変わってきたんですねー

2011年にはガラス粒子内の小さな結晶の形成が詳しく調べられ、
地球上の玄武岩の一部に含まれる量と同程度の水が、
ガラス粒子に含まれていることが明らかになります。

このことは、月のマントルの少なくとも一部には、
地球と同じくらいの水が含まれていることを示すものでした。

ただ、アポロ計画で持ち帰られたサンプルが月内部の全体的な状態を示しているのか、
それとも、乾いたマントル内の一部に異常に水の豊富な領域があることを示しているのか、
っという重要な問題を残していました。
  月に水があるのは小惑星が運んできたからです?
    


水は月面上に広がって分布している?

今回はハワイ大学の研究チームが、月のサンプルの計測結果と、
月面上の火砕流堆積物が存在する領域の温度に関する詳細なデータとを合わせて、
どんな鉱物や化合物が存在し、火山堆積物の含水量がどの程度かについて調べています。
  探査データとして用いられたのはインドの月周回探査機“チャンドラヤーン”のもの。

すると、アポロ15号、17号が含水ガラス粒子のサンプルを採取した場所に存在する火砕流堆積物を含め、ほぼ全ての火砕流堆積物に水が存在する証拠が得られたんですねー

水を豊富に含む堆積物の分布が問題になっていましたが、
研究の結果により月面上に広がって分布していることが分かりました。

そう、アポロ計画で持ち帰られたサンプルが例外ではないことになり、
月の火砕流堆積物全般に水が含まれていることに…
同じことはマントルにも当てはまる可能性もあるんですねー
水の存在を示した月面図。色のついた領域(とくに赤や黄のところ)は、周囲よりも水が多く存在する。

月は、地球に火星サイズの天体が衝突して生じた残骸から形成されたと考えられています。

でも、その際に発生した熱のため水の形成に必要な水素が無くなってしまい、
月の内部は乾燥しているはずでした。

なので、月内部の水の起源は謎のまま…
可能性としては、水が衝突の熱に耐えられたのか、
月が完全に固まる前に小惑星や彗星によって水がもたらされたことが考えられます。
  月の砂に含まれる水は、太陽風で作られていた
    


将来の月探査に影響を与える成果

火山性の粒子自体に含まれる水の重量は100グラム当たり5グラムほどで、
とても多いというわけではありません。

でも、堆積物は大量に存在するので、そこから水を得ることは可能なようです。

これまでの研究で、月の両極にある太陽光が当たらない領域にも水の氷の存在が示唆されています。

ただ、火砕流堆積物はもっとアクセスしやすい場所にあるので、
将来の有人月探査で必要になる大量の水を地球から運ばずに済みそうです。

これは月探査計画において大きな前進になりますね。


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渦巻銀河の腕を見れば中心ブラックホールの質量が分かる?

2017年08月05日 | 銀河と中心ブラックホールの進化
今回発表されたのは渦巻銀河の渦状腕の開き具合と、
その銀河の中心にあるブラックホールに強い相関があること。

渦巻銀河の腕の開き具合を見るだけで、
その銀河の中心に潜む超大質量ブラックホールの質量が推測可能だそうです。

いまだにほとんで分かっていない中間質量ブラックホール探しにも役立つようです。


腕の開き具合とバルジの大きさ

ほとんんどの銀河の中心には、
太陽の数百万倍から数十億倍もの質量をもつ超大質量ブラックホールが、
存在すると考えられています。

その銀河中心ブラックホール存在の推定や質量の見積りは、
これまで、ブラックホール周囲を回る星やガスの運動から見積もられていました。
  太陽1億4000万個分もある!? 銀河中心の超大質量ブラックホール
    

今回の研究では、この銀河中心ブラックホールの質量と、
渦巻銀河の渦状腕の開き具合(あるいは、巻き具合)との関係を調査。

銀河を形状で分類する“ハッブル分類”では、
渦巻銀河は、腕が最もきつく巻き付いた“Sa型”から腕が大きく開いた“Sd型”に分けられています。
  “ハッブル分類”は天文学者のエドウィン・ハッブルが考案した。
そして、腕が開いた渦巻銀河ではバルジという銀河中心の膨らんだ領域が小さく、
反対にバルジが大きいと腕が巻き付いているという特徴が分かります。
  バルジが大きい銀河は赤い
    

銀河の腕の巻き具合と銀河中心ブラックホールの質量との間に、
関係があることが見つかったのが約10年前のことでした。

今回の研究は10年前の研究を発展させ44個の銀河サンプルを慎重に分析。

すると、これらの間に予想以上に強い相関が見られ、
開いた腕を持つ“Sc型”や“Sd型”の渦巻銀河では、
銀河中心ブラックホールの質量が小さいことを示す結果が見出されています。

この結果は、これまでの質量推測方法に匹敵するほどの相関が見られたんですねー

なので、銀河の画像を見るだけで、
すぐに銀河中心ブラックホールの質量を見積もることができるそうです。
おおぐま座の渦巻銀河M81 の赤外線観測画像。
“Sab型”に分類され、中心ブラックホールの推定質量は太陽の6800万倍。

銀河の円盤部とブラックホールの関係

渦巻き模様が見られるのは、銀河の円盤部であることを考えれば、
今回の結果は、今までよく分かっていなかった銀河の円盤部と、
ブラックホールの関係に光を当てるものになります。

さらに可能になったのが、バルジを持たない円盤銀河の中心ブラックホールの質量の予測。
ブラックホールと円盤は共進化するはずだということを示唆することになります。

今回の研究成果により、
渦巻銀河の中心ブラックホールの質量を明かすことは簡単なことになりました。

さらに、腕の巻き具合とブラックホール質量の関係は、
いまだにほとんで分かっていない中間質量ブラックホール探しにも役立つようですよ。
  中間質量ブラックホールは太陽の100倍から10万倍の質量をもつ。


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