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目指せ商業打ち上げの受注! 今度のH-IIAは高度化で勝負

2015年09月30日 | 宇宙 space
“H-IIA”ロケット29号機が、
テレサット社の通信衛星“テルスター12ヴァンテージ”を搭載して、
2015年11月24日に打ち上げられることになりました。

この29号機では「高度化」と呼ばれる、
打ち上げ能力を向上させるための改良が、
初めて本格的に適用されることになるんですねー


海外受注としては初の静止衛星

打ち上げ予定日は2015年11月24日で、
時間帯は15時23分から17時7分(日本時間)の間で設定されています。

また延期した際の予備期間として確保されているのは、
11月25日から12月31日まで。

そして、予備期間中の打ち上げ時間帯は、
打ち上げ日ごとに設定されることになります。

打ち上げる衛星は、
衛星通信大手のテレサット社(カナダ)の新型通信衛星“テルスター12ヴァンテージ”。

海外から受注した商業打ち上げとしては、
2012年打ち上げの韓国“アリラン3号”以来2例目なんですが、
静止衛星は初めての事例になります。

“テルスター12ヴァンテージ”は、
欧州のエアバス・ディフェンス&スペース社が製造を担当した衛星。

52基のKuバンド・トランスポンダーを搭載し、
西経約15度の静止軌道から、南米や大西洋地域、欧州、中東、アフリカに対して、
通信や放送サービスを提供します。

打ち上げ時の質量は4900キロで、設計寿命は15年が予定されています。
H-IIA F29コア機体


過去最長のミッション

“H-IIA”ロケットは、
まず第1段エンジン“LE-7A”と固体ロケットブースター(SRB-A)に点火して離昇し、
1分56秒後に“SRB-A”を分離します。

今回使われる“H-IIA”の204形態は“SRB-A”を4基装備しているので、
分離は2基ずつに分けて行われることになります。

その後は“LE-7A”だけで飛行を続け、
打ち上げから6分40秒後に燃焼を終えて第2段と分離、
続いて第2段エンジン“LE-5B-2”に点火されます。

“LE-5B-2”は、まず4分ほど燃焼して停止。
続いて10分ほど慣性飛行した後、2回目の燃焼を行います。

第2回燃焼は約4分間続き、
それが終わると約4時間にわたって慣性飛行をします。

そして打ち上げから4時間22分45秒後に、第3回燃焼を1分弱ほど行って停止、
その直後に衛星を分離することになります。

分離時点での軌道は、
地表から最も近くなる近地点で高度約3131キロ、
最も遠くなる遠地点で高度約3万5586キロ、
軌道傾斜角(赤道からの傾き)は19.2度。

離昇から衛星分離までは4時間26分56秒にもなり、
H-IIAロケットはもちろん、日本のロケットにとっても、
過去最長のミッションになるんですねー
H-IIAの1号機


高度化の目的

今回の“H-IIA”ロケット29号機では、
「高度化」と呼ばれる、より使いやすいロケットを目指した改良策が、
初めて本格的に採用されます。

たとえば、これまでの“H-IIA”では、
通信や放送でよく使われる静止衛星の打ち上げ能力が、
他国のロケットと比べて劣っていました。

その理由は、静止衛星が乗る軌道“静止軌道”にあります。

“静止軌道”は、赤道上空(緯度0度)の高度約3万5800キロのところにあり、
地球の自転とほぼ同期しています。

地球から衛星、また逆に衛星から地球を見ると、
相手が静止しているかのように見えることから、そう呼ばれているんですねー

この“静止軌道”への距離的な問題から、
多くのロケットが“静止軌道”に衛星を直接投入することはできず、
その一歩手前の“静止トランスファー軌道”というところに投入しています。

ただ“静止トランスファー軌道”は、
高度や赤道からの軌道の傾きが“静止軌道”からずれているので、
その差を埋めて“静止軌道”に乗り移るのに必要となるのが、
衛星側でのエンジン噴射です。

そして、ロケットが投入する“静止トランスファー軌道”と、
最終的にたどり着かなければならない“静止軌道”との「差」が小さければ小さいほど、
衛星にとっては負担が軽く済むということになります。

ところが、“H-IIA”が打ち上げられる種子島宇宙センターは、
北緯約30度にあるので、この「差」が大きくなってしまうことに…

なので条件の悪い“静止トランスファー軌道”にしか衛星を投入できませんでした。

一方、商業打ち上げでライバルにあたる欧州の“アリアン5”ロケットは、
赤道直下の南米ギアナから打ち上げることができます。

そう、条件の良い“静止トランスファー軌道”に投入することが可能なんですねー

他のロケットも性能を上げるなどして、
少しでも衛星にとって優しい“静止トランスファー軌道”に入れられるよう、
工夫をしています。

つまり同じ衛星を“H-IIA”で打ち上げた場合には、
「他のロケットで打ち上げた場合に比べ、衛星の推進剤を多く使ってしまう」
っという問題があり、このことは衛星の寿命にかかわることになります。

他にも、
「他国のロケットを基準にして作られた衛星が、“H-IIA”では打ち上げられない」
という問題もありました。

そこで高度化では、ロケットの第2段エンジンや機体に改良を施し、
  「これまでより長い時間の運用を可能にする」
  「エンジンの燃焼開始と停止を3回繰り返し出来るようする」
などにより、これまで衛星が負担していた軌道を変えるのに必要な推進剤の一部を、
ロケット側で肩代わりしようとしています。

これにより、他国のロケットで打ち上げた場合と、
ほぼ同じ条件の軌道に衛星を送ることが可能になります。
ただ、打ち上げられる衛星の質量は小さくなってしまいます。

他の改良として、
打ち上げ時の振動や分離時の衝撃を小さくし衛星への負担を低減、
地上のレーダー局を頼らない飛行による地上インフラ設備の減少などなど…

とにかく、これまでより使いやすい“H-IIA”になることが目指されています。

こうした「高度化」の技術は、これまでの打ち上げの中で実証試験が行われたり、
また一部に関しては、先行的に搭載されて使われたりしています。

でも、高度化における改良点のほとんどすべてが使用されるのは、
今回の打ち上げが初めてとなります。

なので、今回の商業打ち上げは、実証試験も兼ねているといえます。

打ち上げが成功すれば、
“H-IIA”と他国とのロケットの間にあった格差が、
埋まったことが実証できます。

さらに、これまでの打ち上げ実績を加えて大きな付加価値が付けば…
商業打ち上げの受注に、はずみがつくかもしれませんね。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 情報収集衛星光学5号機の打ち上げに成功 H-IIAロケット

貧弱な矮小銀河の内部でパワフルな星形成

2015年09月29日 | 宇宙 space
天の川銀河に近い矮小不規則銀河をアルマ望遠鏡で観測したところ、
その内部にコンパクトな星間分子雲の群れが見つかったんですねー

このことは、星の材料が豊富とはいえない矮小銀河で、
密集した星団が作られる仕組みの解明につながる研究成果になるそうです。


大きな星形成能力を持つ小さな領域

“ウォルフ・ルントマルク・メロッテ”は、
くじら座の方向約300万光年彼方にある矮小銀河です。

天の川銀河、大小マゼラン雲、アンドロメダ座大銀河M31、さんかく座M33、
および数十個のより小さな銀河を含む銀河の集団“局部銀河群”の外縁に、
“ウォルフ・ルントマルク・メロッテ”は比較的孤立して存在しているんですねー

今回の研究では、
アルマ望遠鏡を用いて“ウォルフ・ルントマルク・メロッテ”を観測。

すると中に、大きな銀河で星が形成される環境と同等の星形成能力を持つ、
小さな領域が見つかりました。

星形成を行う星間分子雲で、
一酸化炭素分子が放出する電波をとらえることによって、
この小さな領域を見つけています。
ブランコ4メートル望遠鏡で撮影された“ウォルフ・ルントマルク・メロッテ”の可視光画像。
全体を覆う水素ガス(赤色:VLA望遠鏡)の毛布によって、
一酸化炭素分子(黄色:アルマ望遠鏡)を濃縮するために、必要な圧力がもたらされている。


通常の銀河とは異なる特徴

これまで“ウォルフ・ルントマルク・メロッテ”や同様の銀河では、
その中に見られる新しい星団の量に比べて、
材料となる物質が十分に観測されていませんでした。

今回の観測から分かったことは、
“ウォルフ・ルントマルク・メロッテ”では比較的密度の高い一酸化炭素の雲が、
その周囲を取り囲む原子・分子の薄い雲に比べて非常に小さいということ。

通常の銀河とは異なる特徴が明らかにされたんですねー

このコンパクトさのため、一酸化炭素の観測が難しかったというわけです。

濃縮された一酸化炭素の雲から多くの星が誕生するためには、
その周りにある巨大で希薄なガスから圧力を受けている必要があります。

まさに、そうした領域を発見したことにより、
銀河中に見られる印象的な星々が誕生するメカニズムが分かりました。

今回の発見や今後の観測は、
天の川銀河の周縁部“ハロー”に分布する球状星団の形成条件の解明にも、
役立つことが期待できます。

それは大規模な星団は、もともと矮小銀河で形成され、
母体となる矮小銀河が分散してしまった後にハローへと移動したかもしれないと、
考えられているからです。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 

エンケラドスの地下には衛星全体に広がる海がある!?

2015年09月28日 | 土星の探査
表面を氷の地殻で覆われた土星の衛星エンケラドス。

今回、探査機“カッシーニ”の観測により、
この地殻の下に、全球的な規模の海が広がっていることが、
分かってきたんですねー
エンケラドスの直径は500キロ。氷の外殻の下には全球を覆う海があり、
南極の“タイガーストラップ(虎縞)”と呼ばれる地形(画像左側)から、
海水が噴出しているのが確認されている。
こうした海は、地球外生命体探査の重要な候補になる。


大きくふらついているエンケラドス

土星の衛星エンケラドスの南極からは、水蒸気や氷が間欠的に噴き出しているので、
氷の地殻の下に水が存在することが分かっています。

これまで、その水は南極付近に部分的に存在すると推測されていました。

今回の研究では、
NASAの探査機“カッシーニ”が撮影したエンケラドスの画像7年分を人力で分析。

クレーターなど地形の位置について慎重に地図を作成し、
エンケラドスの動きを正確に測定しています。

そして発見したのが、
エンケラドスが土星の周りを公転しながら、わずかにふらついていることでした。

このふらつきは非常に小さなものなんですが、
表面から核まで完全に固体であるような衛星のふらつきとしては、
大きすぎるんですねー

表面と核が強固につながっていたら、
核がおもりになるので、ふらつきは観測よりずっと小さくなるはずです。

今回の観測結果をうまく説明するには、
表面と核の間に、全体を覆う液体の層があると考える必要があるようです。

そう、エンケラドスの外殻は、全球を覆う液体に浮いている状態なんですね。
“エンケラドス”の海。“カッシーニ”が撮影した画像7年分以上を分析した結果、
エンケラドスの氷の外殻と岩石からなる核の間に、全球を覆う液体の海があることが分かった。


地球外生命の探査

エンケラドスには間欠泉があり、
宇宙空間に向かって塩水と有機分子を噴き出しています。

この現象をプルームといい、2005年にカッシーニが初めて発見して以来、
エンケラドスは「宇宙生物学者が行ってみたい場所ランキング」の上位にあるんですねー

それは、宇宙生物学者が探しているのが、
化学物質を豊富に含み、長い年月にわたって存在していると考えられる、
液体の水からなる海だからです。

そう、そこに生命が誕生しているかもしれないんですねー

ところが、エンケラドスについては、プルームこそ確認されているものの、
それが長い年月にわたって存在している海に由来している証拠は、
ほとんど得られていませんでした。

初期の理論では、
「おそらく衝突によって形成された局所的な小さい海がある」と、
考えられていました。

でも、そのような海は新しすぎて、生命が誕生しているとは考えにくくなります。

今回の研究結果のように、
エンケラドスの海が全球を覆っているのなら、
海は、長期にわたって安定的に存在することができるので、
微生物が誕生している可能性が出てきます。

全球を覆うほどの海を、
一時的な現象として説明するのは困難なので、
生命が誕生している可能性にとって、プラスの材料になるということです。


謎の多い天体

エンケラドスの他にも、
氷の外殻の下に海の層がある天体は、いくつか知られています。

たとえば、木星の衛星エウロパやガニメデは、
木星や他の巨大衛星の重力の影響で発生する熱により、
内部の海が液体の状態を保っていられることが分かっています。

一方、土星のエンケラドスはと言うと、未知の部分が多いんですねー

海の深さや、海が液体でいられるための熱の発生要因、
そして南極の氷の外殻だけが、間欠泉が噴出するほど薄くなっている理由も、
分かっていません。

南半球の海底だけが活動しているとか、
土星の重力による潮汐作用で、これまで考えられていた以上の熱が発生している、
という説が考えられます。

エンケラドスの海と、その下の惑星物理学的活動をめぐるこの謎は、
氷の外殻によって覆い隠されているということですね。


“カッシーニ”の今後の探査計画

“カッシーニ”による衛星への接近通過“フライバイ”は、
あと数回で終わりを迎えることになります。

そのなかで注目されるのが、
地質学的に活発な活動を見せているエンケラドスです。

エンケラドスには、
今年の10月14日と28日、さらに12月19日にフライバイを行う予定で、
10月28日のフライバイでは、エンケラドスの上空49キロまで接近。

表面のひび割れから間欠泉のように噴出する、
氷の粒子や水蒸気の中へ飛び込むように飛行するんですねー

これにより、エンケラドスの地下で何が起こっているのか?
を調べることになっています。

その後“カッシーニ”は、大きな衛星を遠くから数回観測し、
ダフニエ、テレスト、エビメテウス、アイガイオンなど、
いびつな形をした小衛星20個あまりを撮影。

そして2017年、
“グランドフィナーレ”と呼ばれる最後の1年間では、
土星の本体とその環の間を何度か繰り返し飛行する予定です。

そして、最後には土星に突入する予定になっているので、
今後も新たな情報をもたらしてくれるはずです。


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100億年前の宇宙に発見! 突然星を作らなくなった“マエストロ”銀河

2015年09月28日 | 宇宙 space
すばる望遠鏡による大規模な輝線銀河の探査から、
100億年前の宇宙に「星の生成がとまりつつある」大質量銀河が発見されました。

多数の超新星爆発によって起こる銀河嵐が原因で、
星生成が止まることがあります。

今回の発見は、その銀河嵐を示唆するもので、
銀河進化の全体像を理解するうえで大きな成果になるそうです。


星を作るのを止めつつある銀河

多くの楕円銀河や、
天の川銀河のような大型の渦巻銀河などの大質量銀河では、
100億年以上前に誕生した古い星々が大半を占めています。

宇宙年齢が30億歳の頃までは、
銀河で活発な星生成が行われていたことが観測から明らかになっていて、
大質量銀河もそうだと考えられています。

でも、約100億年前に突然星を作らなくなったんですねー

この“星生成抑制問題”を解決するには、
星を作るのを「止めつつある」銀河を見つけ、
何が起こっているかを、明らかにする必要があります。


矛盾した性質を持つ“マエストロ銀河”

今回の研究では、
すばる望遠鏡を用いた撮像サーベイ観測で銀河を探査しています。

多数のフィルターを用いて、
奥行き方向16億光年にもわたる広範囲を探査した結果、
不思議な性質を示す銀河を見つけます。

“マエストロ銀河”と名付けられた、これら6個の大質量銀河には、
ライマンα輝線が異常に強いという特徴がありました。

ライマンα輝線は、銀河で作られた大質量星からの紫外線で、
電離した水素ガスが放つスペクトル線です。

ただ“マエストロ銀河”では、
比較的古い年齢の星の割合が高く大質量星が少ないとう、
矛盾した性質も見られています。
星生成を止めつつある“マエストロ銀河”の例。
青は電離ガス(ライマンα輝線)、緑は若い星、赤は古い星からの光を表す。
図中の横棒は10万光年。


超新星爆発と銀河嵐

この性質は、“マエストロ銀河”が「活発な星生成が止まった直後」か、
「星生成は続いているが、星生成率が急激に減少している最中」である、
可能性を示唆するもの。

その期間は数千万年程度とみられ、
銀河の歴史においては一瞬ともいえる短いフェーズをとらえた、
非常に重要な発見なんですねー

“マエストロ銀河”で星生成が終りかけているということは、
それまでに誕生した多数の大質量星が、
既に超新星爆発を起こしたと考えることができます。

多数の超新星爆発によって、銀河本体から風が吹き出すように逃げる、
“スーパーウインド(銀河嵐)”と呼ばれる現象が起こり、
銀河中のガスが外に押し出されることになります。

この衝撃で水素ガスが電離され強いライマンα輝線が放射され、
一方で星の材料となるガスが失われ、星生成が止まると考えれば、
矛盾したように見える性質も、上手く説明できます。

この解釈は、
ライマンα輝線が“マエストロ銀河”を取り巻くように拡がっている、
という観測結果とも一致しています。
銀河が“星生成銀河”から“マエストロ銀河”を経て、
“パッシブ銀河(星生成をしていない銀河)”へ進化する様子。


大質量銀河の進化過程

大質量銀河では、生まれてから10億年ほど活発な星生成を行い、
誕生した大質量星が寿命を迎えると、超新星爆発で銀河風が発生します。

この銀河風により、ガスが銀河外に噴出されて星生成が止まり(マエストロ銀河)、
その後には小質量の星が残り、現在の宇宙で観測される楕円銀河などになる、
という進化が、今回の研究から見えてきましたね。

直径50億光年のリング状に分布する9つのガンマ線バースト

2015年09月27日 | 宇宙 space
約70億光年彼方の宇宙で、
9つのガンマ線バーストが直径50億光年のリング状に存在しているようすが、
明らかになったんですねー
70億光年の距離に位置するガンマ線バーストの分布図。
中央が発見された9つのガンマ線バースト。


ガンマ線バーストは、太陽が100億年かけて放つエネルギーを、
ほんの数秒で放出する宇宙で最も明るい現象です。

その明るさのおかげで、
ひじょうに遠いところで発生しても検出することができます。

今回の研究で発見したのは、
約70億光年彼方でリング状に分布している9つのガンマ線バースト。

リングの直径は、夏の大三角がすっぽり入る位いの差し渡し36度で、
実際の宇宙空間では、約50億光年に相当するんですねー!

そして偶然こうした分布となる可能性は、2万分の1しかないそうです。


宇宙の原理に合わない構造

宇宙を大きなスケールで見ると、
その構造は一様で、物理的性質が方向によって違わないとされています。

“宇宙原理”と呼ばれるこのモデルは、
マイクロ波観測衛星“WMAP”や“プランク”による、
初期宇宙やマイクロ波背景放射の観測結果からも支持されています。

でも“宇宙原理”に従えば、
宇宙最大の構造は12億光年が限度になることに…

今回発見されたリングは、その予測より5倍も大きいんですねー

銀河形成や大規模構造に関する既知のプロセスで、
今回見つかったような構造が形成され得るのか、
それとも宇宙の進化に関する理論をくつがえす必要があるのか、
引き続き研究は続けられるようです。


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